【新型コロナウイルス】デルタ変異株、豪州で「すれ違い感染」？ → マスクをしていなかったのでは？ 🙄

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の、インド型変異株（デルタ、カッパ、等）の感染力が強いと話題です。とくにデルタ変異株の感染しやすさは、国内での感染者の研究結果から従来型のウイルスと比べて1.78倍になる可能性があると、6月9日の厚生労働省の専門家会議で示されました。

デルタ変異株(B.1.617.2)は感染に気付きにくく、感染拡大をしやすい特徴を持っている、これまで以上に警戒しなければならない変異株です。日本でもアルファ（英国型）からデルタへと置き換わっていきます。特にワクチンが未接種の年齢層で感染率が高くなるでしょう。

ただ・・・、「感染力が強い」ばかりが独り歩きしていて過剰に煽るような表現も見かけます。

オーストラリアではその傾向が強いようで、「すれ違っただけで感染 (transmission through 'fleeting contact')」や「麻疹（はしか）のような感染力(Now that's in a kind of measles level of infectiousness)」と衛生当局者が口にしている。

コレにはかなり強い違和感を感じています。

日本でオーストラリア発の「デルタ変異株は、すれ違っただけで感染！」と紹介した記事を読むと、「もう買い物に行けない！😰」「電車やバスに乗れない！😰」や「マスクをしていても感染してしまうの？😱」と不安に感じてしまいそうなんですが・・・

それらのシドニーでデルタ変異株に感染した人たちって、マスクをしていなかったんじゃないでしょうか。感染予防の基本をやっていなかった。🙄

デルタ変異株は、従来株やアルファ変異株で起きる味覚障害や嗅覚障害の症状は出にくく、頭痛や鼻水などかるい風邪症状が多いため感染に気付きにくいという英国の研究結果があります。
デルタは感染予防の行動がちゃんと出来ていないと、これまで以上に感染しやすく拡大させやすい変異株です。

デルタ株の症状、頭痛や鼻水など＝英研究新型コロナウイルス - BBCニュース

そこでオーストラリアの国内でインド型変異株（カッパとデルタ）が話題になる前の、近頃ではない過去ニュース動画をいろいろと見てみました。動画20数本くらい。

結論：オーストラリアでは、店内や街角でマスクをしていない人がとても多かった。

たとえば２ヶ月前の今年(2021年)4月のイースター（復活祭）、買い物客でにぎわうシドニー市（NSW州）ピエモンテ地区の魚市場（フィッシュ・マーケット）のニュース映像より。東京でいうと年末の買い物でごった返す築地や豊洲市場みたいなものですね。子供と家族連れで来ている人も多く、とても混雑しています。（肖像権配慮のためモザイク処理をしています。以下同じ）

店員もお客さんもほぼ全員がマスクをつけていません。マスク着用の客は2~3人しか見つけられなかった。

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Record seafood sales expected over Easter long weekend | 7NEWS - YouTube (2021/04/03)

同じイースターのニュース番組から、行列が出来ている街角のベーカリー（2021年4月3日）。ここでもマスクを付けている人はいません。

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次は今年(2021年)5月3日の、メルボルン市（ビクトリア州）のワクチン接種会場で順番を待つ人たち。この画像では半分以上がマスクを付けていません。ニュース動画全体でもマスクをつけていない人を多く見かけます。

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Melbourne's mass vaccination centres swamped by over 50s looking for COVID jab | 7NEWS - YouTube (2021/05/03)

このビクトリア州は昨年の冬（7月~10月）に国内としては最も大きい集団感染が起きたので、感染リスクと予防への意識は他地域よりも高いでしょう。

特徴的だったものを紹介しました。そのほかにも、レポーターの後ろを通る人や店から出る人などいろいろと。

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6月に入ってから、シドニー市（NSW州）の商業地域の大型ショッピング・センターWestfield Bondi Junctionで感染拡大があり、デルタ変異株によるものと確認されました。この”ボンダイ・クラスター (Bondi Cluster)”では、家庭での二次感染や誕生日パーティでの集団感染を含めて感染者30数人が確認されています（記事公開時点）。

