新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の、毎日の陽性確認の発表で「軽症・無症状」の割合がとても多くなっている。この”軽症”感染者への対応に苦慮している。
「重症」例が少ないことが注目される一方で、「軽症・無症状」の方はあまり注目されていない。これは当然といえば当然なんだけど・・・、発表の「軽症・無症状」という表現をさらに縮めて「無症状が大部分」と言ってしまう議員などもいるようだ。
経済活動を重視したいのは理解できる。その一方で、過剰に矮小化して伝えていると感じられた。
”ずっと無症状のまま”治るのは、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客乗員の感染者の例では約半分だった。他国の発表などから3〜4割と推測されている。
大阪府では、毎日の新しい新型コロナウイルス感染者数等の発表の中で、「無症状」「軽症」「重症」「調査中」などの症状も発表している。
何の役にたつか分からないけど、こういう統計データがあってもいいかなと思ったのでグラフにしてみた。
大阪府の報道発表資料から、7月1日から8月7日までの発表分を集計した。
発表時点の感染者のうち、”軽症”が約9割、”無症状”が約1割で、「軽症が大部分」。
”重症”は0%〜2%と少ない。濃厚接触者や”軽症”症状の人の検査が増え、悪化する前に把握が出来るようになったからだろう。
”大阪府だから”こういう結果になるのかどうかは不明。(47都道府県を調べた方がいいんだろうけど、その時間と意欲は無い。(*1))
なぜこうなのか、忽那賢志氏のブログ記事の”氷山の一画”を表した図「第1波と第2波における症例全体のうち診断できている比率」と解説が分かりやすい。
新型コロナが弱毒化しているという根拠はない(忽那賢志) - 個人 - Yahoo!ニュース(7/26)
(*1) 大阪府はpdfファイルの発表なので単語検索で手間が省ける。東京都や愛知県や沖縄県は個々人の症状の発表は見あたらず、福岡県は発表しているけれどhtmlでめんどくさかった。
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”無症状”の感染者のうち、完治するまで”ずっと無症状”のままの感染者は3〜4割と考えられている。
意外と話題にならないことだけど、この”ずっと無症状”の感染者から他の人へ、日常生活レベルの接触でウイルスが伝播するのか?しないのか?、どちらのエビデンスも無い。
・・・とはいえ、いま無症状であっても1日〜数日後に発症するかどうかは誰にも分からない。
めんどくさいウイルスだ…
現在の感染症法や検疫法の組み立てでは、単純な指定変更だけでは、適切な対処はむずかしそう。
新型コロナ 典型的な症状、経過、重症化のリスク、後遺症について(忽那賢志) - 個人 - Yahoo!ニュース(8/2)
PCR検査 “今のペースで増え続ければパンク” 地方衛生研究所 | NHKニュース (2020年8月7日)