pelicanmemo

海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

【中国海警局】 遠隔監視採証装置 | 尖閣諸島沖、これまでもカメラは日本漁船の方を向いていた。

20220512193235八重山日報より)

海上保安庁 第十一管区海上保安本部によると、5月9日朝7時頃、中国海警局に所属する船舶2隻が尖閣諸島の南小島周辺で日本の領海に侵入した。日本漁船1隻に近付こうとする動きをみせた。海上保安庁が漁船の周辺に巡視船を配置して漁船乗員の安全を確保した。

日本漁船は八重山漁協所属の漁船「鶴丸」(9.6㌧)。尖閣諸島沖での漁業活動のため、石垣市議の仲間均氏など3人が乗船していた。中国海警局の船2隻が漁船「鶴丸」が接続水域に入ってから出るまで約36時間追尾したそうだ。

中国海警局の船2隻は「海警1302」と「海警1401」(どちらも機関砲は搭載していない)。10日12時過ぎに約29時間ぶりに領海を出た。

中国船が領海から出る 尖閣周辺に25日連続 | 八重山日報 (2022/5/11)

 

仲間均 石垣市議のツイッターと、八重山日報ほかのマスメディアの記事・動画によると、「海警1302」の船上では中国海警局の船員2人が一眼カメラを構えている姿が写っている。

日本漁船にカメラ構える 中国船、尖閣周辺で執拗に追尾 | 八重山日報 (2022/5/11)

 

仲間均 石垣市議はこれについて「また今回から海警もこちらを撮影してきました」とツイッターで書いていた。これについて少し。

仲間均 on Twitter: "ここしばらく海警は近寄って来ませんでしたが今回は近くまで接近して威嚇してきました。また今回から海警もこちらを撮影してきました。明らかに今までとは違う動きです。… "

 

 

中国海警局など海上法執行組織の船舶には、海上保安庁の巡視船に搭載されている「遠隔監視採証装置」と同じような装置がある。今回も、そのカメラのレンズは「鶴丸」の方を向いている。静止画や動画で撮影していただろう。

次の画像は、仲間均石垣市議が乗った漁船「鶴丸」から撮影した動画のスナップショット画像で、四角い赤枠など書き加えた。「海警1301」の船橋の上に2つある「遠隔監視採証装置」の、特に左舷のレンズが常に漁船の方を向いていることがわかる。

20220512060049

昨年も、中国海警局に船に装備されている遠隔監視採証装置のレンズは日本漁船等の方に向いていたので、これまでも日本漁船などの撮影は行われていただろう。

今回、わざわざ人間が甲板上に出て一眼カメラを構えていたのは、単に船舶の撮影をするだけではない何か特別な理由があったと考えられる。🤔

 

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【アフリカ豚熱】イタリア、ローマ市近郊で初確認 感染地域ゾーニング【ASF, アフリカ豚コレラ】

20220508160841

2022年5月4日、ローマ市の北西にあるインスゲラタ自然保護公園で、イノシシからアフリカ豚熱(ASF、旧称:アフリカ豚コレラ)ウイルスが確認された。

5月6日、ラツィオ州(州都はローマ市)は専門家グループによる報告により、法律に基づいてアフリカ豚熱(ASF)のウイルスを封じ込めるための最初の規制措置を決定した。ニコラ・ジンガレッティ州知事が署名をした。
(注:アフリカ豚熱(ASF)は、イタリア語では"PSA(Peste Suina Africana)" (直訳:アフリカ豚ペスト)と書く。ここでは英語の略語の"ASF(African Swine Fever)"を使用する。)

 

前の記事でも書いたように、ローマの今回のASF発生の確認は、イタリア北西部から中部のローマ市までASFが感染拡大したという意味では無い。イタリア北西部のASF発生地域(ピエモンテ州とリグーリア州(記事公開時点))から400kmも離れている。

【アフリカ豚熱】イタリア、ローマ市近郊で初確認 インスゲラタ自然保護公園で【ASF, アフリカ豚コレラ】 - pelicanmemo (2022-05-07)

