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海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

空港などで働く、検疫探知犬について調べてみた | 日本、台湾、韓国、中国

20181031210206(動物検疫所より)

旅行者の手荷物や国際郵便物の中から、動植物の検疫検査を必要とする肉製品などを嗅ぎ分ける「検疫探知犬 (quarantine detector dog)」。

アフリカ豚コレラ(ASF)、豚コレラ(CSF、古典的豚コレラ)、口蹄疫、鳥インフルエンザなどの家畜の伝染病、植物の病害虫が国内に入り込まないよう、見張って 嗅いで守っています。

現在、多くの国で家畜の病気が発生しており、また、おみやげや個人消費用のものは検査証明書の取得が難しいため、肉製品や動物由来製品のほとんどは、日本へ持ち込むことができません。

不正な持ち込みは、罰則の対象となりますのでご注意ください。

肉製品などのおみやげについて:動物検疫所

日本で検疫犬が導入されたのは意外と遅く、2005年(平成17年)12月から成田国際空港に導入。2008年(平成20年)2月から関西国際空港、2012年(平成24年)2月から羽田空港に導入されました。

お隣りの、台湾では2002年(民国歴91年|平成14年)10月から、中国では2001年(平成13年)12月から、韓国では2001年(平成13年)1月から導入されています。

2018年(平成30年)戌年も終わるので、これについて少し。 

 

2019年検疫探知犬カレンダーができました。
検疫探知犬カレンダー(2019年版)のページからご自由にダウンロードしてご利用ください。
http://www.maff.go.jp/aqs/topix/attach/pdf/pamphlet-73.pdfhttp://www.maff.go.jp/aqs/topix/attach/pdf/pamphlet-74.pdf

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僕にお座りをさせないで!/動物検疫所からのお知らせ - YouTube

 

日本では「検疫探知犬 (quarantine detector dog)」は、成田空港、羽田空港など8カ所に、29頭が配置されています。(2018年10月現在) 

新千歳空港:2頭、成田国際空港:6頭、羽田空港:5頭、中部国際空港:3頭、関西国際空港:6頭、福岡空港:3頭、那覇空港:2頭、川崎東郵便局(*):2頭。
計29頭(2018年10月) 

検疫探知犬について:動物検疫所

(*)「川崎東郵便局」は、海外からの船便の郵便物の通関手続きを行う。国内唯一の出張所「横浜税関川崎外郵出張所」が、2013年5月に同局に移転した。日本に到着する外国郵便物の約9割を扱う。
横浜税関の川崎外郵出張所が開所式 外国郵便物の9割を処理 - 産経ニュース (2013.5.7))

 

 

検疫探知犬というとビーグル犬とよく言われますが、川崎東郵便局(横浜税関川崎外郵出張所)の2頭はラブラドール。

大量の国際郵便物をチェックして回り、対象物を発見すると前足で前掻きする“アクティブ・ドッグ”として訓練された犬が選ばれたのでしょう。

ビーグルは、対象物を発見するとお座りをしてハンドラーに知らせる"パッシブ・ドッグ"としての訓練がされています。人なつこい性格で、人混みでも邪魔になりにくい小型犬、旅行者に恐怖感を与えにく、働く検疫犬を旅行者に見てもらうことで、動物検疫や植物防疫のことを知らせる役割も担っています。

 

検疫犬の訓練の依託と、家畜防疫官のハンドラーの訓練は、米国やオーストラリアの訓練施設で行われています。

日本国内に、検疫検知犬の養成のための施設は、予算や規制頭の関係で未だに作られていないようです。 

検疫探知犬について:動物検疫所

動物検疫所の取組(pdf)(平成30年7月25日)

動検時報バックナンバー:動物検疫所

海外からの伝染性疾病を防止し、畜産業の振興と国民の健康を維持する 〜動物検疫所の職員の方々を取材〜 |インタビュー|人事院月報 No.822 (pdf)

 

台湾では、米国農務省の検疫犬訓練センターで3頭の検疫探知犬とハンドラーの訓練が行われ、2002年(民国歴91年|平成14年)10月に帰国して、検疫のお仕事が始まりました。

それと平行して、台湾の国内での検疫訓練制度を開始。南部の屏東県の屏東科技大学に動植物検疫検知犬訓練センター(動植物檢疫偵測犬訓練中心)を建設し、ニュージーランドから訓練師を招いて、2005年(民国歴94年|平成17年)に落成しました。

動植物防疫検疫局の資料によると、検疫犬47頭とハンドラーのグループが活動しています。(アフリカ豚コレラ(ASF、非洲豬瘟)の報道でも、40数頭が活躍と伝えられていました)

