pelicanmemo

海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

タンカー攻撃|「コクカ・ カレイジャス」右舷の吸着機雷(リムペット・マイン)、大きさは約60cm

20190618125223

中東、オマーン湾で爆発事件があったタンカー2隻のうち、日本の国華産業株式会社が運行するパナマ船籍のケミカル・タンカー「コクカ・ カレイジャス(Kokuka Courageous)」。

米国から6月13日に、被害個所と、不発の吸着機雷(リムペット・マイン(limpet mine))と説明のある物体が写っている、タンカー右舷の画像が公開された。

6月17日に、新たに、吸着機雷を外した跡と磁力吸着装置の残存物などの、高画質の画像が公開された。

「イラン関与」の新画像公開=米軍、日本タンカー攻撃で:時事ドットコム

 

17日発表の吸着機雷だと米国が主張する"跡"と、13日発表の右舷中央の"物体"の、大きさを比較してみた。 

結論:0.5〜0.6m(50〜60cm)、同じ大きさだった。

 

17日発表の11枚の画像は、米国Stars and Stripes紙の記事画像を使用した。

Pentagon sending 1,000 new troops to Middle East, releases photos it says prove Iran behind tanker attacks - Middle East - Stripes

 

管理人注:

米軍が主張するようにイランで革命防衛隊によるものなのか、未だ、充分な証拠ではないと感じます。
記事タイトルや本文では、その都度「吸着機雷(リムペット・マイン)かもしれない物体」「米国が吸着機雷(リムペット・マイン)と主張する物体」と書いてしまうと読みづらい。そこで、「吸着機雷」「吸着機雷(リムペット・マイン)?」と少し断定的に書いています。

Ads by Google

 


吸着機雷(リムペット・マイン)?の、磁力吸着装置の残存物(①)?と、跡が円形に残っている。分かりやすい跡2個所に②と③と番号を付けた。
(タンカー「Kokuka Courageous」は、UAEのフジャイラ沖に停泊している(6/17〜)。接写の画像はそこで撮影したのだろう)

20190618125225

 

タンカーの舷側の喫水線の標しから、大きさが分かる。

「吸着機雷(リムペット・マイン)?」の吸着跡は、0.6mだ。

20190618125226
(画像のタイムスタンプは6月13日の14時07分11秒。米軍ヘリから撮影されたのだろう。)

 

また、喫水標11Mの文字下から、水面の上の黒い部分(波がかぶった跡だろう)まで約0.4mあることも分かる。

別の画像では、喫水標から舷側の上の方にあるタグボートマークまでの高さを推計できる。
喫水標の11Mから12Mまで1.0mで、それが3本分と約半分ある。

これらより、水面の上の黒い個所からタグボートマーク(丸いマーク)まで、約4.0mとなった。

イラン革命防衛隊の哨戒艇に乗っている、人の身長とも矛盾はない。

20190618130628

 

米国の中央軍が、6月13日に公開した画像に当てはめてみた。

6月13日に公開されたタンカー「Kokuka Courageous」の画像の、右舷中央にある物体は、縦が1mの約半分(0.5mくらい)だった。

20190618130627

画像のモノサシに使った線は、雑に描いているので、見た目の誤差は大きめ。それでも、あの右舷中央の物体は、吸着機雷(リムペット・マイン)?の吸着跡とほぼ同じ大きさとみなせるだろう。 

 

20190618125223
(13日午前11時05分(現地時間)、船員21人を救助したタグボート「Coastal Ace」に、米海軍の駆逐艦「USS Bainbridge」が接近し、船員を移乗させた。
タンカー「Kokuka Courageous」の右舷の写真は、この時間帯の前後に撮影されたものと考えられる。)

 

一連の発表と、米軍が公開した画像・動画とタイムテーブルから分かることは、

・6月13日、11時前後(現地時間)に、大きさ60cmの"物体"は、タンカー「Kokuka Courageous」の右舷に存在し、撮影された(と考えられる)。

・6月13日、13時18分頃に、イラン革命防衛隊のGashti クラス哨戒艇が、タンカー「Kokuka Courageous」の右舷に近づいて、何か作業をしていた。13時18分12秒に、その"物体"は無い

・6月13日、14時07分11秒に撮影された、タンカー「Kokuka Courageous」の右舷に、その"物体"は無い

・米軍は、6月13日の16時10分(現地時間)に、イラン革命防衛隊のGashti クラス哨戒艇1隻がタンカー「Kokuka Courageous」に接近して、不発の吸着機雷(リムペット・マイン)を取り外しているところが観測され記録された、と発表した。白黒の動画(1分40秒)を公開した。

At 4:10 p.m. local time an IRGC Gashti Class patrol boat approached the M/T Kokuka Courageous and was observed and recorded removing the unexploded limpet mine from the M/T Kokuka Courageous.
U.S. Releases Video of Alleged Gulf of Oman Tanker Attacks - USNI News

・イランは、革命防衛隊のGashti クラス哨戒艇が、タンカー「Kokuka Courageous」に接近したことを認めたが、それは船員救助のためだったと発表した。 

 

米軍が発表した、タイムテーブルと画像データとに、矛盾が生じている。🤔

2つかそれ以上の時計で、2時間のズレがあったのなら矛盾はなくなりそうだ。
(実は、時計合わせをしていなかったのだったりして(苦笑)) 

 

U.S. CENTCOM Statement on June 13 Limpet Mine Attack in the Gulf of Oman

U.S. Releases Video of Alleged Gulf of Oman Tanker Attacks - USNI News

 

国華産業KOKUKA COURAGEOUSの被災について | 三菱ガス化学株式会社