 

アフリカ豚熱(ASF)の発生地点を中心にウイルスを封じ込めるための地域のゾーニングが、ローマでも行われる。「暫定感染地域 (zona infetta provvisoria)」が設定され、その外側に緩衝(バッファ)として「注意地域(zona di attenzione)」が設定された。
(「レッドゾーン(zona rossa)」には、「暫定感染地域 (zona infetta provvisoria)」や「感染地域 (zona infetta)」という表現も使われている。)

(イタリア中部、ローマ市と近郊のこの地域のこと↓)

20220508160831

 

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【アフリカ豚熱】イタリア、ローマ市近郊で初確認 インスゲラタ自然保護公園で【ASF, アフリカ豚コレラ】

20220507164040ANSAより)

2022年5月4日、イタリア中部のローマ市近郊で見つかったイノシシの死体(追記5/9:OIE発表によると死体ではなかった)からアフリカ豚熱(ASF、旧称:アフリカ豚コレラ)ウイルスが確認されたと、ラツィオ州動物予防研究所が報告した。1月7日にイタリア北西部で、本土で初めてアフリカ豚熱(ASF)が発見された後に感染エリア外で確認された初の事例となる。

これは、イタリア北西部から中部のローマ市までASFが感染拡大ということでは無い

ここのところ、これまでにも見かけた早合点コメント、勘違いとならないよう注意が必要だろう。

 

アフリカ豚熱(ASF)や豚熱(CSF(旧称:豚コレラ))ウイルスはときどき”ジャンプ”をして、遠く離れた地域で感染イノシシが見つかることがある。ASF(アフリカ豚熱)ではベルギーやイタリア北部での発生例がそうだし、CSF(豚熱)では山口県東部でいきなり確認されたのがそれだ。
(注:アフリカ豚熱(ASF)は、イタリア語では"PSA(Peste Suina Africana)" (直訳:アフリカ豚ペスト)と書く。ここでは英語の略語の"ASF(African Swine Fever)"を使用する。)

Caso di peste suina a Roma nel parco dell'Insugherata - RomaToday (05 maggio 2022)

Peste suina:Commissario,entro domani ordinanza Regione Lazio - ANSA.it (06 maggio 2022)

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今回、アフリカ豚熱(ASF)ウイルス感染のイノシシが発見されたのは、イタリア中部、ラツィオ(Razio)州ローマ(Rome)県、ローマ市北西部に位置するインスゲラタ自然保護公園(Riserva Naturale dell'Insugherata)中心部からわずか10km前後。イタリア北部の感染エリアからは400km以上も離れている。

日本国内に当てはめてみると、例えば九州北部ではじめてアフリカ豚熱(ASF)ウイルスに感染した野生イノシシが発見されたとしてそれから約4ヶ月、その限られた地域だけで感染例が確認されているときに、いきなり京都市で嵐山の山中で見つかったイノシシからウイルスが確認、とそんな感じだろう。

 

アフリカ豚熱(ASF)ウイルスは、ソーセージやハムなど豚肉加工品で数ヶ月も感染性を残したまま存在している。今回のローマの自然保護公園のケースは、観光客が散策やレジャー、キャンプの時に持ち込んだ食べ物の豚肉加工品がウイルスに汚染されていて、その食べ残しを園内に捨てたり埋めてしまったことが原因で、イノシシが食べて感染したのかもしれない。

400km以上もの距離を感染イノシシは移動出来ない、豚が空を飛んだならともかくとして。🐷

 

【アフリカ豚熱】イタリア、北西部で野生イノシシから確認 本土でのASF発生は初めて【ASF, アフリカ豚コレラ】 - pelicanmemo(2022-02-03)

アフリカ豚熱(アフリカ豚コレラ)カテゴリーの記事 - pelicanmemo

 

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「ロシアが、スターリンク衛星の破壊を指示」はフェイク・ニュース → ...からの、メドベージェフ氏「時期尚早だけど、要望があれば検討するよ😂」

