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海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

尖閣諸島をめぐる問題に関する質問主意書、および答弁(第204回国会)【全文テキスト】

第204回国会で行われた「尖閣諸島をめぐる問題に関する質問」について。

衆議院 |第204回国会 質問の一覧

 

衆議院から公開されているのは縦書きpdfファイルだけで、コピー&ペーストしにくく分かりにくい。自分用に質問と答弁をテキスト化してたので載せておく。
(衆議院ウェブサイトではhtml化したテキストは未だ公開されていない(記事公開時点))

ここでは分かりやすいように、質問の項目とそれぞれに対する答弁の個所を繋げて記載した。

質問の提出者は屋良朝博(沖縄3区・衆議院議員(1期)・立憲民主党)。

 

 

日中漁業協定(漁業に関する日本国と中華人民共和国との間の協定)の第六条(b)で規定される水域で、中国側による日本漁船に対し、臨検や拿捕などの取締りを行った事案はない(”承知していない”という表現)。

日本側による中国漁船の臨検や拿捕など取締りについても質問してほしかった。

 

尖閣諸島の周辺海域での漁獲量については「特定の海域における年間総漁獲量は把握していない」との答弁だった。

 

マニアックなところでは(笑)、
”二の2”の尖閣諸島の我が国の領海に侵入した中国海警局の船の「領海に侵入した日時」「領海侵入時間」「領海に侵入した公船の隻数」の一覧と、
”二の2”の日中漁業協定(漁業に関する日本国と中華人民共和国との間の協定)による、日本側と中国側のそれぞれの漁獲割当量と漁獲量データが興味深い

 

NHKが、質問と答弁の最後の部分だけを報道した。 

沖縄県の尖閣諸島周辺の領海に繰り返し侵入している中国海警局などの船舶について、政府は「国際法上認められた無害通航にあたらず、全く受け入れられない」とする答弁書を決定しました。

中国公船の尖閣周辺領海侵入“無害通航にあたらず国際法違反” | 尖閣 | NHKニュース

 衆議院|第204回国会 答弁第一八一号|尖閣諸島をめぐる問題に関する質問に対する答弁書

三について
 政府としては、御指摘のような「日数」、「隻数」等を含む船舶の動向を注視しているが、その評価についてお答えすることは差し控えたい。
 中国海警局等に所属する船舶が、尖閣諸島に関する中国独自の主張を繰り返しながら、我が国の領海を航行することは、国際法上認められた無害通航に当たらず、全く受け入れられない。したがって、政府としては、このような航行を防止するために、中国海警局等に所属する船舶が我が国の接続水域を航行していることが確認された時点において、中国政府に対して申入れを行っている。

 

個人的には、その中国海警局等に所属する船舶の動向の「評価について」もう少し知りたかったり(笑)

 

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon_pdf_s.nsf/html/shitsumon/pdfS/a204181.pdf/$File/a204181.pdf質問(PDF 327KB)

 

質問第一八一号 |尖閣諸島をめぐる問題に関する質問主意書(HTML版)(まだテキスト化されていない(記事公開時点))

 

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon_pdf_t.nsf/html/shitsumon/pdfT/b204181.pdf/$File/b204181.pdf答弁(PDF 336KB)

答弁第一八一号(HTML版)(まだテキスト化されていない(記事公開時点))

衆議院 |第204回国会 質問の一覧

屋良朝博 - Wikipedia

 

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(ここからの全テキストは引用したもの。ただし読みやすくするために、それぞれの項目の答弁の部分だけを引用html表記とした)

 

尖閣諸島をめぐる問題に関する質問主意書
提出者 屋良朝博
令和三年六月九日提出
質問第一八一号

令和三年六月十八日受領
答弁第一八一号
内閣総理大臣 菅 義偉
令和三年六月十八日
内閣衆質二〇四第一八一号
衆議院議長 大島理森殿
衆議院議員屋良朝博君提出
尖閣諸島をめぐる問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


尖閣諸島をめぐる問題に関する質問主意書

 尖閣諸島をめぐる問題は目下、日中友好関係の阻害要因となっており、その問題を改善することは我が国 の安全保障を考えるうえで極めて重要であると指摘されている。同諸島周辺海域の情勢とその管理について 質問する。

