(via.France3)
冬季の東シベリアで、極寒の地へ自転車で走破するという冒険旅行、日本人の大学生のチャレンジが話題です。
その日本の大学生達の「冬季シベリアツアー企画」を読むと、厳冬期の登山装備を扱うテントやシュラフ(寝袋)のメーカーの協力もとりつけて、しっかりとした計画を立てていたことがうかがえます。(いくつか気になるところはあります)
冬季シベリアツアー企画 | 京都大学サイクリング部 KUCC
現地ニュースを調べてみると、61才のフランス人もチャレンジし、昨年12月の1度目の計画は失敗し、今年1月の再チャレンジで成功していました。これについて少し。
日本メディアの報道の中には、事実と違うところもありました。たとえばテレビ朝日の報道。
オイミャコンは先月に気温マイナス67度を記録していて、保護された当時も約マイナス40度の寒さでした。4人はヤクーツクから約100キロの地点で夏用のテントに滞在していたところ、地元の住民が危険だと判断して保護したということです。1人は両足に軽い凍傷を負っていて、治療を受けていると報じられています。
テントはモンベル社(mont-bell)の「ジュピタードーム6型」で、積雪期登山にも使えるテントです。夏用のテントではありません。現地の人の感覚では夏用に見えたのでそうコメントしたか、外国人のチャレンジ失敗を揶揄するための表現であり、テレビ朝日は裏付けをとらず外電をそのまま報道したのではないでしょうか?
海外ニュースでよくあることで、誤解の元です。
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なぜ、厳冬季の東シベリアを自転車で走ろうと考えたのか、寒がりの管理人にはよく分かりませんでした。😊
この「冬季シベリアツアー企画」と、内外の関連報道を読んで納得。寒い時期の今しか出来ない事で、チャレンジし甲斐のある、あこがれの地だったのですね。
・活動内容
シベリアのジムニックを自転車で走破します。ジムニックとは零下数十度という気温の低さによって 生まれた冬季のみに存在する道のことで、気温の上昇とともに消え、湿地や河川に戻ります。夏場は沼地や湿地帯のために通行不可能なところも冬は凍結によって通行可能になります。今回の冒険では現在地 球温暖化により縮小傾向にあるジムニックの地理的観察を行うとともに、5人の班員と協力してキャンプ と民泊をしながら北極圏まで自転車で到達します。行程はヤクーツクに始まり、ベルホヤンスキー山脈を越えて寒極であるベルホヤンスクを目指すものです。ベルホヤンスキー山脈越えは距離にして1300km、気温は約−40℃、町や村といった補給地点のない約800kmの区間では約10 日分の食料を自転車に積み、主に自炊とテント泊で北極圏を目指します。
ーー(追記:04/12)ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
京都大学サイクリング部(KUCC)が、報告書を発表しました。
装備に関しては現地の方に薄着であるということをよく指摘されましたが、 日中走り続けている分には寒さを感じることはありませんでしたし 、服装や寝袋に関してもVBL仕様のもと十分に対応可能でした。 また発汗により濡れた衣類を乾かす必要があったため、薄手の服の重ね着を行なっていました。 長時間屋外で活動するということがあまり一般的ではなく誤解が生じていたと思います。
ーー(追記ここまで)ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ロシアメディアや、現地のヤクーツクのローカル・メディアでも、詳しく報道されています。Тюнгюлю村の近くで幕営していたそうです。
親切な自動車の運転手さんがテントに声をかけて異常に気付いたか、日本人大学生の方から助けを求めたのでしょう。4人のうち2人は村のホテルで暖まり、2人は病院に移送されました(1人が足に軽い凍傷)。
Четверо японских студентов чуть не замерзли, путешествуя на велосипедах по Якутии - YakutiaMedia (日本人学生4人、凍りつく ヤクティアを自転車で旅行(Google翻訳を元に少し調整)
ヤクーティア(Якутии)とは、ヤクーツク地方やサハ州の現地を表す表現です。((*)日本語での表記不明。ヤクーチア?、ヤクティア?、ヤクーチー?)
ロシア・メディアの関連報道を読むと、日本人大学生4人のチャレンジの失敗と一緒に、今年1月に61才のフランス人がチャレンジし、失敗と成功をしたことが紹介されています。面白い。
(こういう話を新しく知ることが出来るのが、現地メディアの記事を調べる楽しみのひとつ。)
(via.YakutiaMedia)
フランス東部のジュラ県に住むイヴ・シャロン(Yves Chaloin)さん(61才)は、ヌヴベール(?)村(Невер)からオイミャコン(Оймяконье)の最寒地へ、自転車による冒険旅行を行いました。
36日間のサイクリングで、1日あたり平均41Kmを走り、1,473kmを走破しました。テント泊は14日間。気温はマイナス43度からマイナス55度だった。
昨年12月に最初のチャレンジを開始しましたが、現地の寒さのために、装備に不具合がでて断念。フランス製の最高のものを使用していたが、現地のヤクーツク市で、装備のほとんどを購入し直さなければならなかったそうです。今年1月に再チャレンジして、走破に成功しました。
ヤクーツクの現地メディアYakutiaMediaは、次のように書いています。
「私はフランスで購入した多くの装備を用意していました。フランスの装備は最高でしたが、ヤクーティアについて何も知らなかった」とシャロンさんは語った。
"У меня много экипировки, я купил все во Франции. Но несмотря на то, что французы лучшие в экипировке, они ничего не знают об условиях в Якутии", – сказал Шалоинヤクーティアの住人だけが、ヤクーティアで暖かく保つために何が必要であるかを知っている。
что только жители Якутии знают, что нужно для того, чтобы согреться в Якутии.
(赤字強調は管理人による)(Google翻訳を元に少し調整した)
日本人の大学生4人も日本製の最高の装備を用意していた。
しかし、ヤクーティアについて何も知らなかったのかもしれません。
CNN.co.jp : 氷点下67度、シベリアに猛烈な寒波到来 (2018.01.18)
Климат Оймякона - Погода и Климат (オイミャコンの天気・気温・降水量など気象情報)
いつか、冬のヤクティアで 😊