(海上保安庁より)
4月15日、海上保安庁 第11管区海上保安本部(那覇)は、沖縄県・石垣島北方約74kmの排他的経済水域(EEZ)で、中国の海洋調査船がワイヤのような物を海中に延ばしているのを確認した。巡視船から、「我が国の同意を得ない海洋の科学的調査は認められない」旨の中止要求を無線により実施した。
ニュースで「石垣島の北約74km」と報じられたので、石垣島と尖閣諸島の中間あたりの海域で、めずらしく中国の海洋調査船が調査活動をしたのか、これまでにあったっけ?🙄、とイメージしていた。
しかし詳しく調べてみると、実際には、日本の領海(12海里(約22km))のすぐ外側、多良間島の北30〜40kmの海域(接続水域)での海洋調査活動だった🤨。これについて少し。
(海上保安庁より。先島諸島と尖閣諸島の周辺をとくに目立たせて、情報量を減らした。)
中国海洋調査船「科学」について(第1報)
本日(令和8年4月15日)午後零時30分頃、当庁巡視船により、石垣島の北約40海里(約74キロメートル)の我が国排他的経済水域において、中国海洋調査船「科学」が、左舷からワイヤー様のものを海中へ延ばしている状況を確認しました。
このため、当庁巡視船から当該調査船に対して、「我が国の同意を得ない海洋の科学的調査は認められない」旨の中止要求を無線により実施しました。
引き続き、巡視船による監視及び中止要求を実施しています。
中国海洋調査船「科学」について(第1報) - 海上保安庁 (2026-04-15)

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海上保安庁の発表では「石垣島の北約40海里(約74km)の我が国排他的経済水域」となっている。これは石垣島の海岸線ではなく石垣港を基準点としているだろう。
たとえば、尖閣諸島は「石垣島から約170km」と、日本政府の発表でも使われている。ところがGoogleマップなどを使って、石垣島の灯台がある岬から魚釣島への距離を測ってみると「150数km」ということに気付いた人も多いのではないだろうか。
これを、石垣港を基準として測ってみると魚釣島まで約170kmとなる。海上保安庁の発表は、とかく不親切で分かりにくい。
「石垣島の北」も”地理上の北”ではなく、ざっくりとした北側を表している。
海上保安庁が発表した地図(2026年5月7日版)を見てみると、中国の海洋調査船「科学」が海洋調査を行ったのは、石垣島と大正島を結んだ線からやや東側の海域ということが分かる。


これらをまとめて、中国の海洋調査船「科学」が、我が国の同意を得ない海洋調査を行った海域を図示した。
石垣島(石垣港)と、魚釣島を結んだ線(赤い実線)および大正島を結んだ線(赤い点線)を示した。領海は12海里(約22.2km)。

この尖閣諸島と先島諸島の領海を含む図は、日本小型船舶検査機構が公開している海図をもとにさせていただいた。当ブログ管理人が、引用する際の必要のため32ページと33ページを結合させて1枚の地図とし、赤い文字や矢印など追加した。赤い線は石垣港を基準としている。
本邦の海岸から12海里以内の水域図(小型漁船) | 日本小型船舶検査機構
さらに、拡大。
石垣島(石垣港)から魚釣島までの距離170km(赤い実線)をもとにして、石垣港を中心とする約74kmの円弧を追加した。石垣港と大正島と結んだ線(赤い点線)の東側に、中国の海洋調査船「科学」が海洋調査を行っただろう海域を図示した。

中国の海洋調査船「科学」が海洋調査を行った海域は、石垣港から約74kmの海域であり、多良間島の北北西から北で領海(12海里(約22km))のすぐ外側、海岸線から30〜40kmとなる。海上保安庁の発表とも矛盾しない。
海保の発表は、とかく不親切で分かりにくい。
排他的経済水域(EEZ)は海岸線から最大200海里(約370km)、接続水域は24海里(約44km)。我が国の同意なき海洋科学調査に対して、公式発表で「接続水域」を使うのは微妙だから、排他的経済水域(EEZ)を使う方が適切と使われているのだろう。
海上保安庁からの発表は石垣港を基準とするのではなく、多良間島から〜kmとした方がより適切だっただろう。
もっとも、このブログ記事タイトルでも「石垣島の〜」を使っている。「多良間島の領海すぐ外側」と書いた方がより正しいんだけれども、どこの島か分かりにくそうなので石垣島を使っていたりする。😅
海上保安庁が確認した外国海洋調査船による特異行動の状況はこちら(PDF:207KB)(2026年5月7日午前8時現在)
我が国周辺海域における海洋調査船の活動状況(令和8年5月5日) | 海上保安庁
我が国周辺海域における海洋調査船の活動状況(令和8年4月15日) | 海上保安庁
中国海洋調査船「科学」について(第1報)(PDF:125KB)
中国海洋調査船「科学」について(第2報)(PDF:42KB)
中国船、石垣島北方EEZで調査か 海保が中止要求 - 日本経済新聞 (2026年4月16日)
中国調査船、EEZ内で活動 2週間とどまる―沖縄:時事ドットコム (2026年04月29日)
中国の海洋調査船「科学」が15日以降、沖縄県・石垣島沖の排他的経済水域(EEZ)内で同意なく活動し、29日にEEZ外に出た。監視を続けていた第11管区海上保安本部(那覇市)が同日、発表した。
11管によると、海上保安庁の巡視船が15日午後0時半ごろ、石垣島の北70キロ余りで、ワイヤのような物を海中に投下している科学を確認。巡視船が中止を求めたが、活動はその後も続いた。29日午前0時20分ごろに地理的中間線を西側に通過し、EEZを離れた。
中国の海洋調査船「科学」号

CTDを使って海水の塩分、水温、圧力(深度)を計測したようだ。

我が国周辺海域における外国海洋調査船の活動についてお知らせします。なお、当管区内で確認された、同活動は今年5件目となります。
— 第十一管区海上保安本部【公式】 (@JCG_11th_RCGH) 2026年5月8日
内容の詳細はこちら。https://t.co/1WovEZQ7YS pic.twitter.com/Ye5cUAT5oD