(ANSAより)
2022年5月4日、イタリア中部のローマ市近郊で見つかったイノシシの死体(追記5/9:OIE発表によると死体ではなかった)からアフリカ豚熱(ASF、旧称:アフリカ豚コレラ)ウイルスが確認されたと、ラツィオ州動物予防研究所が報告した。1月7日にイタリア北西部で、本土で初めてアフリカ豚熱(ASF)が発見された後に感染エリア外で確認された初の事例となる。
これは、イタリア北西部から中部のローマ市までASFが感染拡大ということでは無い。
ここのところ、これまでにも見かけた早合点コメント、勘違いとならないよう注意が必要だろう。
アフリカ豚熱(ASF)や豚熱(CSF(旧称:豚コレラ))ウイルスはときどき”ジャンプ”をして、遠く離れた地域で感染イノシシが見つかることがある。ASF(アフリカ豚熱)ではベルギーやイタリア北部での発生例がそうだし、CSF(豚熱)では山口県東部でいきなり確認されたのがそれだ。
(注:アフリカ豚熱(ASF)は、イタリア語では"PSA(Peste Suina Africana)" (直訳:アフリカ豚ペスト)と書く。ここでは英語の略語の"ASF(African Swine Fever)"を使用する。)
Caso di peste suina a Roma nel parco dell'Insugherata - RomaToday (05 maggio 2022)
Peste suina:Commissario,entro domani ordinanza Regione Lazio - ANSA.it (06 maggio 2022)
今回、アフリカ豚熱(ASF)ウイルス感染のイノシシが発見されたのは、イタリア中部、ラツィオ(Razio)州ローマ(Rome)県、ローマ市北西部に位置するインスゲラタ自然保護公園(Riserva Naturale dell'Insugherata)。市中心部からわずか10km前後。イタリア北部の感染エリアからは400km以上も離れている。
日本国内に当てはめてみると、例えば九州北部ではじめてアフリカ豚熱(ASF)ウイルスに感染した野生イノシシが発見されたとしてそれから約4ヶ月、その限られた地域だけで感染例が確認されているときに、いきなり京都市で嵐山の山中で見つかったイノシシからウイルスが確認、とそんな感じだろう。
アフリカ豚熱(ASF)ウイルスは、ソーセージやハムなど豚肉加工品で数ヶ月も感染性を残したまま存在している。今回のローマの自然保護公園のケースは、観光客が散策やレジャー、キャンプの時に持ち込んだ食べ物の豚肉加工品がウイルスに汚染されていて、その食べ残しを園内に捨てたり埋めてしまったことが原因で、イノシシが食べて感染したのかもしれない。
400km以上もの距離を感染イノシシは移動出来ない、豚が空を飛んだならともかくとして。🐷
【アフリカ豚熱】イタリア、北西部で野生イノシシから確認 本土でのASF発生は初めて【ASF, アフリカ豚コレラ】 - pelicanmemo(2022-02-03)
アフリカ豚熱(アフリカ豚コレラ)カテゴリーの記事 - pelicanmemo
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(IZSUMより)
イタリアでは、今年(2022年)1月にアフリカ豚熱(ASF)に感染したイノシシが報告された後、保健省が蔓延を抑制するための緊急措置や、蔓延の防止措置を発表した。アフリカ豚熱(ASF)発生が確認された時の、隔離など初期対応は欧州連合(EU)によって定められている。
今回のASFウイルス確認をうけて、ローマ県やラツィオ州での封鎖地域の境界を定め、アフリカ豚熱(ASF)ウイルスが確認された地域をゾーニングし「感染地域(Area Infecta)」と「緩衝地帯(Buffer)」の設定が行われるだろう。
--(追記:5/8)--------------------
ゾーニングに関して発表された。
【アフリカ豚熱】イタリア、ローマ市近郊で初確認 感染地域ゾーニング【ASF, アフリカ豚コレラ】 - pelicanmemo (2022-05-08)
--(追記ここまで)------------------
インスゲラタ自然保護区(Riserva naturale dell'Insugherata)は総面積740ha(7.4平方km)の、ローマの自然保護団体によって管理されている自然保護地域。住宅地域が隣接している、郊外レジャーも盛んな自然公園のようだ。
ここを「感染地域」と指定してウイルス拡散を防ぐための封鎖と立ち入り禁止措置が行われるのは当然として、首都近郊だけにどこまで行動制限が設定できるのか、徹底できるのか気になるところだ。
Riserva naturale dell'Insugherata - Wikipedia
北部のピエモンテ州とリグーリア州ではASFに関連して、封鎖地域での、野生イノシシと直接的あるいは間接的な接触をする可能性があるあらゆる種類の狩猟活動と全ての野外活動(きのこやトリュフの採取、トレッキング、マウンテンバイク、釣り、等々)が禁止された。
(~2022/01/27)
(izsplv 動物予防研究所の資料をもとに日本語の補足等を書き加えた)
↓
イタリア本土ではじめてアフリカ豚熱(ASF)が確認されたピエモンテ州とリグーリア州では、両州にまたがる「感染地域(Area Infecta)」の内側で5月5日までに144頭のイノシシからASF発生が確認された。感染地域の外側に設定された「緩衝地帯(Buffer)」では発生例は無い。
検査数と陽性率が分からないけれども、急増や急拡大というわけではなく、徐々にASF陽性の確認例が増えている状態だ。
Peste suina:Commissario,entro domani ordinanza Regione Lazio - Sanità - ANSA.it (06 maggio 2022)
Caso di peste suina a Roma nel parco dell'Insugherata (05 maggio 2022)
Peste suina Roma, scoperto il primo caso al parco dell'Insugherata (05 maggio 2022)
Riserva naturale dell'Insugherata - Wikipedia
Riserva Naturale Dell'Insugherata -Romanatura