 

一  尖閣諸島の領土編入(一八九五年一月十四日)について、日本政府は、「国際法上、正当に領有権を取得するためのやり方に合致しています」(外務省発行『尖閣諸島』六頁)と説明している。
 国際法上、無主地に対する領域権原の原始取得は「先占」によることとされ、「先占」による権原が成 立するためには、実効的な支配に加え、国家による領有の意思の明示が必要であると承知している。この点に関し、日本政府は、一八九五年一月十四日、尖閣諸島に標杭を建設する 旨の閣議決定を行っているが、当該閣議決定によって、日本の領有意思が明らかになったとの理解でよろしいか。

衆議院議員 屋良朝博君提出 尖閣諸島をめぐる問題に関する質問に対する答弁書

一について
 お尋ねの「日本の領有意思が明らかになった」の意味するところが必ずしも明らかではないが、尖閣諸島は、明治二十八年に、現地に標杭を建設する旨の閣議決定を行い、正式に我が国の領土に編入したものであるところ、同諸島が我が国固有の領土であることは、歴史的にも国際法上も疑いのないところであり、現に我が国はこれを有効に支配している。

 


二 日中両国は、「漁業に関する日本国と中華人民共和国との間の協定」(以下「協定」という。)に基づき、相互入会の措置をとるとともに、かかる措置をとらない水域においては、日中漁業共同委員会の協議を通じ、保存措置などを講じることとしている。

1 協定第六条(b)で規定する水域については、日本国外務大臣と駐日中国大使との書簡により、日中双方が、それぞれ相手国の国民に対して自国の漁業関連法を適用しないこととしているが、これまでに、中国公船(中国海警局に所属する船舶を含む。以下同じ。)が当該書簡に反して、当該水域において日本漁船に対し、臨検や拿捕などの取締りを行った事案は存在するか。

二の1について
 お尋ねの「臨検や拿捕などの取締り」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、漁業に関する日本国と中華人民共和国との間の協定(平成十二年条約第二号。以下「協定」という。)が発効した平成十二年六月以降、「協定第六条(b)で規定する水域」において、中国公船が我が国の漁船に対して臨検又はだ捕を行った事案については承知していない。

 

2 二〇一八年から二〇二〇年までの三箇年における中国公船が尖閣諸島周辺の領海に侵入した事案について、それぞれの「領海に侵入した日時」「領海侵入時間」「領海に侵入した公船の隻数」を明らかにされたい。

二の2について
 お尋ねの「中国公船が尖閣諸島周辺の領海に侵入した事案」について、平成三十年一月一日から令和二年十二月三十一日までの間の ①「領海に侵入した日時」、②「領海侵入時間」、③「領海に侵入した公船の隻数」をお示しすると、次のとおりである。

 ①平成三十年一月七日午前九時四十八分 ②一時間四十分 ③四隻
 ①平成三十年一月十五日午前十時十三分 ②一時間四十六分 ③三隻
 ①平成三十年二月十三日午前十時十三分 ②一時間四十六分 ③三隻
 ①平成三十年二月二十一日午前十時零分 ②二時間 ③三隻
 ①平成三十年三月二日午前十時六分 ②一時間五十三分 ③四隻
 ①平成三十年三月二十三日午前十時二十二分 ②一時間三十八分 ③三隻
 ①平成三十年四月三日午前十時四十二分 ②一時間四十九分 ③三隻
 ①平成三十年四月二十三日午前十時一分 ②一時間四十七分 ③四隻
 ①平成三十年五月十八日午前十時二十九分 ②一時間三十一分 ③四隻
 ①平成三十年五月二十四日午前十時一分 ②二時間 ③四隻
 ①平成三十年六月五日午前十時十五分 ②一時間四十四分 ③四隻

