pelicanmemo

海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

”中国は尖閣諸島を埋め立てて2万人が居住する計画”だって? それ、ゲームの話です。(追記あり)

20210330195215日本経済新聞より)

3月24日に行われた自民党の国防部会と国交部会の合同会議で、招かれた有識者が示した資料に「中国は尖閣諸島を埋め立てて2万人が居住する計画を持っている」というものがあったことを、3月30日付けの日本経済新聞が報じた。

安全保障関連法の制定当時、武力衝突に至らないグレーゾーン事態への対処が論点になった。離島占拠などを想定し警備拡充の法整備を求める意見も与野党で上がった。施行から5年が過ぎ、沖縄県尖閣諸島周辺で中国の脅威が増すなかで議論が再燃してきた。

中国は尖閣諸島を埋め立てて2万人が居住する計画を持っている――。24日、自民党の会議に招かれた有識者が示した資料に出席議員は息をのんだ。中国側が動くきっかけや日本側の対応など議員側の質問が相次いだ。
(赤字強調は管理人による)

尖閣、中国の脅威増す グレーゾーン対処に隙: 日本経済新聞 (2021年3月30日)

 

これと思われる会議について自民党の石原ひろたか衆議院議員が3月26日にツイートをし、紙の資料(3月23日付)と一緒に”尖閣諸島を埋め立てた”画像を掲載している。(その姿勢は評価している)
ツイートに会議の日付は書かれていないが、時期と「中国は尖閣諸島に2万〜6万人の居住施設」と書いてあるので同じものだろう。

そのツイートのイラスト部分を抜き出した。埋め立てられ人工島が建設されている3DCG画像だ。

20210328184828

左上に”36”という数字が見えているので印刷された配布資料の一部かもしれない。

20210328184834 (石原ひろたか議員のツイートより。3月26日にスナップショット取得。画像内の赤枠は当ブログ管理人によるもの)

 

その画像は、都市開発シミュレーションゲーム「シティーズ:スカイライン」を使って、中国または香港のゲームユーザーが作成した娯楽作品が元です。

実は当ブログ管理人、たまたま、このゲーム動画を見知っていたのでピン!ときました。😊

 

次の画像は、動画共有サイトで公開されているゲーム動画から取得した同じシーンのスナップショット画像(ほぼ間違いなくこちらがオリジナルあるいはかなり近い)
自民党国防部会の資料の方は、別の動画共有サイト搜狐動画での転載動画から取得したものですね。
(動画や、他のスナップショット画像は後ろの方に載せています)

20210328184901 (「都市天际线|未来的钓鱼岛城市规划构想:人口2万,一座跨海大桥连接各个海岛」半个机长/西瓜视频の動画からスナップショット画像を取得)

石原議員のツイートに対して、引用ツイートの形式で指摘をさせていただきました。(その最初のツイートは3月30日の午後に削除された。同じ文章の新しいツイートは閲覧できている↓(記事公開時点))

 

これを資料として示した有識者は東京大学の川島真教授のようだ。

--(追記:3/31)--------------------

川島真教授がブログ「横浜日記」(3月30日付)で、この画像について書いておられます。(さっき、ツイッターで教えてもらった)

大事なところを一部引用。

この画像が政府の公文書ではないことや、国土空間開発については多くのコンサルなどが計画を色々作っていると言うことは質疑応答で言っただのが・・・。「絵空事」のようであっても、様々な海島開発計画があり、尖閣もその対象に含まれていると言うことを伝えたかったのだが、やはり伝え方は難しい。説明不足、また切り取られる可能性を踏まえられず、反省。

3月30日(火) :横浜日記

このExciteブログのプロフィール等に作者の記載は無いが、東京大学大学院総合文化研究科川島真研究室のウェブサイトのメニューバーにリンクがある。

川島真研究室
--(追記ここまで)------------------

 

 

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【アフリカ豚熱】変異ウイルス(変異株)発生 違法ワクチンが原因も【アフリカ豚コレラ】

20180827224004 

中国で、2018年8月にアジアではじめて発生が確認されたアフリカ豚熱(ASF(African Swine Fever)、旧称:アフリカ豚コレラ)。

1年足らずで中国のすべての省・自治区・直轄市へと拡大したが、中国政府当局や省政府の厳しい”対応”の”成果”として、少なくとも農業農村部から公式発表されるASF発生件数は大きく減って、アフリカ豚熱(ASF)ウイルスの感染拡大は抑制されていると発表されている。

 

しかしその”副作用”として、養豚企業は大規模な生産調整を行い飼育頭数と豚肉供給量の激減を引き起こした。養豚場・農家ではASFが発生しても当局に対するごまかしが常套化するとともに、正式に許認可されたASFワクチンは未だ存在しないにも関わらず”違法ワクチン”が広く使用されている。

