pelicanmemo

海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

中国のアフリカ豚コレラ、ウイルスはどこから? ロシア当局「EUからの輸入豚肉が原因・・・」

20180827224001(農林水産省)

8月3日、中国の遼寧省瀋陽市で、アジアではじめてのアフリカ豚コレラの発生が確認されました。9月13日までに6つの省の14の市区での発生が発表されています。 

アフリカ豚コレラ (ASF (African Swine Fever)) は、約10年前から、主に東ヨーロッパ諸国やロシア西部で、野生のイノシシと養豚場で起こり続けています。
9月13日にはベルギーで、2頭の野生のイノシシで確認され、ふたたび西ヨーロッパに入り込みました。

 

このあたり、アフリカ豚コレラのウィルスの拡大の歴史は、厚生労働省の資料をご覧ください。

アフリカ豚コレラには、治療法がなく、ワクチンも(今のところ)なく、もし養豚場で発生したら、発症していない豚も含めて同じ群れ全てを屠殺して無害化処理しなければなりません。(それを徹底できなかったことで、感染拡大が起こって大変な状況にある国も...)

アフリカ豚コレラについて:農林水産省

20180919124740
ユーラシア大陸におけるアフリカ豚コレラの発生拡大状況(2007年〜)(pdf)(2018年9月18日現在。出典:OIE情報等)

  

前置きが長くなりました。中国で発生したアフリカ豚コレラ(ASF) のウィルスは、ロシアから侵入してきたものだと、まことしやかに語られています。多分そうなのでしょう。当ブログ管理人も7〜8割がたそうだと思っています。そうなんじゃないかな?😊

当事者のロシアにとっては、たまったものじゃない話。

ロシアの連邦動植物検疫監督局が、中国で発生したアフリカ豚コレラ (ASF) は
「EU(欧州連合)から中国へ輸出された、豚肉・豚加工品が原因の可能性がある」
と発表しました。

これについて少し。

 

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中国のアフリカ豚コレラ、安徽省でヒト感染・死亡13人というデマ | 当局が否定、それでも・・・

20180910234619
农业农村部新闻办公室より)

9月10日、中国の農業農村部は、安徽省の銅陵市義安区でアフリカ豚コレラが発生したと発表しました。飼育頭数219頭、うち発病は63頭で、死亡が23頭。

 

中国では、8月3日に遼寧省瀋陽市で、アジアではじめてのアフリカ豚コレラ (ASF (African Swine Fever)) の発生が確認されてから、9月13日までに6つの省の14の市区での発生が発表されています。そのうち、安徽省(上海市の内陸あたりに位置する)の発生例がもっとも多く、全体の半分の7つの市区の、8ヶ所の養豚場・農場で発生しています。

 

ツイッター (pelicanmemo)ではその都度、紹介してきました。ブログで今回、特にこの安徽省の銅陵市義安区の発生例を取り上げたのは、実はその銅陵市義安区で、10日の発表がある前に、多くの人に感染して13人が死亡という「デマ」があったから。

これについて少し。

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豚コレラやアフリカ豚コレラは、なぜ「ぶたこれら」ではなく「とんこれら」なのか?(追記あり)

20190204052737(農林水産省)

岐阜県にある養豚場で、豚コレラ(古典的豚コレラ (Classical Swine Fever(CSF)))が、国内では26年ぶりに発生しました。
また、東欧・ロシアでアフリカ豚コレラ (African Swine Fever(ASF))が猛威をふるい、今年8月から中国でも、6つの省の14ヶ所の農場・屠畜場での発生が発表されています(記事公開時点)

 

テレビやラジオのニュースを見聞きすると、「アフリカ豚コレラ」「豚コレラ」は「ぶたコレラ」ではなく「トンコレラ」と呼ばれています。

ツイッター・SNSなどで、「トンコレラ」と呼ぶとはじめて知った、語感が可愛いなどのコメントを見かけます。なぜ「ぶたこれら」と呼ばないのか考えてみました。😊

岐阜市の養豚場で豚コレラ|NHK 東海のニュース (2018年09月09日) 
豚コレラで死んだ豚を不適切搬出|NHK 東海のニュース (2018年09月09日)

豚コレラについて:農林水産省 

 

ーー(追記: 2019/02/11)ーーーーーーーーーーーーーーーー

 TBSラジオ『荻上チキ・Session-22』2月8日放送の「感染が拡大する家畜伝染病”豚コレラ”~その脅威と必要な対策とは? 」で、日本獣医生命科学大学・獣医保健看護学科・准教授の青木博史さんから、「とんこれら」の名前について解説がありました。

