メキシコのハリスコ州グアダラハラでの抗議デモ #JusticiaParaGiovanni で、6月5日に起きた、警察官へ可燃性の液体をかけて炎上させる犯行について。ネットSNSで流れた動画を見て、これはANTIFA(アンティファ)による犯行だというコメントを多々見かけますが、そうでしょうか?
単に、警察官へのテロ・暴力だからANTIFAとみなすなら、悪名高いメキシコのカルテルやギャングの犯行であってもアンティファによるものと見てしまいかねません。
日本語ネットSNSでも、「ANTIFAによる犯行」と断定的に書いているものを見かけます。でも、ほとんど全てが、外国の人がその国や地域の知識とセンスで言ったコメントをみて、日本語で繰り返しているだけ。とくに根拠は無いようです。(コメント主に政治的意図の有無は確認していない)
(追記6/15:記事末尾に、SNSで犯人と噂されている人物(6/16追記:デマでした。削除しました)や関連する組織について、追記しました。未確定なので、リンクとキーワード程度の情報量です。)
動画を詳しく調べてみました。
動画は、グアダラハラ市の独立系メディアZonaDocsの記者が撮影したもの。
La escalada de violencia continúa en las calles de Guadalajara. Aquí el momento en que se prende fuego a uno de los policías; las detenciones se están dando de manera intensa.
— ZonaDocs (@ZonaDocs) 2020年6月5日
Cobertura: @Mariomarlo pic.twitter.com/tFbd0eGWrl
事前に可燃性の液体を用意して、警察官を狙った犯行です。
犯人は、警察官たちから死角になるように移動をし、オートバイに乗る隙に、ドクロマークが付いたボトルに入れた液体を警察官の肩にかけ、ライターで火をつけています。
(複数の画像を使って、後の方で詳しく説明しています)
(分かりやすいように、画像を90度傾けた)
犯人がANTIFAの活動や団体と関係あるかどうかはまだ分かりませんが、服装・ファッションはANTIFAぽくないですね。ローンウルフ型の、警察に対する暴力が目的の犯行かもしれません。
さらに詳しく調べるなら、メキシコで、ドイツや米国など "ANTIFA" に関連する団体や活動と、ハリスコ州やグアダラハラでの活動の動向を調べる必要があるでしょう。
米国の抗議デモ#BlackLiveMatter では、ニューヨーク市をはじめとしていくつもの都市で、平和的な抗議デモ参加者にまぎれて、NY市の外から来たアナーキストによる警官への暴力と破壊が目的の活動や、犯罪グループや住人による高級品店の略奪があったと発表されています。
ところで、このメキシコ、グアダラハラでの抗議デモ #JusticiaParaGiovanni は、米国の抗議デモ #BlackLiveMatter に触発されて拡大したのでしょうが、似た事例の別のものです。
ジョバンニ・ロペス(Giovanni Lopez)さんは、新型コロナウィルス予防のためのマスクを公衆トイレでつけていなかったとして、複数の警察官に拘束される時に暴行を受け死亡しました。メキシコでも、警察官による摘発時の暴力的な対応が問題とされ続けています(なくならない)。
グアダラハラ市の独立系メディアTráficoZMGの創設者 Jorge VelettiのFacebookによると、
被害にあった警察官Rodolfo Velardeさんは、後頭部から首、背中にかけて火傷を負いましたが生命に別状は無いようです。皮膚の再生手術が行われます。
検察庁では、市内の監視カメラの映像を調べるとともに、市民に犯人に繋がる情報提供をよびかけています。
(モザイク処理しました)
Jorge Veletti - Ya es atendido en cirugía reconstructiva... | Facebook (閲覧注意)
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