中東、オマーン湾で爆発事件があったタンカー2隻のうち、日本の国華産業株式会社が運行するパナマ船籍のケミカル・タンカー「コクカ・ カレイジャス(Kokuka Courageous)」。
米国から6月13日に、被害個所と、不発の吸着機雷(リムペット・マイン(limpet mine))と説明のある物体が写っている、タンカー右舷の画像が公開された。
6月17日に、新たに、吸着機雷を外した跡と磁力吸着装置の残存物などの、高画質の画像が公開された。
「イラン関与」の新画像公開=米軍、日本タンカー攻撃で:時事ドットコム
17日発表の吸着機雷だと米国が主張する"跡"と、13日発表の右舷中央の"物体"の、大きさを比較してみた。
結論:0.5〜0.6m(50〜60cm)、同じ大きさだった。
17日発表の11枚の画像は、米国Stars and Stripes紙の記事画像を使用した。
Acting Defense Secretary Pat Shanahan announced the new deployment, saying attacks by the Iranians or their proxy forces required sending more forces to protect US troops deployed throughout the region. https://t.co/Bp9vyesAJr
— Stars and Stripes (@starsandstripes) June 17, 2019
管理人注:
米軍が主張するようにイランで革命防衛隊によるものなのか、未だ、充分な証拠ではないと感じます。
記事タイトルや本文では、その都度「吸着機雷(リムペット・マイン)かもしれない物体」「米国が吸着機雷(リムペット・マイン)と主張する物体」と書いてしまうと読みづらい。そこで、「吸着機雷」「吸着機雷(リムペット・マイン)?」と少し断定的に書いています。
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吸着機雷(リムペット・マイン)?の、磁力吸着装置の残存物(①)?と、跡が円形に残っている。分かりやすい跡2個所に②と③と番号を付けた。
(タンカー「Kokuka Courageous」は、UAEのフジャイラ沖に停泊している(6/17〜)。接写の画像はそこで撮影したのだろう)
タンカーの舷側の喫水線の標しから、大きさが分かる。
「吸着機雷(リムペット・マイン)?」の吸着跡は、約0.6mだ。
(画像のタイムスタンプは6月13日の14時07分11秒。米軍ヘリから撮影されたのだろう。)
また、喫水標11Mの文字下から、水面の上の黒い部分(波がかぶった跡だろう)まで約0.4mあることも分かる。
別の画像では、喫水標から舷側の上の方にあるタグボートマークまでの高さを推計できる。
喫水標の11Mから12Mまで1.0mで、それが3本分と約半分ある。
これらより、水面の上の黒い個所からタグボートマーク(丸いマーク)まで、約4.0mとなった。
イラン革命防衛隊の哨戒艇に乗っている、人の身長とも矛盾はない。
米国の中央軍が、6月13日に公開した画像に当てはめてみた。
6月13日に公開されたタンカー「Kokuka Courageous」の画像の、右舷中央にある物体は、縦が1mの約半分(0.5mくらい)だった。
画像のモノサシに使った線は、雑に描いているので、見た目の誤差は大きめ。それでも、あの右舷中央の物体は、吸着機雷(リムペット・マイン)?の吸着跡とほぼ同じ大きさとみなせるだろう。
(13日午前11時05分(現地時間)、船員21人を救助したタグボート「Coastal Ace」に、米海軍の駆逐艦「USS Bainbridge」が接近し、船員を移乗させた。
タンカー「Kokuka Courageous」の右舷の写真は、この時間帯の前後に撮影されたものと考えられる。)
一連の発表と、米軍が公開した画像・動画とタイムテーブルから分かることは、
・6月13日、11時前後(現地時間)に、大きさ60cmの"物体"は、タンカー「Kokuka Courageous」の右舷に存在し、撮影された(と考えられる)。
・6月13日、13時18分頃に、イラン革命防衛隊のGashti クラス哨戒艇が、タンカー「Kokuka Courageous」の右舷に近づいて、何か作業をしていた。13時18分12秒に、その"物体"は無い。
・6月13日、14時07分11秒に撮影された、タンカー「Kokuka Courageous」の右舷に、その"物体"は無い。
・米軍は、6月13日の16時10分(現地時間)に、イラン革命防衛隊のGashti クラス哨戒艇1隻がタンカー「Kokuka Courageous」に接近して、不発の吸着機雷(リムペット・マイン)を取り外しているところが観測され記録された、と発表した。白黒の動画(1分40秒)を公開した。
At 4:10 p.m. local time an IRGC Gashti Class patrol boat approached the M/T Kokuka Courageous and was observed and recorded removing the unexploded limpet mine from the M/T Kokuka Courageous.
U.S. Releases Video of Alleged Gulf of Oman Tanker Attacks - USNI News
・イランは、革命防衛隊のGashti クラス哨戒艇が、タンカー「Kokuka Courageous」に接近したことを認めたが、それは船員救助のためだったと発表した。
米軍が発表した、タイムテーブルと画像データとに、矛盾が生じている。🤔
2つかそれ以上の時計で、2時間のズレがあったのなら矛盾はなくなりそうだ。
(実は、時計合わせをしていなかったのだったりして(苦笑))
U.S. CENTCOM Statement on June 13 Limpet Mine Attack in the Gulf of Oman
U.S. Releases Video of Alleged Gulf of Oman Tanker Attacks - USNI News