原因となった感染者といわれる空港リムジン運転手(60代)と、ほかの感染者との間に接点が見つからないので防犯カメラ映像で詳しく調べた結果、50代男性との接点は10cmから50～60cmほどの距離ですれ違った時に感染をした可能性がある、とNSW州の衛生当局が説明をしています。

すれ違っただけで感染!? デルタ株、驚愕の感染力が詳細分析で明らかに...？｜Fair Dinkum フェアディンカム・オーストラリア｜World Voice｜ニューズウィーク日本版 (2021/06/19)

これって・・・🤔、

よしんば短時間の接触でウイルス伝播したとしても、新型コロナのデルタ変異株(B.1.617.2)に感染していた空港リムジン運転手(60代)が、他の多くのお客さんと同じようにマスクをせずにショッピング・センターに来ていて、感染者4人（他の感染者は家庭内や誕生日会などでの二次感染）がそれぞれ近くにいるときに喋りながらすれ違ったり、近くで咳やくしゃみをしたんじゃない？
（日本の「マスク着用なら濃厚接触者に該当しない」みたいな、「1.5m以上離れていたら濃厚接触では無い」と評価され発表とか？（未確認））

アワ・ワールド : オーストラリア森林火災後の現状(字幕版)

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オーストラリア・メディアの記事でこういった、感染者の行動について書かれているものはあまり見かけません。
これが日本だったら、感染者は「マスクを付けていなかった」「マスクを付けていたのに…」と必ず伝えられると思うんですけどね。🙄

個人の行動に立ち入らないように報道しているのか、メディア側は感染者のリスク行動の有無を伝えることの意味を低く考えているのか・・・、その一方で「プライバシーはどこへいった？」と心配になるくらいに、感染者が立ち寄った店や公共交通機関と時間帯（5分刻み）を非常に詳しく発表(*)をし報道をしている。こういうところで、なんか対応がチグハグに感じます。

(*)例えば、~日の午後3時10分〜55分までxxカフェに滞在とか、○△パン屋に午後12時35分〜50分に滞在とか、午後1時30分から午後4時まで映画館のシネマ1で〜映画を鑑賞とか。

この空港リムジン運転手(60代)が、その従業者に求められる新型コロナの検査を定期的に受けていたかどうか、空港から市街地へ国際線乗務員らを運ぶときにマスクをちゃんと付けていたかどうか、ルール違反が無かったかどうか調査が行われているそうです。（こういうところは報道される🙄）

マスクをつけないなど市民の感染予防の行動が充分でないのは、仕方ないとも感じます。

オーストラリアでは、昨年(2020年)の3月と冬（7月~10月）に国内としては大きな感染拡大を起こしたくらいで、沈静化した後にリバウンドは起きていません。

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昨年の冬の感染拡大はビクトリア州が主で、シドニー市のNSW州（ニュー・サウス・ウェールズ州）は封じ込めることが出来ました。NSW州では12月に少し拡がりかけましたが1日の新規感染者が30人台までで、こちらも封じ込めることができた。

半年以上、1日の新たな感染者が10数人からゼロ人の日が続いていれば、そりゃマスク着用やソーシャル・ディスタンシングなど感染予防の行動はゆるくなっているでしょう。

感染者が確認されたら当局が立ち寄り先と時間帯を詳しく発表するので、該当するなら検査を受ける必要があるけれども、そうでなければ安心感を得られる。

ここに従来のような症例とは違う、味覚や嗅覚の異常が少なく軽い風邪症状が多いデルタ変異株がはいってきた。検疫隔離ホテルの例から”空気を介したエアロゾル感染”が大きく話題となった。

もしかしたら、過剰すぎる表現を使って市民に注意喚起をするのは、豪州らしいハンマー＆ダンスの戦術？と思いたいのですが・・・🙄

集団感染・クラスターが多く発生している日本ではほぼ常識になっている”空気を介したエアロゾル感染”に対して、オーストラリアでは国内で一貫したガイドラインはまだ無いようです。

What Is 'Fleeting Transmission'?
Victoria's current virus outbreak is spreading differently to previous outbreaks. Our #COVID19 Testing Commander says there's evidence of "about 4 or 5" recent cases where "fleeting" contact or transmission occurred between strangers. #COVID19Vic pic.twitter.com/HKybggflAz
— 10 News First Melbourne (@10NewsFirstMelb) June 1, 2021