(ikon.mn/Delger New Channel Suren より)
モンゴル東部、中国との国境近くに位置する自然保護区で大規模な火災が発生し、推定52万ヘクタールが消失した。自然保護区の約8割の面積も含まれる。
通信大手のKDDIは、現地の連結子会社「モビコム」の活動に関連して火災が発生したと認め、「モンゴルの自然環境に多大な影響を与えたことを極めて重く受け止めている」と謝罪するプレスリリースを出した。
モビコムは、保護区内に入った目的は4G(第4世代移動通信システム)ネットワークの通信試験を実施するためだったと説明している。
日本語のニュースでは、中国メディアの新華社(日本語版)の記事が最初だったので、すこしおかしな受け止められ方もしていたようだ。
「狩猟や、アムールイトウの釣りを計画」して自然保護区に入ったという、まったく確認されていない情報もネットミームのように拡散している。
これについて、モンゴルの地元メディアやSNSの情報をもとにして、少し書いてみたい。
(まとめ記事は参照していません。このブログ記事で書いたモンゴル語の日本語訳は基本的にGoogle翻訳を使用しました)
実は、この「狩猟のため」という情報は、最初は1人のジャーナリストによる推測だった。
モンゴルのメディア、89%が積極的な所有権の透明性を欠いており、74%に政治的な結びつき(政治家との直接的・間接的な関係)といわれた(国境なき記者団)。政治的な思惑によって、モンゴルの地元メディアでも検証されていない初期SNSの噂が拡散されて、報道されていたのかもしれない。
「狩猟」「釣り」など密漁の証拠が確認されたという公的な発表や、独立系メディアも含めたモンゴルのメディアによる検証報道は、これまで見かけていない(記事執筆時点)。
モンゴル東部のドルノド県ハルハゴル郡にあるヌムルグ自然保護区(*1)で、10月8日に火災が発生し、乾期に入った時期でもあり延焼が続いて、10月16日に鎮火するまでに広大な面積が焼ける大惨事となった。
被害状況や生態系への影響について書くと長くなるので、NHKなどの日本語メディアの記事の方を読んでみてください。日本メディアの記事では、JapanTimesが10月20日付け英文記事で、比較的に早い時期にバランスよくまとまっていた記事を出していました。
KDDI subsidiary faces criticism and questions over Mongolian wildfire - The Japan Times (Oct 20, 2026)
モンゴル自然保護区で大規模火災 通信大手KDDIが謝罪 | NHKニュース (2026年10月23日)
モンゴルで大規模な草原火災 KDDI系モビコム幹部の乗った車が火元か - 日本経済新聞 (2026年10月23日)
またKDDIから、10月23日に詳しいニュースリリースが出ています。
モンゴルのヌムルグ自然保護区において2026年10月8日に発生した草原火災についてのお詫び | KDDI ニュースルーム
(追記10/25:日本大使館からメッセージ。
ヌムルグ自然保護区における火災発生に関するお見舞いメッセージ | 在モンゴル日本国大使館 (令和8年10月22日))
自然保護区に入った5台の車はフルサイズSUV(1台はNissan Patrol-Y62)だったようだ。停車している間に、乾燥した丈の高い草が、高温の排気管や触媒に接触して発火した可能性が高いだろう。
KDDIの10月23日のプレスリリースでは「2026年10月8日の移動中、枯草を除去するため停車していた際、モビコムの社員の乗車する車両下部からの発煙を確認しました。」と説明している。
(資料画像。ヌムルグ自然保護区ではない)
(*1) 正しくは、ヌムレギーン(Нөмрөгийн)厳正保護区 (Нөмрөгийн дархан цаазат газар)。ここでは、日本語ニュース記事に合わせて「ヌムルグ自然保護区」と書きます。
余談、モンゴル国(Монгол Улс)のドルノド県ハルハゴル郡(Дорнод аймаг Халхгол сум)は、ノモンハン事件が起きた地域。
被災地域図(赤色)

(追記10/25:参考にしたモンゴルや日本のニュース記事は、このブログ記事の大部分を執筆し終えた10月23日までのものです。その後、KDDIの10月23日付けプレスリリースのURLなどを知って補足したので、読みづらくなっているかもしれません。😞)
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(2019年10月、ウラジオストクで開催されたNPCGFサミット(当時)より)