数日前、「中国海警局の、排水量1万トンを超えていると報道された警備船「海警2901」が、すでに正式配備している可能性が出てきた。」と書いた。
【中国海警局】万トン級「海警2901」すでに正式配備? 浙江省の舟山基地に配備か? - pelicanmemo
それを裏付ける、埠頭に停泊中の「海警2901」の写真が、中国の大手軍事フォーラムで公開された。
ーー(追記:09/06)ーーーーーーーーーーーーーーーー
中国最大の巡視船、尖閣周辺で「主権」誇示か(9/6|読売新聞)
読売新聞が、記者撮影の写真を付けて報道した。
ーー(追記ここまで)ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーー(追記:2016/07/28)ーーーーーーーーーーーーー
正式配備された。
【中国海警局】 1万トン級「海警2901」、5000トン級「海警2502」正式配備 東シナ海を管轄する東海分局へ - pelicanmemo
ーー(追記ここまで)ーーーーーーーーーーーーーーー
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右が「海警2901」。左は5000㌧級「海警2501」。
5000トン級でもかなり大きい部類なのに、それをさらに上回る巨体だ。
海保厅,你们即将迎接的新朋友!(海保のみんな、あたらしいお友だちだよ!(意訳))(飞扬军事)
全体像がはっきり分かる画像は、6月の試験航海のとき以来。場所は、舟山埠頭と思われる。
「海警2901」は、報道によると排水量12000トン。AIS登録情報によると全長166m、全幅22m。
日本の海上保安庁のしきしま型巡視船(全長150m、全幅16.5m)より、ひとまわり大きい。 縮尺を調整した「PLH31 しきしま」の写真と比べてみよう。
(「PLH31 しきしま」の画像は、Wikipediaの"しきしま型巡視船" の項目の、左舷全景の写真をトリミングして使用させていただいた。(しきしま型巡視船 - Wikipedia))
「海警2901」は、ブリッジを含む上部構造物と、煙突の巨大さが特に目を引く。ヘリ格納庫は少し小さい。全体的に、ずんぐりとした印象だ。
海上から見上げたなら、船体の大きさ以上に、上部構造物の存在感、威圧感が強く感じられることだろう。
船首の76mm速射砲には、カーキ色のカバーがかかっている。進水時の報道では、副砲と高射機銃を装備しているそうだ。
ブリッジのある上部構造物の上は、かなりすっきりとしている。
ブリッジのある上部構造物の後ろの角に、白い装備が2つ。高射機銃だろうか?高圧放水銃だろうか? 大型搭載艇と複合艇(RHIB)が2艘ずつ。
一部で話題になっている、洋上給油の補給設備は見当たらないようだ。
ヘリ格納庫のシャッターが開いているので内部が少し見える。シャッターの幅で奥まで格納庫が続いている。
全幅22mが正しいなら、シャッターの幅は7〜8mほど。大型ヘリ1機搭載型だろうか?
以前、中国海監に導入か?と噂されていた、大型輸送ヘリ「AC-313(Z-18、直昇-18型)」の運用は、十分に可能だ。
【中国海警局】国家海洋局、AC-313(Z-18)大型輸送ヘリを導入か - pelicanmemo
その他、ヘリ管制室の上に、白い高圧放水銃が2基。両脇にはカーキ色のカバーがかかった装備が2つある。副砲だろうか?。
船尾にサイドスラスタは装備されていない。
さて、この、万トン級「海警2901」。体当たり戦術は想定されているのだろうか?
中国海警局の1万トン級新型船は果たして「体当たり」戦法を実行できるのか - Togetter
公開画像の署名は「海警参謀長」となっている。
本物の海警局参謀長なのか、ジョークか何かなのかは分からない。
"分からない"や"?"マークを連発してしまったが、それでも昨年に比べれば格段に情報量が増え、全容が分かってきた。
【中国海警局】1万トン級「海警2901」試験航海 空撮画像 - pelicanmemo
【中国海警局】1万トン級「海警2901」進水 満載排水量1万2000トン、76mm機関砲と副砲を装備か?: メモノメモ(2014年12月15日)
【中国海警局】2隻目の1万トン級海警船「海警3901」進水間近 - pelicanmemo(2015-02-08)
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