【中国海警局】新型の航空機・ヘリの配備間近か？　空からの監視、法執行能力も拡充へ

photo by GRN_Wong （「运12F（Y-12F）」型機）

中国海警局、副局長の杨隽少将が、中国の航空産業大手である中国航空工業集団（AVIC）（以下、中航工業）傘下のハルビン航空工業を訪れ、発注した航空機・ヘリコプターの研究開発状況を視察した。

「运12F（Y-12F）」型固定翼プロペラ機と「H425」型ヘリコプター（「Z-9」派生型）に搭乗して機内を視察するとともに、「AC352」型ヘリコプター（ユーロコプター「EC175」型・「Z-15」）の性能と研究開発の進捗状況を確認した。

中国海警局は、ヘリ甲板や格納庫を備えた海警船を新造し、3000㌧級以上の大型船だけでもすでに20隻以上、正式配備や進水をさせている。1万㌧級大型海警船の正式配備も間近のようだ。船艇の近代化と大型化を急速に進め、日本の海上保安庁を（単純に比較するのは難しいが）物量的に凌駕しつつある。

航空機・ヘリなどによる空からの監視・法執行能力でも、拡充と強化が行われる。

海洋局関係者：中国の航空法執行力、日本と大きな開き（ 2013-05-10｜中国網日本語版）

近年の無人機・ドローンの進歩も忘れてはならない。

3月9日，中国海警局副局长杨隽到中航工业哈飞调研，检查海警局订购飞机生产制造情况。杨隽登机体验了海警局订购的H425型直升机和运12F型飞机内部情况，详细了解了AC352直升机性能及研制进展，并就海警局订购飞机制造及交付情况同哈飞交换了意见。
海警局领导到哈飞调研（中国航空工业集团公司）

副局長が視察したことだし、これらの航空機・ヘリの配備はほぼ確実だろう。

この他にも昨年11月、海警局後勤装備部の王秋彧少将が、中航工業の西安航空工業を訪れている。「新舟60（MA-60）」中型航空機の調査研究を行ったそうだが、"発注"や"契約"という表現はなかったので、どうなるかは分からない。

2〜3年前から、中国海监に導入されるかもしれないという噂は流れてたんだけど、その後、特にニュースは無かった。後勤装備部のトップが動いているので大詰めだとは思うのだが・・・

「运12F（Y-12F）」型固定翼プロペラ機は、2012年12月に尖閣諸島の日本の領空を侵犯した、国家海洋局・東海航空支隊所属の「Y-12IV」型の後継機種。
外観（冒頭の写真を参照）が大きく変わっただけでなく、性能面でも、最高巡航速度482km/h、航続距離2000km前後と大きく向上している。（「Y-12」シリーズの基本性能は、同328km/h、同1340km。）

运12F_百度百科、运-12_百度百科
 中国海监B-3837飞机_百度百科

「H425」型ヘリは、毎度おなじみ「直9（Z-9）」の派生型。

直-9_百度百科、H425_百度百科
 AS 365 (航空機) - Wikipedia

「AC352」型ヘリは、ユーロコプター社「EC175」型のアジア向けモデルで、中国では「直15（Z-15）」と呼ばれる。