あいかわらず日本メディアはまったくと言っていいほど報じていないことだけど、外国メディア日本語版の記事で断片的に伝えられているものだ。 

近頃、この違法ワクチンの使用が原因とされるアフリカ豚熱(ASF)の変異株の発生と感染拡大が起こっている。さらに”タチが悪く”変異したウイルスが発生するかもしれないと危惧されている。

 

 

報道などの時系列では、まず外国メディアのロイターが”違法ワクチン”の使用による変異株の発生と流行の報道があった。その変異株の感染拡大を防ぐため、飼育豚(雌豚)の大量殺処分を報じたことが発端だろう。

これに対して中国当局は、変異株について「ウイルスの変異はよくあること」と過剰に怖がる必要は無いとそれっぽい科学的な説明をしつつも、”違法ワクチン”の対策を強化することとなった。

中国当局はこれまでも違法ワクチン対策を発表していた。しかしその実態は野放しあるいは大きな抜け道がある状態だったと聞く。大きく減った飼育頭数を戻して豚肉生産量を増やすことが至上命令だったからだろう。それが「違法ワクチン+変異株」へと発展をし、被害が拡大しはじめたため対策を強化したと考えられる。

 

アフリカ豚熱(アフリカ豚コレラ) - pelicanmemo

新型コロナウイルスのパンデミックは、中国でのアフリカ豚熱(ASF)の流行が発端か - pelicanmemo (2021-03-23)

 

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新型コロナウイルスのパンデミックは、中国でのアフリカ豚熱(ASF)の流行が発端か

20210323193601

2019年12月、中国の湖北省武漢市の市場ではじめて確認された新型コロナウイルスの大規模な集団感染は、わずか数ヶ月で世界的流行(パンデミック)へと拡大した。

発端はその1年前、2018年に中国で発生したアフリカ豚熱(ASF(African Swine Fever)、旧称:アフリカ豚コレラ)の全国的な流行と当局による感染拡大防止策、養豚関連業界の需給の大混乱だったという研究がある。

中国・広東省の華南農業大学1と、英国のグラスゴー大学ウイルス研究センター2、江蘇省の西安交通-リバプール大学3の共同研究。査読前の論文でpreprint.orgで公開されている。  

How One Pandemic Led To Another: Asfv, the Disruption Contributing To Sars-Cov-2 Emergence in Wuhan; Wei Xia1, Joseph Hughes2, David L. Robertson2, Xiaowei Jiang3* (Online: 25 February 2021)
(ひとつのパンデミックがどのように他のパンデミックにつながっていったか:ASFV(アフリカ豚熱ウイルス)での混乱が、武漢でのSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)の出現に寄与)

 

 

2018年8月3日、中国の遼寧省の養豚場でアジアではじめてのアフリカ豚熱(ASF、旧称(当時の名称):アフリカ豚コレラ)の発生が確認された。それは1年足らずですべての省・自治区・直轄市へと拡大した。

政府当局と地方政府は厳しい感染拡大の防止策を行い、それをうけて養豚企業は大規模な生産調整を行ったことで豚の飼育頭数が激減してしまった。一時は、世界で飼育されていた豚の4分の1が消えたと報道されていたものだ。

 

これによって、2019年には中国国内での豚肉価格の高騰と激しい変動が起こった。
2年くらい前のニュースで、中国の市場やスーパーの店頭の豚肉を奪い合うように買っている映像を見たことのある人も多いだろう。

そこで豚肉に代わる食肉の需要が高まっていった。広東など南部の省では特に豚肉の価格上昇率が大きかったため、家畜・家禽ではない野生動物(ブッシュミート)を「野味」として珍重する食文化が昔からあったこともあり、それら食用となる野生動物の飼育と消費と販売が増えたそうだ。生きた野生動物だけでなく冷凍肉や加工肉の流通も増えていった。

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、コウモリを宿主とするウイルスが直接的あるいは中間動物を介してヒトに感染し、ヒト・ヒト感染しやすくなる変異を起こした可能性が指摘されている。

野生動物の飼育とその食肉・製品の消費の増加は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)など新たなウイルスに感染した野生動物やウイルスに汚染された製品と接触する機会が増えることを意味している。

そして2019年12月、武漢市の「野味」も扱う華南海鮮市場で大規模な集団感染が起こった。武漢市で広く感染拡大して中国各地へと伝播し、世界的流行(パンデミック)へと繋がっただろう、というものだ。

20210323193658(武漢市の華南海鮮市場の内部写真とされたもの(微博より))

偶然かもしれないが、武漢市で最初の新型コロナの集団感染(クラスター)が発生したのは”華南”海鮮市場だった。

論文の最後では、アフリカ豚熱(ASF、旧称:アフリカ豚コレラ)の感染拡大はフィリピンやインドネシア、ミャンマーなど東南アジアで続いており、それらの地域でも中国と同じように野生動物とその食肉の消費が増えている可能性がある。さらに新たな人獣共通感染症が発生するリスクが高まっていると締めくくっている。

 

