ウクライナへのロシア連邦の軍隊侵攻では、「大量虐殺を止める」「核兵器開発」という一方的な主張による「非軍事化」「非ナチ化」「中立化」のためという口実で侵略を開始している。さらに化学兵器や生物兵器も持ち出してきており、偽旗作戦(フェイク・フラッグ)の下準備とも見られている。
その中に、米国国防総省(ペンタゴン)が出資しているウクライナの生物学研究所で生物兵器が製造されてきた、ロシア軍に押収される前に病原体サンプルを無毒化して証拠隠蔽した、鳥インフルエンザをロシアへ広めるため渡り鳥の研究をしていた、等々々々がある。
これらに対していちいち「フェイクだ」「陰謀論だ」と書いていくときりがない。BBCの記事がよくまとまっていて詳しいのでそちらを読んでみてほしい。
【解説】 「ウクライナは生物兵器を開発している」 ロシアの主張をファクトチェック - BBCニュース
その中に、あまり話題になっていないけれども、アフリカ豚熱(ASF、旧称:アフリカ豚コレラ)に関してロシア軍は大胆な”仮説”を発表している。
ロシアや東欧から西欧の国やアジアで感染拡大が続いているアフリカ豚熱(ASF、旧称:アフリカ豚コレラ)は、2007年にジョージア(当時はグルジア)の首都トビリシにある米国国防総省が関係する生物学研究所から流出したものだというものだ。これまでの科学的な研究結果を覆す仮説だ。はっきりと「デマ」と書こう。これについて少し。
この発表をしたのは、”ロシアの高官”や”クレムリン(大統領府)の関係者”といった匿名の誰かではなく、ロシア連邦軍のNBC(核・生物・化学)兵器に対処する専門部隊である”放射線・化学的・生物学的防衛部隊”(以下、”RCB防衛部隊”)(*1)の責任者イゴール・キリロフ中将。公式ブリーフィングで発表した。
YouTubeのロシア国防省公式チャンネルで、英語字幕付きで動画が公開されている。
Брифинг начальника войск РХБ защиты ВС РФ - YouTube(ロシア連邦軍のRCB防衛部隊長によるブリーフィング-YouTube
タス通信の記事が詳しい。
Минобороны РФ: биолаборатории в Харькове, Полтаве и Львове работали с чумой и дизентерией - ТАСС (2022-03-07)
(*1) ロシア連邦軍の”放射線・化学的・生物学的防衛部隊”(Войска́ радиацио́нной, хими́ческой и биологи́ческой защи́ты (Войска РХБ защиты))。英訳”Radiation, chemical and biological protection troops”なので”RCB防衛部隊”。
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