USB PD関連の情報を調べていると、なにかとUSB PD対応のモバイルバッテリーや充電器の購入を即すような記事が目につく。高速充電の時間が１０倍も違うというのなら分かるんだけど、そこまでではなかった。
前のブログ記事で、USB PD対応ではないモバイル・バッテリーからMacBook Pro 13インチ(2020)に充電出来るのか調べてみた。→充電できます。
次に、USB PD対応ではないUSB充電器からMacBook Pro 13インチ(2020)に充電出来るのか、どのくらい時間がかかるのか試してみた。
結論：充電できます。
注意：USB充電器の出力に影響されます。
MacBook Proの作業状態に影響されるでしょう。
この記事は、MacBookProと記事に書いた製品とテスト環境で行った結果であり、他のノートPCやUSB充電器、ケーブルなどで行った場合に同じ結果になるとは限りません。もし読まれて試される場合は、くれぐれも自己責任でお願いします（電源関係は万が一の時が怖い）。
USB PDではないモバイルバッテリーでの検証については、こちらをご覧ください。
MacBook Pro 13インチ(2020) ｜ USB PDではないモバイル・バッテリーから充電できるか？ - pelicanmemo
MacBook Pro 13inch(2020)は、58.0Whリチウムポリマーバッテリー内蔵で、61W USB-C電源アダプタが付属している。
バッテリー残量が10％から満タンまで充電するのにかかる時間は、概算で1時間ほどとなる。（バッテリー充電は最適化されているのであくまでも概算です。以下同じ）
今回使用したUSB充電器は、Ankerの「Anker PowerPort+6 (60W 6ポートUSB急速充電器)」（製造終了品）。
ケーブルは、mophieの「USB-A Cable with USB-C Connector（1m）」を使用した。
AnkerのUSB急速充電器、新旧を測定して比較 ｜ ４年前購入の25W５ポート「Desktop Charger (E150)」トラブルと、新しい60W６ポート「PowerPort+ 6」 - pelicanmemo (2017-10-24)
USB PD(USB Power Delivery)は、5V／9V／15V／20Vの固定電圧に対応している。たとえば、アップル純正の61W USB-C電源アダプタは、MacBookProへの出力は 20.3A=3.0A。固定電圧5Vの場合は最大電流3Aとなる。ケーブルはUSB-CーUSB-CでなければUSB PDに対応しないそうだ。
Anker のUSB急速充電器「Anker PowerPort+6 」の1ポートの給電能力は2.4A（"Quick Charge 3.0"以外）。ケーブルで制限されなければ、MacBookProのバッテリー残量が10％から満タンまで充電されるのにかかる時間は、概算で５〜６時間と推計される。
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MacBook Pro (13-inch, 2020, Four Thunderbolt 3 ports, macOS 15.5.5 Catalina)の、アクティビティモニタの"エネルギー"画面（一部）。
右側のグラフは、縦軸がバッテリー残量、横軸が時間。薄緑色の領域がACアダプタ接続と充電中で、白い領域がバッテリー駆動を示している。
MacBook Proを再起動してからアクティビティモニタを起動したので、それ以前のACアダプタ接続時は記録されていない。
「AC電源の使用時間：」には、ACアダプタから充電もモバイルバッテリからの充電中も含まれている。
USB充電器からの充電時のグラフに段差が出来ている。これは、２度スリープさせたので、スリープから復帰後の計測結果がいきなり記録されたのだろう。
MacBook Proは、WiFiとBluetoothをオフにして、ふたをしめてスリープさせた。
その状態で50分経過した後のバッテリー残量は、１回目は１４％増加、2回目は１５％増加となった。
開始時のバッテリー残量は9%。
1回目。
「AC電源の使用時間：」表示時間は、スリープ復帰直後の計測ではズレが生じることがあるようだ。
モバイル・バッテリーのときのテストでは、MacBook Proのふたを閉めて40分待機していた。今回50分に変わったけど、"うっかり"忘れていただけで特に意味はありません。😓
2回目。
テストを開始したときのバッテリー残量は９％、これらのテストをおこなった後（約2時間後）のバッテリー残量は３９％となった。
Wi-FiとBluetoothをオフにして、ふたを閉じてスリープ状態にした場合、残量10％から満タンになるまでに５時間強かかると推計される。今回使用したmophieのケーブルは最大出力5V=2.4Aなのだろう（推測）。
MacBook Pro 13-inch(2020)が"スリープ"状態のとき、USB PD 対応ではないUSB急速充電器から充電は可能だ(出力5V=2.4Aの場合)。"終了"させていたら充電時間はもう少し短くなっただろう。
ただ、USB PD対応ではないモバイルバッテリーでのテストをしているときに「バッテリーは充電できません」と表示されることがあった。macOS 10.15 Catalina のシステムレポートでも「充電していない」表示だった。
MacBookProでの作業中に、メニューバーの電源アイコンが「電源アダプタ接続」になっていても、バッテリーは充電されていない。放電が多い時は、電源・バッテリーまわりのプログラムが何か判断をしているのかもしれない。
MacBook Pro 13インチを起動させて、Wifiをオンにして、メールソフトを開いている程度の消費量なら充電されるのではないだろうか？むしろ、そのくらいの作業なら、ノートPCはオフラインにしてスリープや終了しておいて、ヒトは他の作業をした方が効率的だろう。
その一方で、旅行や出張に、うっかりACアダプタを忘れても絶望をしなくてもよさそうだ。
充電対応の変換ケーブルが1本あったなら、もしかしたらスマホやタブレット用のサイコロ充電器を使って、寝ている間にノートPCの充電もできるかもしれない。
今回使ったUSB-AーUSB-C 変換ケーブルは、mophieの「USB-A Cable with USB-C Connector（1m）」。アップルストアで購入。他社のケーブルでも、「USB PD対応」や「最大〜Aの出力」等の性能表記があれば、似た結果が期待できそうだ。（自己責任でお願いします）
ということで、追加で自己責任で買ってみることにしました。🙂
【高速充電&データ転送】：モバイルバッテリーやUSB充電器からからフルスピードでNintendo Switch、スマホやタブレットに充電可能です。最大5Gbpsのデータ転送速度によりHD動画も数秒で転送できます。また安全性と信頼性の向上のため、56Kオームのプルアップレジスターを採用し、最大2.4Aの出力可能で、Type cポートを搭載したデバイスに充電最適です｡
（Amazonの商品の情報より一部抜粋）
USB PD非対応のUSB充電器やモバイルバッテリーを延命使用できそうだ。
それでも、あたらしく購入するのなら、USB PD対応のUSB充電器は2000円くらいからあるので、トータルで考えるとそちらを選ぶ方がよいだろう。
純正のACアダプタとケーブルが一番だと思いますが。（電源まわりのトラブルは怖い（過去の経験から））
