(厚生労働省)(H29.2.27作成)
中国で、感染者が増えているH7N9鳥インフルエンザ。今シーズンは過去最多の感染者が確認されている。
国家衛生・計画育成委員会(国家衛計委)の発表によると、2017年2月に確認された感染者は160人(うち死亡61人)だった。2月が28日間と少し短い事を考慮しても、1月の感染者192人(うち死亡76人)からやや減少している。
3月は週あたり20人台が続いているようなので、さらに減少したと考えられる。ピークは越えたのだろう(4月や5月に小さなピークがくるかもしれない😊)。
2月份全国人感染H7N9禽流感发病数160例 死亡61人 - 中新网(3月13日)
国家卫生计生委:全国2月报告法定传染病485649例 死亡1409人 - 新华网(3月13日)
国家卫计委:近3周来H7N9报告病例数持续保持在较低水平 - 新华网(3月10日)
今シーズンの中国のA/H7N9鳥インフルエンザ(以下、H7N9鳥インフル、またはH7N9鳥フル)は、中国の東部で急速に拡大した。長江(揚子江)の下流、長江デルタの感染者数が特に多い。特に昨年12月の江蘇省での感染拡大が特徴的だ。
【H7N9鳥インフル】 中国、江蘇省で感染者が急増 蘇州市で都市部の家禽取引を禁止 - pelicanmemo
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江蘇省では都市部での、市場の一時休業と、生きた家禽(活禽)や〆て羽をとった "いわゆる'丸鶏'"(光禽)の取引を停止したことで、更なる感染拡大を抑制できたようだ。2017年に入っても、長江(揚子江)の下流、長江デルタの感染者数が特に多い。
上海市は持ちこたえている。
浙江省では、2013年にエピデミックを起こし都市部での活禽取引を禁止した杭州市の感染者は少ない。しかし周辺地域で、散発的に感染者が確認され続けている。留鳥の野鳥や小動物のほ乳類の中にウイルスのキャリアがいるのかもしれない。これからも感染者が出ると思われる。
(2017/3/6, via. ECDC )
(省名は管理人による)
2017年に入り、中国南部、特に中国最大の人口(1億0849万人(2015年)(广东统计年鉴))を抱える広東省、珠江デルタでの感染拡大が心配されていたが、1月、2月ともに、中部の浙江省や江蘇省よりも少ない感染者数で抑えられてきた。
(2017/3/6, via. ECDC)
(省名は管理人による)
広東省のH7N9鳥フル感染者は、1月は21人(うち死亡10人)、2月は18人(うち死亡7人)。心配されていたほど多くはならなかった。(それでも多い方だが😞)
ちなみに、江蘇省は1月が49人(うち死亡21人)、2月が26人(うち死亡11人)。浙江省は1月が35人(うち死亡11人)、2月が22人(うち死亡11人)。
安徽省や江西省なども載せたいところだが、省の衛計委によって公開される情報の内容と速度に偏りがある。実は、江蘇省や浙江省の衛計委は、毎月の法定伝染病の発病・死亡統計の公開がとても遅かった。広東省が一番早かった。
さすがに今シーズンは、感染者数の急増が起こり、合わせて世界保健機関(WHO)からの少し強めの中国中央政府に対する指摘があり、ちょうど両会だったこともあってか、2月はずいぶんと早く公開されていた。(苦笑)
広東省衛計委は週単位での、H7N9鳥フル感染者数と確認された地域を発表している(流行期の今だけだろう)。
中国で流行しているH7N9鳥インフルエンザの、省・直轄市・自治区ごとの、感染者数の推移は、この欧州疾病予防管理センター(European Centre for Disease Prevention and Control, ECDC)のマップが分かりやすい。
High pathogenic #H7N9 may have implications for poultry but no evidence of increased human-to-human transmissibilityhttps://t.co/kJtsJbiTfM pic.twitter.com/dUBmu8rmoX
— ECDC Influenza (@ECDC_Flu) 2017年3月13日
2013年の浙江省杭州市や、今年12月の江蘇省のような、ひとつの市や町で感染者が急増する感染拡大ではなく、1件〜数件の散発的に感染者が出るケースが多い。中国の31の省・直轄市・自治区のうち半分でH7N9鳥フル感染者が確認された。未発症の感染者や、確認されなかった患者などもいるだろう。
米国CDC(アメリカ疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention))が3月3日に発表したレポートによると、H7N9鳥インフルエンザの致死率は41%となった。
タミフル(オセルタミビル抗インフル治療薬)への耐性があるウイルスの変異が一部のサンプルで確認された。いまのところヒトからヒトへの持続的な感染は確認されていない。Increase in Human Infections with Avian Influenza A(H7N9) Virus During the Fifth Epidemic — China, October 2016–February 2017 | MMWR
钟南山:H7N9病毒变异株出现耐药,呼吁市民不要接触活禽 - 新浪新闻
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中国から日本への渡航者が隠して持ち込もうとして没収された鶏肉から、高病原性鳥インフルエンザのウイルスが検出された。
農林水産省の動物検疫所と北海道大学は、おととし6月からことし2月にかけて、許可なく日本国内に持ち込もうとして空港などで見つかった鶏肉など228の検体を調べました。
その結果、中国からの渡航者が持ち込もうとしたニワトリとアヒルの肉、合わせて3点からH5N1型とH5N6型の高病原性の鳥インフルエンザウイルスが検出されたということです。
この検査は、高病原性の鳥インフルエンザ・ウイルスに対して行われるものなので、いまのところ低病原性のH7N9型の検査はされていない。間違いなく、H7N9鳥インフルエンザのウイルスも日本国内に入ってきている。
心配しすぎる必要はないが、リスクをゼロにすることは不可能。"その時"のための心構えをしつつ、リスクを減らす努力をするしかない。
【H7N9鳥インフル】今シーズンは過去最大の感染者数に 累積の感染者数は1200人超 - pelicanmemo
H7N9鳥インフル カテゴリーの記事一覧 - pelicanmemo
广东省卫生和计划生育委员会
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