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ロシアの前大統領、安全保障会議の副議長ドミートリー・メドヴェージェフ氏が、ロシア海軍黒海艦隊旗艦「モスクワ」がウクライナ軍の対艦ミサイルで被弾したのは、イーロン・マスク氏(SpaceX社)のスターリンク衛星を使用していたからだとして「スターリンク衛星の破壊を指示した」、が話題となっています。

 

この情報は、URL偽装をした偽サイトによるフェイク・ニュースです。そこは与党「統一ロシア党」の公式サイトの内容やデザインをほとんど完全にコピーしていました。

 

統一ロシア党は公式サイトやSNSで、党の公式サイトのURLは"er-gosduma.ru"であり正常に機能している(ハッキングを受けたのでは無い)事と、偽サイトのURL"www.er-duma.ru"は党とは何の関係も無くIPアドレスは米国で登録されているとの声明を発表。ロシア連邦通信・情報技術・マスコミ分野監督庁(Roskomnadzor)に対して偽サイトをブロックするよう求めています。

Единая Россия. Официально
⚡️Фракция Единой России обратилась в Роскомнадзор с просьбой заблокировать фейковый сайт фракции
Информация на нём вводит в заблуждение читателей и не относится к официальной позиции фракции и партии в целом, а также содержит информацию, которая дискредитирует вооружённые силы РФ. IP адрес сайта зарегистрирован в США.
Напоминаем нашим читателям, что официальный сайт фракции Единой России – er-gosduma.ru
Единая Россия. Официально - Telegram

 

この話題、「フェイク・ニュースでした」では終わらず、続きがあります😂。ドミトリー・メドヴェージェフ氏はこのフェイク・ニュースに関して、自身のTelegramでコメントをしています。

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「チェルノブイリの”赤い森”」で塹壕を掘ったロシア軍は、1985年の地図を使っていた? → それ、首都キーウの地図です。

ウクライナのチョルノービリ(チェルノブイリ)原子力発電所の立入禁止区域の中でも特に放射線値が高い”赤い森”で、原発と周辺施設を占領していたロシア軍が塹壕を掘って陣地構築をしていたことが、ウクライナの原子力規制当局やIAEA(国際原子力機関)によって確認がされました。

 

ロシア軍がなぜそんなアホなことをしていたのか? 「ロシア軍は原発事故の前の、1985年の地図を使っていたからだ」という地図とテキストがツイッターSNSで話題になっています。これについて写真で検証しつつ、元ネタは誰かなど少し。
(注:この記事では「チェルノブイリ原発」やその事故に関わる部分では、ウクライナ語読みのチョルノービリではなくチェルノブイリと書きます。)

20220414202530

 

まず、それは首都キーウ(キエフ)市の地図です。

 

20220414201743(Google Earth)

GoogleEarth地図のキーウ市とその北部の地域で、だいたいこの赤い四角で囲った範囲。チェルノブイリ原発はずっと北にあります(キーウ中心部から100kmちょっと北。日本だと、東京都心から前橋/宇都宮/水戸くらいの距離)

 

もし、ツイッターでこの地図画像を見て「これがチェルノブイリ原発と周辺の、1985年の地図なんだ」「この地図を元にして”赤い森”で塹壕を掘ったのか・・・」と思った方がおられましたらそれは勘違いです。苦情はあなたを勘違いさせた、そういった書き方をしていた発信主へどうぞ。

 

仮に、ロシア軍が首都キーウ(キエフ)市の1985年の地図を持っていたとしても、この地図1枚だけを根拠として「”赤い森”で塹壕を掘ったのは、チェルノブイリ原発爆発事故(1986年)よりも前の1985年の地図を使っていたから(地図に放射能汚染地域の記載が無かったから)」と断定は出来ません。

むしろ「ロシア軍が首都キーウ(キエフ)の攻略に失敗したのは、1985年の地図を使っていたからだ」と言った方が、ずっと気が利いているのではないでしょうか。🙂

 

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