 ①平成三十年六月二十五日午前十時十六分 ②一時間四十五分 ③四隻
 ①平成三十年七月四日午前十時十九分 ②一時間四十分 ③三隻
 ①平成三十年七月二十九日午前十時十二分 ②一時間四十九分 ③四隻
 ①平成三十年八月七日午前十時五分 ②一時間五十五分 ③四隻
 ①平成三十年八月二十四日午前十時十七分 ②一時間四十二分 ③四隻
 ①平成三十年九月七日午前十時十一分 ②一時間五十分 ③四隻
 ①平成三十年十月十七日午前十時十二分 ②一時間四十八分 ③四隻
 ①平成三十年十一月十一日午前十時六分 ②一時間五十四分 ③四隻
 ①平成三十一年一月五日午前十時十八分 ②一時間四十二分 ③四隻
 ①平成三十一年一月十二日午後二時二分 ②一時間五十六分 ③四隻
 ①平成三十一年一月十八日午後二時十五分 ②一時間五十分 ③四隻
 ①平成三十一年二月十一日午前十時六分 ②一時間五十八分 ③四隻
 ①平成三十一年二月二十日午前十時零分 ②二時間一分 ③四隻

 ①平成三十一年二月二十六日午前十時零分 ②二時間 ③四隻
 ①平成三十一年三月二日午前十時十六分 ②一時間四十二分 ③四隻
 ①平成三十一年三月十九日午前十時六分 ②一時間五十四分 ③四隻
 ①平成三十一年三月三十日午前十時六分 ②一時間五十四分 ③四隻
 ①平成三十一年四月五日午後二時六分 ②一時間五十四分 ③四隻
 ①平成三十一年四月八日午前十時六分 ②一時間五十五分 ③四隻
 ①平成三十一年四月十七日午前十時零分 ②一時間四十分 ③四隻
 ①令和元年五月九日午前十時零分 ②一時間四十一分 ③四隻
 ①令和元年五月二十日午前十時一分 ②一時間五十四分 ③四隻
 ①令和元年五月二十四日午前八時五十九分 ②十三分 ③二隻
 ①令和元年五月三十日午後三時十六分 ②一時間四十四分 ③四隻
 ①令和元年六月十日午後四時零分 ②二時間 ③四隻
 ①令和元年六月十七日午前十時十六分 ②一時間四十四分 ③四隻

 ①令和元年七月十日午前十時零分 ②一時間五十四分 ③四隻
 ①令和元年七月十五日午後四時一分 ②二時間 ③四隻
 ①令和元年七月二十七日午前十時十七分 ②一時間四十三分 ③四隻
 ①令和元年八月六日午前十時十三分 ②一時間四十七分 ③四隻
 ①令和元年八月十六日午前十時零分 ②二時間一分 ③四隻
 ①令和元年八月二十九日午前十時零分 ②一時間五十三分 ③四隻
 ①令和元年九月十六日午前十時十二分 ②一時間四十八分 ③四隻
 ①令和元年十月七日午前九時五十九分 ②一時間四十一分 ③四隻
 ①令和元年十月十六日午後三時四十六分 ②一時間四十四分 ③四隻
 ①令和元年十月二十六日午前十時二分 ②一時間五十分 ③四隻
 ①令和元年十一月八日午前十時十三分 ②一時間四十八分 ③四隻
 ①令和元年十二月十一日午前十時十七分 ②一時間四十三分 ③四隻
 ①令和元年十二月十七日午前十時零分 ②一時間五十一分 ③四隻

 ①令和元年十二月三十日午前十時四十六分 ②一時間四十三分 ③四隻
 ①令和二年一月四日午前十時零分 ②一時間五十九分 ③四隻
 ①令和二年一月十四日午後四時十二分 ②一時間四十八分 ③四隻
 ①令和二年二月五日午前十時零分 ②二時間五分 ③四隻
 ①令和二年二月十三日午前十時一分 ②一時間五十一分 ③四隻
 ①令和二年三月二十日午後四時零分 ②二時間二分 ③四隻
 ①令和二年四月八日午前十時零分 ②二時間一分 ③四隻
 ①令和二年四月十七日午前十時十二分 ②一時間四十九分 ③四隻
 ①令和二年五月八日午後四時零分 ②二時間 ③四隻
 ①令和二年五月九日午後六時三分 ②二十六時間二十分 ③二隻
 ①令和二年六月八日午前十時十三分 ②一時間四十六分 ③四隻
 ①令和二年六月二十二日午後三時三十一分 ②三時間五十九分 ③四隻
 ①令和二年七月二日午後四時九分 ②三十時間十七分 ③二隻

