(广西新闻网より)
中国海軍の退役した051型(旅大I型)ミサイル駆逐艦「162 南寧(南宁)」艦が、広西チワン族自治区の防城港市へと寄贈され、10月2日に埠頭に到着した。
「162 南寧」艦は1970年建造、1979年に中国海軍南海艦隊に配備された船齢40年近い老艦。2012年12月に、同型艦「131 南京」艦といっしょに退役して中国海警局の前身である国家海洋局・中国海監総隊へ移管されていた。
よく日本メディアの記事やネットSNSのコメントで「中国海警局は、中国海軍の軍艦を再利用している・・・」と言われる船だ。
しかし、中国海監総隊へ移管した後も、2013年に中国海警局が正式発足した後も、中国海警局が中央軍事委員会の直接の指揮を受ける人民武装警察部隊(武警)の海警総隊にかわった後も、ず〜〜〜〜〜っと港に放置されたままだった。
中国海監の時も、中国海警局も、修理や改装する手間やカネをかけたくなかったのだろう。艦砲も対艦ミサイル発射装置も火器管制レーダーも、対潜ロケット弾発射装置も、搭載艇も載ったままの状態だ。
(广西新闻网より)
この2隻が中国海監総隊へ移管されても使われなかった理由について、中国ネット・掲示板では、海軍の老朽艦は修理やメンテナンス、近代化にカネがかかりすぎる上、それを行っても性能は十分でなく扱いにくい、なにより乗組員の居住環境が悪すぎる、等があると推測されている。
「162 南寧(南宁)」艦は、広東省広州市の中国海監南海総隊・第8支隊の埠頭に放置されていた。
今年(2021年)7月に自然資源部南海局(*)と防城港市人民政府との間で引き渡し式が行われ、曳航されていき、今月、防城港市の馬鞍嶺(马鞍岭)旅客埠頭に到着した。
(*)国家海洋局は、党・政府の組織再編により自然資源部に吸収合併された。
防城港市は「162 南寧(南宁)」艦の豊かな軍事文化遺産を十分に活用して、海洋の特色ある国防教育と愛国主義教育の施設(海洋特色的国防教育和爱国主义教育基地)として改装する予定だそうだ。
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もう1隻の「131 南京」艦も、上海市の中心を流れる黄浦江の河岸の造船所の埠頭に停泊していた。同じように、艦砲も対艦ミサイル発射装置もぜんぶ放置されたままだった。
その後、Google地図でも百度地図でもその造船所の埠頭からいなくなったので、どこに移動したかと思っていた(調べずに放置していた)。
【中国海警局】 海軍から移管された駆逐艦(旅大I型)、未だに改装されないまま放置 - pelicanmemo (2017-10-08)
今回、改めて調べてみたところ・・・、浙江省象山市の漁港、石浦港に置かれていることが分かった。漁港の埠頭に泊めるのでなく、漁船の間に浮かべているだけの状態だ。(邪魔そうだなあ…)
(Google map)
それでもざっと見た感じから、船橋や艦砲やレーダーなどが大きく汚れてはいない。洗浄など管理はされているのだろう。
もしかしたら、この「131 南京」艦もそのうちどこかの自治体(江蘇省のどこか?)へ寄贈されて、博物館船として使われるのかもしれない。
近看石浦港的051级驱逐舰131舰(南京号) – 钱五哥の自由空间 (2021年5月22日)
退役军舰“南宁号”正式“安家”防城港!曾多次立功-广西新闻网
退役军舰“南宁号”正式“安家”防城港!曾多次立功|南宁号|防城港市_新浪新闻
中国海警局 カテゴリーの記事一覧 - pelicanmemo
【中国海警局】 中国海軍の退役軍艦5隻を改装 駆逐艦(旅大Ⅰ型)2隻とフリゲート(江衛I型)3隻か - pelicanmemo (2016-01-06)
懐かしい記事。😊
中国海監が海洋監視船を増強|中国海軍の退役軍艦11隻(1/2): メモノメモ
中国海監が海洋監視船を増強|中国海軍の退役軍艦11隻(2/2): メモノメモ (2013年1月4日)
中国海軍の退役"戦艦"(笑)が海監の海洋監視船に|中国メディア日本語版の記事のワナ: メモノメモ (2012年12月5日)
中国海監、新しい(?)3000トン級の海洋監視船を配備 | 昔の名前で出ています: メモノメモ (2012年11月16日)