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海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

【ヒアリ】 「「ヒアリに刺されたら死ぬこともある」という噂は完全にガセネタ」? 本当にガセネタ?

日本国内で確認されている、南米原産のヒアリについて、新聞やテレビの報道、ワイドショー、ネットニュースで「殺人アリ」「米国で年間100人死亡」といった危険性を煽るような書き方がされてきました。
そんな中、環境省は、米国で年間100人が死亡しているとのホームページの表記が不正確なおそれがあるとして、そのページを削除しました。

一方で、環境省はヒアリに刺されてアレルギー反応の「アナフィラキシーショック」を起こして死亡した例がアメリカで確認されているとして、引き続き注意を呼びかけています。

「米で年間100人ヒアリで死亡」表記を削除 環境省 | NHKニュース

この環境省の対応と発表に対して今度は、「「ヒアリに刺されたら死ぬこともある」という噂は完全にガセネタ」(引用、後述)など、煽るような書き方をするネットニュースや、いわゆる"まとめニュース"、ネットの書き込みがあります。

これまで、ヒアリについて危険だ危険だと過剰に騒いで拡散して、揺り戻して今度は、デマだガセだと過剰に騒いで拡散しているように感じます。

 

ヒアリの国内侵入のリスクを、過剰に小さく感じさせてしまうのではないか少し心配です。

(科学的に)安全」以上に「安心」が強く語られる近頃の日本で、もしヒアリの巣が自分が住む町で見つかったらどうなることか・・・

ヒアリの発見に対して過剰な危機感を持つのは良くないですが、ヒアリに安心感を持ちすぎるのも良くありません。ヒアリの侵入に対する緊張感が必要です。

 

ブログ管理人が読んだ中では、NHKやハフィントン・ポスト日本語版の記事、毎日新聞の記事もバランスのとれた内容になっていました。

環境省・野生生物課の担当者はハフポスト日本版の取材に以下のように答えた。

「アメリカの研究者の報告でも“数十人死んでいる”という記述が見かけるが、確実な裏を取ることができなかった。全く死亡例がないと断言しているわけではない過剰に恐れすぎることはないが、警戒は怠らないで欲しい
(赤字強調は管理人による)

ヒアリの死者、確認できず 環境省が「年間100人以上死亡」の記述削除 - ハフポスト日本版 

「米で年間100人ヒアリで死亡」表記を削除 環境省 | NHKニュース

ヒアリ:「米100人死亡」否定 環境相、根拠確認できず - 毎日新聞

 

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ネットでは、“ネットロアをめぐる冒険”さんとこが、環境省の冊子pdfの原本のキャッシュも参照して、どういうことなのか詳しく検証されています。

ヒアリに刺されても死なないのか、後片付けが大事 - ネットロアをめぐる冒険

米国でヒアリに刺されて年間100人死亡の噂について、“クマムシ博士のむしブロ”さんとこが、そのものずばりのタイトルの記事で詳しく解説をされています。

「ヒアリに刺されて年間100人死亡説」を検証する - クマムシ博士のむしブロ

 

一方で、管理人が特に良くないと感じたのが、先に引用をした表現を使っているネットニュースサイトのロケットニュース24のタイトルと記事の表現。

さらには「死亡例がある」ともされていたヒアリだが、2017年7月18日、環境省はヒアリによる死亡例が確認できなかったとして、ホームページから一部の文言を削除した。つまり「ヒアリに刺されたら死ぬこともある」という噂は、完全にガセネタだったようだ。

【朗報】「ヒアリに刺されたら死亡」はガセだったことが判明! 環境省がホームページから一部表現を削除する | ロケットニュース24

(赤字強調は管理人による)

「「ヒアリに刺されたら死ぬこともある」という噂は、完全にガセネタ」と断定しています。

健康に関する記事で、そこまで断定して大丈夫なのでしょうか。 

 

