(新華社より)
8月2日午後、台風3号(シンラコウ(Sinlaku)、森拉克)の観測任務のため、はじめて、中国気象局の高空大型気象観測無人機(UAV)「翼竜-10」が海南省の博鳌(ボアオ)空港から離陸した。
「翼竜-10」は台風の周囲を4時間にわたった飛行し、高度10000mで、北斗GPSを搭載したドロップゾンデ(*1)30基以上を投下・配置。ミリ波レーダー観測と合わせて、台風外側の雲の”3次元CTスキャン”を行った。
(*1)ドロップゾンデ:航空機から投下する、ドロップダウン型ラジオゾンデ。
ドロップゾンデが測定する台風の外縁雲の温度、湿度、気圧、風向、風速などの観測データは、リアルタイムで地上の観測拠点へ送られる。開発を行った中国航天科工集団(CASIC)によると、2時間以上経過しても機器の状態は良好でデータ転送も安定していたそうだ。
中国初の高空大型無人機による台風観測試験が成功--人民網日本語版
大型気象観測無人機(UAV)「翼竜-10(翼龙-10)」は全長9m、全高3.7m、翼端長18m。翼下のポッドにドロップゾンデを搭載する。外見と大きさから、ドバイ航空ショー(2017)で展示された無人機「雲影(云影)」だろう。その後に改名したか、その民間用モデルの名称と思われる。
(CCTV/YouTubeより)
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--(追記:8/10)--------------------
大型気象観測無人機(UAV)「翼竜-10(翼龙-10)」は、中国航空工業集団有限公司による自主研究開発によると報道があった。
離陸重量は3200kg以上、巡航高度12500m以上、巡航速度500km/h以上、航続距離4000km以上、航続時間8時間、可載重量400kg。双発ターボファンエンジン。
“翼龙-10作为航空工业自主研发的一款高空、高速、长航时无人机,具有自主化程度高、自主飞行能力强的特点。”航空工业集团翼龙-10副总设计师张志坚介绍,无人机最大起飞重量超过3200kg,巡航高度超过12500米,巡航速度超过500km/h,航程超过4000km,航时高于8h,可挂载400kg任务载荷……可执行气象探测、图像侦察、电子侦察、干扰等多种任务,是国内第一款配装双涡扇发动机、实现双发双控的高空高速无人机,能够满足国内外、军民用多种场景使用。
--(追記ここまで)------------------
今回の大型無人機による台風の総合観測試験は、中国気象局が2018年から開始した高空大型無人機海洋総合気象観測試験(通称 ”海燕計画(海燕计划)”(ウミツバメ計画))によるもの。使用する無人機(UAV)は「翼竜-10(翼龙-10)」として、成都飛機工業(成都飞机工业集团有限责任公司)など12の企業が参加して試験が行われてきた。
(CCTV/YouTubeより)
中国航天科工集団(CASIC)隷下の航天新気象公司(中国航天科工集团二院23所航天新气象公司)によると、航空機から投下する方式のドロップゾンデは、地上から上空へ飛ばすラジオゾンデと比較すると、指向性と標的性が高く。ロケットで打ち上げるタイプと比較すると応用できる範囲と空域が広く、機動性が高い。
天気の急変や災害の監視、生態調査、ヒトの活動の気象への影響など、多くの領域で積極的に活用することが出来る。
(CCTV/YouTubeより)
(CCTV/YouTubeより)
ニュース動画1分
翼龙-10大显身手!中国首次用大型无人机观测台风| CCTV中文国际 (YouTube)
中国初の高空大型無人機による台風観測試験が成功--人民網日本語版