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中国、極域の海洋科学調査・深海潜水艇母船「Hadal X(深淵極客)」を建造へ | 日本語だと「超深海オタク」号!?

20170623055702(via.彩虹鱼海洋科技股份有限公司

中国、上海の、海洋科学調査・研究開発ベンチャーの"彩虹鱼海洋科技股份有限公司(以下、彩虹魚公司)は、北極や南極などの極域での海洋科学調査を行い深海潜水艇の支援母船でもある「Hadal X(深渊极客)」号の建造計画をスタートさせた。
設計と建造は、オランダの造船大手であるDAMEN社が行う。

 

このイラストでは、人やスノーモービルが乗っても割れない厚さの、大きな氷を勇ましく割って進んでいる様子が描かれている。船首が尖っていて、ぶ厚い氷でも切るように進んでいけそうなイメージだが、実はこの船のポーラークラスはPC6(*)(日本の砕氷船「しらせ」はPC2)

船首はDAMENの船に特徴的なSEA AXEデザインなだけで、船体からも砕氷船ではないことが分かる。日本のJAMSTECの海洋調査船「みらい」のような、海氷のある極海域を航行できるレベルの耐氷船(極地氷海船)だ。

 

極地を含む海洋の探検旅行をマネージメントする"EYOS Expeditions"も、発足式に参加している。冒険&豪華ヨット「SeaXplorer 」と似たデザインなので、もしかしたら船尾に砕氷能力をもたせているのかもしれない。

 

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(via.彩虹鱼海洋科技股份有限公司

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極地氷海船の船名、英語では「Hadal X」、中国語(簡体字)では「深渊极客」。

日本語にすると、"深淵"は"超深海"、"极客(極客)"は英語のスラングの"GEEK(ギーク)"、つまり"オタク"。

つまり、船名を現代日本語に訳すと超深海オタク」号となるのである。😆 ドドーン!!!

 

"极客(極客)"の"極"の字が、深海という極限環境とちょうど合っていたのだろう。

彩虹魚公司のホームページには、上海で行われた深海フォーラムに参加した世界の6人の「深渊极客」たちが紹介されている。ひと昔前だと「深海マニア」と呼ばれていたかもしれない。
(日本からは、海洋研究開発機構(JAMSTEC) 海洋生物多様性研究分野の加藤千明博士が参加したようだ。)

深渊高峰论坛嘉宾系列之五:来自日本的“深渊极客”

极客 - 维基百科 wikipedia极客 - 百度百科

 

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(via.彩虹鱼海洋科技股份有限公司

 

極地海洋科学調査船「Hadal X(深渊极客)」号は、全長95m、型幅17m、型深さ8m、最大吃水4.95m。設計排水量5000トン。最大航行速度15ノット、航続距離8000海里、日数60日。乗員75人。
設計は、IMOの極海コード(IMO Polar Code)はカテゴリーB(**)、ポーラークラス(Polar Class、極地氷海船階級)はPC6(*)で、そこそこの厚さの浮氷がある海を正常に航行でき、ビューフォート風力階級12級でも安全に行動することが出来る。
さらに、11000m級潜水艇、4500m級潜水艇、100m級潜水艇などの装備が可能だ。
(*) 多年氷が一部混在する中程度の厚さの一年氷の中を、夏季又は秋季に航行する船。
(**)多年氷が一部混在し、少なくとも薄い一年氷がある極海域の航行向けにデザインされた、カテゴリーAに含まれない船舶。
 

彩虹魚公司は、11000級有人深海潜水艇の研究開発と建造を進めている。2016年には科学調査母船「張謇(张謇)」号が完成し、同時に運用する無人潜水艇や海底着陸装置の実験と調査がすでに行われている。

「Hadal X(深淵極客)」号は、民間投資によって建造される中国はじめての極地海洋科学調査探検船となる。2017年中に設計を完成させて、2018年に建造を開始し、2021年の運用開始を予定している。 

 

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IMO Polar Code(極海コード)について - 日本船主責任相互保険組合

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