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海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

【中国海警局】 首相官邸へ、中国から、尖閣沖の公船の情報提供?

20170207063211(浩汉防务-微博) 

ラジオのニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」7月2日放送分(コメンテーター:須田慎一郎)を、ポッドキャストで聞いていて少し気になる部分があった。

尖閣諸島の接続水域を航行し領海にも侵入している中国海警局の公船について、日本の首相官邸は、どういうルートを通って1日に何隻入ったのか記したものを、中国サイドから、非公式ベースで情報提供を受けているのだそうだ。

 

わざわざブログ記事にするネタじゃないと思ったけれども・・・、あまり報道されないそうなので、記録も兼ねて、ラジオ放送のその部分を書き出してみた。

 

先日の、日刊ゲンダイの記事の中に「15年以降はその出動を日本海保に『事前通告』」という、これも気になる部分があった。

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 尖閣周辺の領海侵犯が増えているかのように言うデマゴギー|永田町の裏を読む|日刊ゲンダイDIGITAL (2018年5月24日)

私は3年ほど前に、中国公船の領海侵入が判で押したように月3回であることに疑問を持ち、海上保安庁に問い合わせたが返答がなく、中国人記者を通じて中国側から探ると、「東シナ海を担当する海警局東海分局は、上海、浙江、福建の3総隊を持ち、そのそれぞれが月に1回出ていくので月3回になる。しかも15年以降はその出動を日本海保に『事前通告』し、また領海内にとどまる時間も2時間以内と定め、余計なトラブルを避けるようにしている」とのことだった。

(赤字強調は管理人による)

この引用前半の、「東シナ海を担当する海警局東海分局は、上海、浙江、福建の3総隊を持ち、そのそれぞれが月に1回出ていく」
という説明は、実際の、尖閣沖で確認されてきた中国海警局の公船の動きとは食い違っていて、間違いであることを当ブログで指摘させていただいた。

【中国海警局】 尖閣諸島の領海侵入、月3回なのは3つの総隊がそれぞれ出していた、だって? |日刊ゲンダイの記事 - pelicanmemo (2018-05-25)

中国海警局 カテゴリーの記事一覧 - pelicanmemo

 

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20160602210146(2015年)
Asia-Pacific Maritime Security Strategy (The Department of Defense) (PDF)より)

【中国海警局】 海でも崩れた日中均衡 経済に続き警備力も「逆転」 - 日本経済新聞2016年5月29日 - pelicanmemo

 

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(月曜〜金曜、朝6時〜8時)、7月2日放送(コメンテーター:須田慎一郎)の公開動画・音声から、該当する一部を書き出してみた(相槌などは削った)。

このラジオ番組のバックナンバーは、YouTubeとポッドキャスト(前後半に分かれている(5月31日放送分から))で公開されている。

飯田浩司のOK! Cozy up! | ニッポン放送 ラジオAM1242+FM93

 

7月2日放送分(コメンテーター:須田慎一郎)。
中国海警局が、7月1日から、中央軍事委員会が指揮する武装警察部隊に隷属するというニュースについて・・・、

2018年7月2日(月)コメンテーター須田慎一郎 - YouTube

飯田浩司 :軍事委員会の傘下の武装警察の一員となるということは、これは、軍の行動と線引きが怪しくなるんじゃないか、ということですね。

須田慎一郎:そういうリスクというか心配が出てくるのは間違いないんですけどね、
ただね、前の番組でね、こういうことを申し上げましたよね、

日本の、というかですね、首相官邸は、中国の公船が、どういったルートをたどって、1日に何隻入ったのか、その航跡をですね、記したものを、毎日毎日、中国サイドから非公式ベースで提供を受けていると、
そのペーパーを私も見たことがあります、と、いう話をしましたよね。 

(赤字強調は管理人による)

ポッドキャストでは後半24分30秒あたりから。
YouTubeでは54分40秒あたりから。

2018年7月2日(月)コメンテーター須田慎一郎 - YouTube (その部分から再生されるよう設定。)

 

前の番組でも触れているそうなので、探してみたところ、5月21日放送分で話していた。その部分も書き出してみた。

 

5月21日放送分(コメンテーター:須田慎一郎)、
中国海警局の公船の、尖閣諸島の接続水域の航行や領海への進入について・・・、

2018年5月21日(月)コメンテーター須田慎一郎 - YouTube 

須田慎一郎:ただね、あの件に関して言うとですね、あまり報道されないんだけれども、中国サイドは、入ってきた公船が、どういう航跡をたどっているのか、についてはですね、まあ、逐一、毎日のようにですね、日本の官邸サイドに情報提供してるんですよ。

飯田浩司 :そうなんですか?

須田慎一郎:まったく知られていませんですけどね。私は、そのね、航跡を描いた、えー、地図といった、中国から提供された情報コピーくださいと言ったら、絶対ダメだ!と言われたんですけど、見た事がありますから。 
(赤字強調は管理人による)

ポッドキャストとYouTubeで、42分20秒あたりから。 

2018年5月21日(月)コメンテーター須田慎一郎 - YouTube (その部分から再生されるように設定。)

 

まとめると、中国サイドから非公式に、日本の首相官邸へ(海上保安庁へではない?)、海警局の公船の「こうせき("航跡"だろう)」を記した情報(地図?海図?)が、毎日、提供されている、のだそうだ。

「こうせき("航跡"だろう)」なので、事前通告ではなく、“今日は接続水域・領海のこのルートを航行した”という情報だと考えられる。

海上保安庁から、首相官邸の危機管理センターに設置する情報連絡室や官邸対策室にも同じ、さらに詳しい情報が上げられている。
中国側からも、日本の首相官邸に対して、非公式ベースでの情報提供があるのだろう。

また中国でも、海警船から海警指揮センターへ、衛星通信・会議システムを使って詳しい航行情報が送られているだろう。

 

非公式のチャンネルがあることは、不測の事態を避ける上で重要だ。
ただ、この首相官邸への航行ルート等(地図?海図?)の提供は、事前に情報提供をしてトラブルを避ける目的というよりも、事後に航行実績を、日本政府に対して直接に通知する意図があるのではないだろうか?
(非公式ベースなのは、公式の連絡だった場合、日本側も公式の対応を検討しなければならなくなり、角がたつからか?)

 

もし「こうせき("航跡"だろう)」が言い間違いで、「予定する航行ルート」だとすると、毎日、事前連絡があることになる。
天気や外洋の波浪予想、洋上の海警船からの最新の航行情報をもとにして、日本の首相官邸へ、「明日は何周させま〜す」「明日は領海入った後に、すぐ帰らせま〜す」と伝えているのだろうか?😊

どんな地図?海図?なのだろう。ひと目、見てみたいものだ。

 

須田慎一郎氏のコメントは、書き出した部分の後まで続いています。
この記事は、反駁するのが目的でははないので、そこは書き出しませんでした。

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