(新华网より)
7月30日、中国海警局の3000㌧級の船2隻が北太平洋の公海での漁業法執行パトロールのため上海を出港した。東シナ海から対馬海峡、日本海を、8月2日に津軽海峡を通って太平洋へと航行した。
一昨年(2019年)には、わざと(?)、津軽海峡(国際海峡)の領海をかすめて航行したためニュースになっていたが今年は公海に相当する海峡中央部だけを航行したようだ。
中国は毎年この時期に、「北太平洋における公海の漁業資源の保存及び管理に関する条約(北太平洋漁業資源保存条約)」に基づいて漁業法執行に対応できる船2隻を派遣している。中国海警局が成立するより前の農業部漁業局(当時。現在は農業農村部漁業漁政管理局)の頃から毎年7~8月のこの時期に派遣している。
わざと東京オリンピック開催時期に合わせたわけでは無いだろう。
例年は、任務が終わって帰港した後に実績が発表されていたが、今年は出港前からの発表と報道となった。今年2月に「海警法」(中华人民共和国海警法)が施行されてから初めての任務だからだろう。発表ではこれまでになく国際法や国際的なイメージを強く意識した書き方となっている。
北太平洋漁業資源保存条約のメンバーとして、中国は海警(海警局の船)を北太平洋の(漁業)法執行パトロールに派遣することで、国際的な義務を積極的に果たし、責任ある大国としての姿を示している。グローバルな海洋ガバナンスに参加して、公海での漁業生産秩序を維護し、海洋資源保護の重要な役割を発揮する。
作为《北太平洋公海渔业资源养护和管理公约》成员国,中国派遣海警赴北太平洋巡航执法,对于积极履行国际义务,展现负责任大国形象,参与全球海洋治理,维护公海渔业生产秩序、保护海洋资源发挥着重要作用。
2020年: 【中国海警局】 津軽海峡を公船2隻が通航 北太平洋の公海での漁業パトロールか - pelicanmemo (2020-08-25)
2019年: 【中国海警局】北太平洋の公海で漁業パトロール | 7月下旬、津軽海峡で領海を通航した2隻か - pelicanmemo (2019-08-19)
もちろん海上保安庁も実施していて、毎年の海上保安レポートで発表している。
以前は、米国沿岸警備隊(USCG)と中国海警局(CCG)が共同で違法漁業の取締りも行われており、両国からの発表もあった。しかし米中関係の悪化のためか、中国海警局がそれまでの行政組織から武警部隊に隷属となることで軍事色が強まったためか、止めているのかもしれない。
Ads by Google
続きを読む