 ①令和二年七月四日午前二時二十三分 ②三十九時間二十三分 ③二隻
 ①令和二年七月十四日午前十時一分 ②二時間 ③四隻
 ①令和二年八月九日午前八時十七分 ②一時間四十二分 ③四隻
 ①令和二年八月十七日午前九時三十分 ②一時間四十分 ③四隻
 ①令和二年八月二十八日午前六時四十五分 ②十四時間八分 ③二隻
 ①令和二年十月十一日午前十時四十七分 ②五十七時間三十九分 ③二隻
 ①令和二年十月十五日午前十時四十二分 ②一時間四十三分 ③二隻
 ①令和二年十一月六日午後四時十三分 ②一時間四十七分 ③四隻
 ①令和二年十一月七日午後零時三十二分 ②七時間六分 ③二隻
 ①令和二年十二月九日午前九時四十三分 ②一時間四十六分 ③四隻
 ①令和二年十二月二十三日午前二時五十四分 ②十六時間十五分 ③二隻
 ①令和二年十二月二十六日午後四時八分 ②四時間十六分 ③二隻

 

3 協定上、日中漁業共同委員会は毎年開催され、協議の上、保存措置などを決定等することとされているが、これまでに開催された同委員会において決定等が行われた保存措置などについて、その概要を会合の回次ごとに示されたい。

二の3について
 お尋ねの「保存措置など」の意味するところが必ずしも明らかではないが、これまでの日中漁業共同委員会の決定等における日本側及び中国側の  ①協定第三条に規定する他方の締約国の国民及び漁船の漁獲割当量並びに ②協定第七条1に規定する暫定措置水域における漁獲量の上限についての努力目標値の概要をお示しすると、次のとおりである。

(一)日本側
第二回(平成十三年四月三日) ①七万三千トン
第三回(平成十三年十二月十八日) ①六万二千五百四十六トン ②平成八年の漁獲実績(十万九千二百五十トン)
第四回(平成十五年二月十九日) ①五万四千五百三十三トン ②平成十四年の努力目標値と同数
第五回(平成十五年十二月十九日) ①四万七千二百六十六トン ②平成十五年の努力目標値と同数
第六回(平成十六年十二月十六日) ①一万二千七百十一トン ②平成十六年の努力目標値と同数
第七回(平成十八年一月十三日) ①一万二千三百九十七トン ②平成十七年の努力目標値と同数
第八回(平成十九年一月十九日) ①一万二千三百九十七トン ②平成十八年の努力目標値と同数

第九回(平成二十年一月十七日) ①一万二千百四十一トン ②平成十九年の努力目標値と同数
第十回(平成二十一年二月十二日) ①一万千七百四十一トン ②平成二十年の努力目標値と同数
第十一回(平成二十一年十二月十八日) ①一万七百四十一トン ②平成二十一年の努力目標値と同数
第十二回(平成二十三年十一月七日) ①一万二百七十二トン ②平成二十二年の努力目標値と同数
第十三回(平成二十四年四月二十日) ①一万二千二百六十三トン ②平成二十三年の努力目標値と同数
第十四回(平成二十五年八月九日) ①九千八百十四トン ②平成二十四年の努力目標値と同数
第十五回(平成二十六年十二月十八日) ①九千四百四十一トン ②平成二十五年の努力目標値と同数
第十六回(平成二十七年七月十六日) ①九千三百四十一トン ②平成二十六年の努力目標値と同数
第十七回(平成二十八年十一月二十四日) ①八千七百二十トン ②平成二十七年の努力目標値と同数

 

(二)中国側
第二回(平成十三年四月三日) ①七万三百トン
第三回(平成十三年十二月十八日) ①六万二千五百四十六トン ②平成八年の漁獲実績(二百十三万六千トン)

