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海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

中国の国産4500m級有人深海潜水艇「深海勇士」号、海洋試験を終えて帰港

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中新网より)

中国、国産の4500m級有人深海潜水艇「深海勇士」号と、海洋科学調査母船「探索一号」が10月3日、50数日間のはじめての海洋試験を完了して、海南省の三亜港へ帰港した。
今回、国産4500m級有人深海潜水艇が「深海勇士」号と、はじめて大きく報道された。

 

4500m級有人深海潜水艇は、国家高度技術研究発展計画(863計画)に基づいて、中国船舶重工集団702研究所をはじめとした国内の94の企業・団体が共同で、8年をかけて設計と研究開発が行われてきた。その基礎には、7000m級有人深海潜水艇「蛟竜」号での研究開発と運用の実績がある。

「蛟竜」号の国産化率は約60%だったが、「深海勇士」号では耐圧殻や浮力材などが国産化され、重要な装備で91.3%、主要な装備でも86.4%まで高められている。

 

「深海勇士」号の総設計師である胡震によると、海洋試験の結果、国産の耐圧殻、浮力材(シンタクチック・フォーム)、リチウム電池、推進器、高圧海水ポンプ、マニピュレータ、液圧システム、音響通信、水中測位、コントロール・ソフトウェア等の10のキーテクノロジーの装備の信頼性が確かめられた。

「深海勇士」号の設計最大深度は4500m級で、中国の主な海域と国際海域での海底資源開発が、基本的にカバーされている。中国らしい現実的な計画だ。 

(それぞれの装備についての概略は、拙ブログの関連記事をご参照ください。)

中国の国産4500m級有人深海潜水艇 国産化率は90%以上に - pelicanmemo (2017-05-02)

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中新网より)

中国の国産4500m級有人深海潜水艇は、以前は「4500」「蛟龙4500」と呼ばれていたようだ。今回の海洋試験を行うにあたって「深海勇士」号と命名されたのだろう。ただし、正式名称なのか、海試のために付けられた仮称(共産党大会の直前の帰港なので、名無しよりはあった方が印象が良く覚えられやすい)なのかは分からない。舷側には大きく「深海勇士 SHEN HAI YONG SHI」と描かれている。
(そのほかの舷側と尾翼のマークは、「863計画」「中国科学院」「CSIC(中国船舶重工集団)」、カラフルな「三亜市」観光マーク。)

 

研究開発の段階での名称が、後になって、なにかの理由で変わることは時々ある。
たとえば7000m級「蛟竜(蛟龙)」号も、最初は「和偕(和谐)」号と名付けられていたが、後になって高速鉄道の名前とカブっていた事が分かり改名を余儀なくされた。近頃では、4500m級AUV「潜竜二号(潜龙二号)」が、いつのまにか「探索」号と呼ばれていた。

 

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中新网より)

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