中国、国家衛生・計画生育委員会(国家衛計委)から、法定伝染病の、2016年3月の疫病発生の情況が発表された。
乙種に指定されているA/H7N9鳥インフルエンザ(以下、鳥インフルまたは鳥フル)の、公表された感染者数は17人、うち死亡7人。
今シーズンは、2015年9月:2例(死亡0)、10月:2例(死亡0)、11月:2例(死亡0)、12月:10例(死亡3)、2016年1月:28例(死亡5)、2月:29例(死亡15)、3月:17例(死亡7)と、全体的にH7N9鳥フルの患者数が減り、今期のピークは過ぎたと感じられる。
2016年3月全国法定传染病疫情概况 - 中华人民共和国国家卫生和计划生育委员会
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この冬は、前回や前々回と比較して感染者数がかなり少なくなった。
こちらのツイート(2015年12月4日)のグラフを見ると、(2016年に入って若干増えたが)確かに減っていることが分かる。
#H7N9 reported detections by day, week & year.
— Ian M Mackay, PhD (@MackayIM) 2015年12月4日
Big year? Small year? All depends on behaviours. Heard that before? pic.twitter.com/QciiFlb7w8
2016年1月17日から2月19日に報告された、H7N9鳥インフルの感染例29例のうち、6例は3つの家族内クラスターでの感染例。今シーズンのH7N9鳥フル流行・第4波では、継続的な流行には到らなかったようだ。
また、H5N6鳥インフルエンザも、感染者の拡大も起こっていない。
WHO、中国のH7N9鳥インフルの感染例29のうち6例は家族内感染例。今シーズンの第4波では継続的流行の兆候は無いと。
— メモノメモ (@pelicanmemo) 2016年3月24日
WHO notes recent H7N9 clusters, details H5N6 case https://t.co/KhPOMTHffm
WHO notes recent H7N9 clusters, details H5N6 case (Mar 23, 2016 | CIDRAP)
これが、中国の都市部での、市場での生きている家禽の販売禁止や、清掃や消毒の徹底など行政指導による成果なのか、処理済みの精肉の使用や衛生活動など個々人の意識に変化があった結果か、あるいはその他も含めた複合的な結果なのかは明らかではない。
暖かくなってインフルエンザの流行シーズンは抜けつつあるし、ニュースにならない程度には沈静化していたと考えられる。
しかし、ヒトに感染しやすく変異していた可能性も指摘されているので、注意が必要なことには変わりはない。
【H7N9鳥インフル】 広東省で医師2人へ院内感染か ヒトに感染しやすく変異していた可能性も - pelicanmemo (2016/3/5)
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余談だが、国家衛計委の毎月の発表を見ていると、中国での手足口病の流行は続いており、毎月のように死者が2ケタ出ていることが分かる。昨年の同時期と比べてみると、今年はさらに多くなるかもしれない。