第四回(平成十五年二月十九日) ①五万四千五百三十三トン ②平成十四年の努力目標値と同数
第五回(平成十五年十二月十九日) ①四万七千二百六十六トン ②平成十五年の努力目標値と同数
第六回(平成十六年十二月十六日) ①一万二千七百十一トン ②平成十六年の努力目標値と同数
第七回(平成十八年一月十三日) ①一万二千三百九十七トン ②平成十七年の努力目標値と同数
第八回(平成十九年一月十九日) ①一万二千三百九十七トン ②平成十八年の努力目標値と同数
第九回(平成二十年一月十七日) ①一万二千百四十一トン ②平成十八年の漁獲量と同数
第十回(平成二十一年二月十二日) ①一万千七百四十一トン ②平成十九年の漁獲量と同数
第十一回(平成二十一年十二月十八日) ①一万七百四十一トン ②平成二十年の漁獲量と同数
第十二回(平成二十三年十一月七日) ①一万二百七十二トン ②平成二十一年の漁獲量と同数
第十三回(平成二十四年四月二十日) ①一万三千九百八十八トン ②百七十万三千百六十一トン
第十四回(平成二十五年八月九日) ①九千八百十四トン ②百六十九万四千六百四十五トン
第十五回(平成二十六年十二月十八日) ①九千四百四十一トン ②百六十八万五千二百七十七トン
第十六回(平成二十七年七月十六日) ①九千三百四十一トン ②百六十六万二千三百七十二トン
第十七回(平成二十八年十一月二十四日) ①八千七百二十トン ②百六十四万四千トン

 

 

4 二〇一八年から二〇二〇年までの三箇年における尖閣諸島周辺海域(上記海域の範囲は任意とする。ただし、答弁書においては、答弁の前提として画した水域の範囲を明示されたい。)での年間総漁獲量について政府の把握するところを明らかにされたい。

二の4について
 政府としては、特定の海域における年間総漁獲量は把握していないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。

 

5 二〇一八年から二〇二〇年までの三箇年における日本漁船が尖閣諸島周辺の領海に入域(操業を含む。以下同じ。)した事例について、それぞれの「領海に入域した日時」「領海内に滞在(操業を含む。)していた時間」「領海に入域した漁船の隻数」を明らかにされたい。

二の5について
 政府としては、平成三十年から令和二年までに我が国の漁船が尖閣諸島周辺の「領海に入域した日時」、「領海内に滞在(操業を含む。)していた時間」及び「領海に入域した漁船の隻数」については把握していない。

 


三  日中関係は、二〇一八年に首脳の相互訪問が実現したことを契機として改善基調に入った。しかし、中国公船による尖閣諸島への接近(接続水域入域・領海侵入)は、その後もやむことなく継続して行われており、事態は常態化の様相を呈している。

1 中国公船による尖閣諸島周辺の領海への侵入の状況については、日数、隻数ともに二〇一四年に減少に転じ、その後は、日数は年間三十日前後、隻数は年間約八十隻から約百二十隻までの間で推移している。二〇一四年に日数及び隻数が減少に転じたこととその後の状況について政府はどのように認識しているのか。所見を示されたい。

2 中国公船による尖閣諸島周辺の接続水域への入域の状況については、二〇一九年以降、日数、隻数ともに過去最多のペースで推移しているが、政府はこうした状況をどのように認識しているか。所見を示されたい。
また、中国公船による尖閣諸島周辺の接続水域への入域については、国際法上、どのような問題が懸念されるか。政府の見解を示されたい。

 右質問する。

三について
 政府としては、御指摘のような「日数」、「隻数」等を含む船舶の動向を注視しているが、その評価についてお答えすることは差し控えたい。
 中国海警局等に所属する船舶が、尖閣諸島に関する中国独自の主張を繰り返しながら、我が国の領海を航行することは、国際法上認められた無害通航に当たらず、全く受け入れられない。したがって、政府としては、このような航行を防止するために、中国海警局等に所属する船舶が我が国の接続水域を航行していることが確認された時点において、中国政府に対して申入れを行っている。