 

豚コレラ(Classical Swine Fever(CSF)、古典的豚コレラ)は、1887年に北海道で、アメリカから輸入された豚を起源に発生。 132年前。その時から名前は「とんこれら」だった。

青木博史: 実は、「ぶたこれら」とか、あるいは「とんこれら」、いろいろ言われる方がいますけれども、もともと、「とんこれら」が確認されるまえに、「とんたんどく(豚丹毒)」という病気がありまして、養豚業界の中では、とんだんどくが耳に馴染んでいたというのもあって、それとあわせて「ぶたこれら」ではなく「とんこれら」、というふうに使われた、そう聞いておりますね。

荻上チキ: ということは、最近、メディアが「ぶたこれら」ではなく「とんこれら」と呼びだしたというわけではなく、長い(あいだ使われてきた(管理人による補足))呼び方なのですね。

青木博史: はい、そのとおりです。

(一部を書き出して、カッコや補足説明を付け加え、赤字強調は、管理人による。言い淀みや相槌などは割愛した)

【音声配信】「感染が拡大する家畜伝染病”豚コレラ”~その脅威と必要な対策とは?」青木博史×荻上チキ▼2019年2月8日(金)放送分(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」平日22時~)

豚丹毒 - Wikipedia

ーー(追記ここまで)ーーーーーーーーーーーーーーーーー 

 

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フィリピン海軍、座礁していた軍艦「グレゴリオ・デル・ピラール」、スービック湾へ帰港

8月29日夜、フィリピン海軍の旗艦「BRP グレゴリオ・デル・ピラール(FF-15)(BRP Gregorio del Pilar (FF-15))」が、南シナ海のパラワン島の沖で哨戒活動中に、ハーフムーン礁 (Hasa-Hasa Shoal (Half Moon Shoal))で座礁した。フィリピン海軍が30日に明らかにした。死傷者は出ていない。

中国海警局とフィリピン沿岸警備隊とが巡視船を派遣したり、中国が離礁させるために捜索救助船を派遣できると提案しフィリピン政府は拒否するなどあったが、9月3日の夜に、フィリピンのタグボートによって無事に離礁した。

7日、スービック湾の海軍基地に帰港した。

 

同じハーフムーン礁では、2012年7月に中国海軍のミサイルフリゲート「560 東莞(东莞)」も座礁、4日後に救助されている。 

Officers, crew of BRP Gregorio del Pilar to be subjected to stress debriefing - Manila Bulletin News

Thanksgiving mass held on board BRP Gregorio Del Pilar - Manila Bulletin News

海事 カテゴリーの記事一覧 - pelicanmemo

 

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【H7N9鳥インフル】 中国、アメリカへのウィルスのサンプル提供を停止? 米中貿易戦争で悪化か?

20180331064537(via.FAO) 

中国で、2013年にヒトへの感染が初確認されたA/H7N9鳥インフルエンザ。2016年〜2017年のシーズンには、過去最大の感染者数を記録し、中国の31の省・直轄市・自治区のうち過半数の16で感染者が確認されました。
2017年の感染者589人、うち死者259人、致死率は40%以上。

【H7N9鳥インフル】世界的な流行のリスク、もっとも高い。 新型インフルエンザ - pelicanmemo (2018-05-09)

 

そのH7N9鳥インフルエンザ(H7N9鳥インフル、H7N9鳥フルとも)
米国連邦政府の保健当局によると、ワクチンや治療法を開発するために必要なウィルスのサンプルを、中国は、米国の当局や研究所からの度重なる要請にも関わらず、1年以上も提供していないそうです。米国のニューヨーク・タイムス紙が、8月27日付けの記事で報じました。

For over a year, the Chinese government has withheld lab samples of a rapidly evolving influenza virus from the United States — specimens needed to develop vaccines and treatments, according to federal health officials.

Despite persistent requests from government officials and research institutions, China has not provided samples of the dangerous virus, a type of bird flu called H7N9. In the past, such exchanges have been mostly routine under rules established by the World Health Organization.

China Has Withheld Samples of a Dangerous Flu Virus - The New York Times (Aug. 27, 2018)

中国拒绝向美国提供H7N9禽流感病毒样本 - 纽约时报中文网
(赤字強調は管理人による)

 

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