20170719070611

20170719070612

ロケットニュース24より)(7月19日06時に閲覧・スナップショット画像保存)(赤線・赤枠は管理人による)

記事の最後で「ヒアリが危険な生物であることに変わりはないが、死亡例が確認されていないこともしっかり覚えておこう。」と書いていますが、アレルギー反応(アナフィラキシー・ショック)には触れていません。 

参照元の日本テレビ(NEWS24)も中途半端な書き方をしていました。

ヒアリ死亡例確認できず 環境省HP削除|日テレNEWS24

 

ーー(追記:7/19)ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

“クマムシ博士のむしブロ”さんが、日本テレビのミスリードするような報道を検証されるとともに、信憑性が低いまとめサイトなどの誤情報の拡散について書かれていました。

「ヒアリ死亡例は確認されなかった」という一部報道を検証する - クマムシ博士のむしブロ

ーー(追記ここまで)ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

Rescue 911: Baby vs. Fire Ants - YouTube 

 

新潟県の長岡市で、「強い毒性を持つ「ヒアリ」の疑いがあるアリ」が見つかったというニュースの後、「新潟でヒアリ発見」という確定したかのような流言・デマが広がっていました。結局、別の種類のアリだと分かりました。

危険だ危険だと過剰に騒いで、今度は揺り戻しで、デマだガセだと過剰に騒ぐことのないよう、SNSやネットなどで見聞きした人は、その情報に注意深く接する必要があるのでしょう。ああ、面倒くさい。

 

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日本で、ヒアリが確認された地区と周辺では毒餌を置いて駆除を試みています。中国南部や台湾、米国などヒアリの定着が確認されている、外国からの貨物が多く届く倉庫や事業者、自治体では、殺虫剤を用意して警戒していると思います。
 

台湾やオーストラリアでは一部地域でヒアリが定着・繁殖してしまい、ヒアリの巣を発見したら強力な殺虫剤を注ぎ込んで全滅を試みています。広く定着してしまうと根絶は難しく、もぐら叩きのように駆除作業が行われているのが現状です。

もし日本でヒアリが定着・繁殖したら、もし自分の町の公園・河川敷きや空き地でヒアリの巣が見つかったら、同じように、殺虫剤を使った駆除作業が行われるでしょう。
まさか、殺虫剤にゼロリスクを唱える人はいないと思いますが、案外、その場所はしばらくは、警告板「ヒアリ(殺虫剤で駆除済み)」という表示が出るのではないかと思います。

(科学的に)安全」以上に「安心」が強く叫ばれる近頃の日本なので、
もしかすると、ヒアリの巣が見つかって駆除作業が行われた公園や河川敷きへの立ち入りが禁止されたり、地価・不動産価格にも影響とか・・・、ほかのどこかで聞いたことがある悪影響が出そうな気もします。

 

ヒアリがはじめて確認された、いまの日本で必要なのは、駆除よりも生息調査・モニタリングだと考えています。

ヒアリが確認された地区と周辺に毒餌を置くことは必要ですが、ヒアリが確認されていない地域も含めて全国各地で調査を行うことが重要と思います。

沖縄県では沖縄本島と石垣島でこのモニタリング調査が行われ、どちらの島でも現段階でヒアリはいないと発表されています。

外来種対策事業(ヒアリ等対策)について - 沖縄県

環境省 - ヒアリに関する諸情報について

 

ヒアリが侵入し、定着・繁殖してしまった、台湾の桃園市と周辺では"防衛線・防衛帯" 、オーストラリアのブリスベン市と周辺では"Fire ant biosecurity zone"が、3段階に分けられていて、駆除作業の内容だけでなく、それぞれのバイオセキュリティ・ゾーンからの土砂やゴミの移動制限など管理し、他地域への拡散を防いでいます。

【ヒアリ】 台湾での、ヒアリの発生地域[地図] | ヒアリ撲滅に成功した自治体も - pelicanmemo

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