アフリカ豚熱(アフリカ豚コレラ) 3ページ目 - pelicanmemo

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台湾スシロー「サケの乱(鮭魚之乱)」 改名332人、新北が最多の100人、高雄が次点の56人。1店舗あたり18人相当。(追記あり)

20210318125420(TVBSを元に加筆)

台湾で起きている「鮭魚之乱(鮭魚之亂)」。

おもしろい。🤣🤣🤣

台湾スシロー「サーモンさん無料」に改名者続々 南部の首長が海鮮自慢展開 | 中央社フォーカス台湾

台湾スシロー 台灣壽司郎 - Facebook

 

春のキャンペーンで、名前に”鮭魚”(サケ、サーモン)が付く人はお食事代が無料で食べ放題となることで、各地で”鮭魚”を含む名前に改名をした人が続出している。台湾の民政局によると3月17日午後7時時点で135人が改名したそうだ。

--(追記:3/18)--------------------

蘋果日報台湾版の集計によると、3月18日 17時半時点で333人が改名したそうだ。

タイトルを「台湾スシロー「サケの乱(鮭魚之乱)」 改名135人、高雄市が最多。1店舗あたり6~10人相当。」から変更しました。

 20210318211329

【鮭魚之亂】超狂!今又增194總計331人改名 一圖看懂全台「改名鮭」分布 | 蘋果日報

--(追記ここまで)------------------

(追記修正3/19:3月18日午後5時半までのデータが更新されたので、それに合わせて追記修正をしました。タイトルを再修正しました)

 

スシロー(台灣壽司郎)は台湾国内に20店舗を展開している。

直轄市など店舗展開している地域の人口と、改名人数などを調べてみた。

 

やや地域差はあるが、1店舗あたりで計算すると改名”鮭魚”さんは約18人となった。

”鮭魚”さんとテーブル1つでの会食6人までが無料キャンペーン対象となる。

桃園市・県のように店舗が無いけど21人も改名しているところもある。隣の新竹や新北、首都圏の店に食べに行っているのだろう。

一方、高雄市には3店舗しかないのに29人も改名していた(3月17日19時まで)。18日分を

スシロー店舗のある市・県ではおおむね、人口10万人あたり改名”鮭魚”さんは1~2人(3月18日午後5時半まで)。高雄では人口10万人あたり2.05人と一番多い。

高雄はお調子者が多いのか?🤣

北部の新北が盛り返し、高雄と同じくらいになった。

 

台湾スシローのキャンペーンは3月17日〜18日。

以下、直轄市や地域ごとでの詳しいデータ。(3月17日19時まで)(3月18日15時半まで)

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【中国海警局】武器使用「自制している」と主張。さらに「中国がやめるという幻想を持つな」と強調。

20210315200035共同通信より)

共同通信は3月13日、中国海警局の艦船が尖閣諸島の周辺で活動する際に武器の使用や強制退去を「自制している」と、中国政府が日本政府に伝えていたと報じた。共同通信の独自報道のようだ。

共同通信のネット版記事ではここまでしか伝えていない。配信先の47NEWS(よんななニュース)の52の参加新聞社の転載記事やYahooなどポータル・サイトの記事も同じなので、ここまでしか読んでいないひとが多いのではないだろうか?

しかし、これにはさらに続きがある。

「中国がやめるという幻想を持つな」と強調した、と続いている。

中国海警局の艦船が沖縄県・尖閣諸島周辺で活動する際、海上保安庁の巡視船や日本漁船に対する武器使用や強制退去を「自制していると、中国政府が日本政府に伝えていたことが13日、分かった。日本は尖閣は日本固有の領土だと反論し、領海侵入などの中国側の活動自体を強く批判した。複数の日本政府関係者が明かした。

中国、海警局の武器使用「自制」 尖閣周辺活動で日本に説明 | 共同通信

20210315210023

独家:中国就尖阁周边活动称克制使用武器 - 共同社

China "exercising self-restraint" against Japan ships near Senkakus - KYODO NEWS 

 

その後の部分を共同通信の中国語版や英語版と、日本語メディアでは産経ニュースと八重山日報が伝えている。(他にもあるかもしれないが未確認)

なぜか、共同通信(日本語版)はその部分は伝えていない。イヤな感じだったので記録も兼ねてちょっとメモ。

関係者によると、中国は2月下旬、外交ルートを通じ尖閣が中国固有の領土だと改めて主張。海警の日本漁船に対する追跡は「漁船の中国領海への侵入を受け実施している」と正当化した。海保の巡視船や日本漁船への強制退去や放水銃での制圧、武器使用を含めた「対応を自制している」と表明した。 一方で、中国は海警による尖閣周辺の日本領海侵入や、領海外側の接続水域も含めた日本漁船への接近、追尾を「中国がやめるという幻想を持つな」とも強調した。 

中国、武器使用「自制」 尖閣周辺活動で日本に説明 - 産経フォト 

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