(中国海警局より)
9月10日、中国海警局の「海門艦」と「洋山艦」が上海を出港し、北太平洋の公海における漁業法執行パトロールへ向かった。
北太平洋公海漁業法執行パトロールは、北太平洋漁業委員会(NPFC)の加盟国として資源管理のため行うもので、中国は毎年2隻を派遣してきている。今年(2025年)は7月に、韓国海洋警察庁が10年ぶりに警備船を派遣していた。
中国海警局の、今回派遣された「海警1303 海門艦(海门舰)」「海警1305 洋山艦」(*1)は直属第1局に所属する、いわゆる漁政型3000トン級(NATOコード:ZHAOYU WPS)。北太平洋公海漁業法執行パトロールで、2隻ともこのタイプとなるのははじめて。
(*1)「海警1303 海門艦(海门舰)」の前の舷号は「海警2302」。「海警1305 洋山艦」の前の舷号は「海警2303」
昨年(2024年)の北太平洋公海漁業法執行パトロールでは、はじめてヘリコプターを運用して、空からの法執行活動を実施した。
今回も「海警1305」のヘリ甲板にZ-9型(H425型)ヘリが載せられている。「海警1303」のヘリ甲板には、無人機(UAV)らしき機材が載せられている。固定翼をもつ垂直離着陸(VTOL)型ドローンだろう。(ここでは「無人機(UAV)」で統一する)
(「海警1303」のヘリ甲板と無人機(UAV))
中国海警局では2年前、南シナ海を管轄する南海分局が、中国航天科技集団(CASC)傘下の飛鴻科技有限公司により開発された艦載型・VTOL型無人機「飛鴻-96V(飞鸿-96V)」を、北部湾(トンキン湾)での密輸対策特別作戦で使用したことがある。
航天飞鸿无人机协助我国海警开展打击走私专项行动_中国航天科技集团 (2023年11月22日)
今回の「海警1303」のヘリ甲板にある無人機(UAV)は、尾翼が逆V字型 (inverted V tail) のようだ。
たとえば、北京普洛特科技(UPUAV, 北京普洛特无人飞行器科技有限公司)の「探測-II(探测-II)」型は、全長1.6m・全幅2.5mなので、1303のヘリ甲板に載せられた无人机よりも少し小さいかもしれない。似たデザインの無人機(UAV)は他の会社からも発表されている。どこの会社のどのモデルか、続報を待ちたい。
(「海警1305」のZ-9型(H425型)ヘリ)
【中国海警局】北太平洋公海漁業パトロール(2024年) はじめてヘリコプターを使った公海上での法執行活動を実施 - pelicanmemo (2024-09-10)
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今年(2025年)は直属第1局の「海警1303 海門艦」「海警1305 洋山艦」が派遣された。
2024年は、直属第6局の「海警6501 長山艦」と「海警6306 石城艦」が派遣された。
2023年は、直属第1局の「海警1304 衢山艦」と「海警1303 海門艦」、というように、直属第1局(上海)と直属第6局(青島)が交代して実施している。
漁業法執行パトロールということもあり、必ず、もと漁政(漁業局)の3000トン級漁業監視船だった船が1隻運用されていた。今年はなぜか2隻となっている。
直属第1局の3000トン級以上の海警船は、実はそれほど多くはない。今回の出港が9月になったことで尖閣沖の直属第1局のローテーション月とも重なってしまった。機材繰りのたまたまだったのだろうか?
例年は7月下旬に出港して9月に帰港するスケジュールで、昨年(2024年)は9月8日に帰港、一昨年(2023年)は9月10日に帰港していた。
今年(2025年)は9月10日に出港となり、なぜか日程が大きく変更された。
出港〜帰港の期間も、ここ3年は45日間だったが今年は31日と短い。
機材に技術的な重大な問題が起きるなどして、出港が遅れたのだろうか?
あるいは漁業パトロールを行う予定の海域や活動を変更したのだろうか?
今回「海警1303」と「海警1305」は、日本海から津軽海峡を通って北太平洋に抜けるいつものルートではなく、東シナ海から大隅海峡を抜けて太平洋に抜けるルートをとっている。
中国海警局による公式発表のテキストは、ほぼコピペでほとんど変更されていない。
韓国による10年ぶりの北太平洋公海漁業パトロールと重なるのを避けた可能性も考えてみたが、これは少し考え過ぎだろう。😅
2025-09-10 16:00:00
9月10日,由中国海警局海门舰和洋山舰组成的编队从上海解缆起航,赴北太平洋执行为期31天的渔业执法巡航任务。
北太平洋公海渔业执法巡航是我国积极履行国际义务,展现负责任大国形象的重要举措。中国海警局每年派2艘舰艇执行任务,今年是组织的第10个航次,也是获得北太平洋公海渔船登临检查权以来的第6次巡航。近年来,中国海警局积极履行联合国大会46/215号决议和《北太平洋公海渔业资源养护和管理公约》,组织开展公海登临检查,严厉打击非法、不报告、无管制捕捞活动,为维护公海渔业生产秩序、促进渔业资源可持续发展发挥重要作用。
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