配置されているのは、松山飛行場、桃園国際飛行場など空港が多く、中国大陸近くの金門水頭埠頭に4頭が配置。また、機動的に、基隆港や台北港、台中港、高雄港などへ派遣されるそうです。

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中国に近く、福建省からのフェリーが到着する金門水頭埠頭に、4頭"しか"配置されていないとの不安感を伝えるニュースもありました。

日本の場合、検疫探知犬29頭のうち、川崎東郵便局の2頭を除くほか27頭は各地の空港に配置。ファーストポート指定港湾(外国からの船が最初に入港する日本国内の港。検疫、入国管理、税関の手続きが行われる)での検疫探知犬の常駐は無いようです。

 

近年の中国からの大型クルーズ船の、地方の港湾への寄港と中国人旅行者の来日がニュースとなることも増えました。大型クルーズ船が寄港できる港を増やす規制緩和も検討されていますが、"インバウンド"ばかりが注目されているよう。

防疫対策はどうなっているのか、非常に気になるところです。

岐阜県岐阜市の豚コレラ(CSF、古典的豚コレラ)の原因のウイルスは、野生のイノシシが、外国からの豚肉製品や外国人旅行者などが捨てた食べ残しを食べたことだという推測もされています。

旅行者が、いわゆる"インスタ映え"する写真を撮るため、農場や牧場の敷地内に立ち入ってこともあって不安という、農業・畜産業の従事者の声も・・・

 

とはいっても、日本で検疫探知犬の数を増やしてほしくても、検疫犬の訓練依託、ハンドラーの人員定員と人件費、育成などの多くの制限があり、遅々として進まなさそう。(防疫探知犬を入れれば確実なわけはないけども・・・、F-35一機分くらい、毎年の運用費用と合わせて、予算をつけやがれ)

檢疫犬介紹 - 行政院農委會動植物防疫檢疫局

  

韓国では、2018年現在、仁川空港地域本部にハンドラー22人、嶺南地域本部に3人、済州地域本部に2人(ハンドラーの人数が発表されていた。検疫犬の頭数も同じだろう)。仁川国際空港に隣接し、養成訓練センターがあるそうです。

검역탐지견 이해 - 인천공항지역본부 - 농림축산검역본부

 

韓国といえば、犬のクローン技術の研究開発を進めていることで有名で、クローン検疫犬の研究開発も行われています。

最も優秀だった検疫探知犬 ダニー(데니, Danny)とカイザー(카이져, Kaiser)の耳の細胞を使用してクローン犬の研究開発が進められた。クローン検疫探知犬 キューピー(큐피, Quppy)が、2012年に仁川国際空港に導入されています(名前は、検疫犬(Quarantine Puppy)から)
(体細胞を提供した検疫犬の、ダニー(데니, Danny)は2001年3月にオーストラリアで誕生、2002年4月に国内導入、2010年11月に引退。カイザー(카이져, Kaiser)は、2003年8月に韓国の検疫探知犬センターで誕生、2004年12月に現場配置、2012年9月に引退。)
(2014年までにクローン検疫探知犬14頭が運用されたようだ

2010年と2014年に「国家研究開発・優秀100選(국가연구개발우수성과 100선)」に選定されています。

복제 검역탐지견 '큐피', 훈련 시작

데일리벳 - 소통하는 수의사신문 데일리벳

우수 검역탐지견 복제생산 연구 | R&D최종보고서 - 농림식품기술기획평가원

“ASF를 막아라”…중국산 축산물 유입차단에 검역 사투 중 - 농민신문

[남강호의 C컷]불법, 24시간 감시 중 - 인천공항 세관에 쌓인 압수,유치품들 - 조선닷컴 - 사회

우수 검역탐지견 복제생산 연구 | R&D최종보고서 > 자료마당 - 농림식품기술기획평가원

 

 

中国では2001年(平成13年)12月、北京国際空港で検疫犬の活動が始まりました。

2013年6月までに(*)、ラブラドール、ビーグル、そしてスパニエルの主要3犬種の検疫犬212頭が、57の税関で活動をしています。

もちろん、中国国内での育成と訓練が行われています。

(*)5年前の古い情報なのが残念。年末忙しく、最新の情報を調べきれなかった。😔
韓国海軍による火器管制レーダー照射問題とかあったし。
中国も韓国と同じかそれ以上に、動物のクローンの研究開発が行われていると聞きますが、これも時間不足で調べきれなかった。😔

检疫犬应用-国家质量监督检验检疫总局动植物检疫监管司

 

20180929072350

Agriculture Canine | U.S. Customs and Border Protection

Canine Program | U.S. Customs and Border Protection

U.S. Customs and Border Protection | Securing America's Borders

Department of Agriculture and Water Resources Detector Dogs - Department of Agriculture and Water Resources (Australia)

Australian Customs Detector Dog Program - Wikipedia