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海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

【アフリカ豚熱】スウェーデンではじめて確認。【ASF, アフリカ豚コレラ】

 

スウェーデンで9月6日に、アフリカ豚熱(ASF、旧称:アフリカ豚コレラ)ウイルスが野生イノシシの死骸ではじめて確認されてから1ヶ月が経過した。

これまでにASF陽性が確認されたのは死骸や捕獲された野生イノシシ49頭で、最初の陽性サンプルが見つかったところから半径2.5kmの狭い地域に限定されている。

 

国立獣医学研究所(SVA)は、アフリカ豚熱(ASF)(スウェーデン語:Afrikansk svinpest )ウイルスの陽性と確定した翌日の9月7日に約1000平方キロメートルの「感染地域 (smittade zon)」を指定した(次の地図の赤い線で囲った地域)。今のところ、ASF陽性が確認されたのはこの「感染地域」のごく一部の狭い範囲だ。

20231013194723(SVAより)

 

最初の1ヶ月は感染がどの程度まで拡がっているか特定することに重点が置かれ、大勢のハンターらによって森林や丘陵地〜低地などで野生イノシシの死骸の捜索が行われてきた。

SVAの伝染病学者カール・ストール氏は、感染拡大の全体像がさらに明確になった、感染した野生イノシシはすべてごく限られた地域内で発見されていることは防除作業を成功させるための良い条件になっている。また同時に「私たちは歓迎されないサプライズにも備えている」(感染地域の外で、突然に陽性サンプルが発見されることだろう)と述べている。

感染拡大の全体像が特定されたので、ウイルスの封じ込め対策を本格的に開始できるようになった。10月11日に、国立獣医学研究所(SVA)は感染地域と周辺の自治体を「監視地域 (övervakningsområdet)」に指定した(上の地図のメッシュで指定された自治体)。
南東の自治体へも広く設定されているのは、感染地域の中を流れている河川の流域を、感染イノシシの死骸や残骸などが移動する危険性を考慮しているからだろう。

 

Afrikansk svinpest på vildsvin utanför Fagersta - SVA (2023-09-06)

En månad efter utbrottet: fortsatt uthållighet avgörande i bekämpningen av afrikansk svinpest - SVA

スウェーデン国内のイノシシにアフリカ豚熱が発生(EU)|農畜産業振興機構

 

【アフリカ豚熱】イタリアでの流行、その後(〜2023年9月)|サイゼリヤで生ハムメニューが復活【ASF, アフリカ豚コレラ】 - pelicanmemo (2023-10-12)

 アフリカ豚熱(アフリカ豚コレラ)のカテゴリーの記事一覧 - pelicanmemo

 

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20231012194204(Svensk Jaktより)

 

スウェーデンでは8月25日から、南部のヴェストマンランド郡(Västmanlands län)ファゲルスタ市(Fagersta kommun)の近くでイノシシの死骸7頭分が発見された。国立獣医学研究所(SVA(Statens Veterinärmedicinska Anstalt))は9月6日、イノシシの死骸からアフリカ豚熱(ASF、旧称:アフリカ豚コレラ)ウイルス陽性が確認されたことを発表した(後に7頭すべてのサンプルで陽性が確認された)。

スウェーデンでアフリカ豚熱(ASF)が発生したのははじめて。

 

最も近いASF発生地域はバルト海をはさんだエストニアなので、直線距離で約440kmもはなれている。もちろんASF感染したイノシシや豚が泳いだり飛んだりして渡れる距離では無い。

 

アフリカ豚熱(ASF)ウイルスがEU域内へ侵入した後、野生イノシシの個体群で感染が拡がる速度は1ヶ月に1〜2kmだが、時々、数百km離れた地域で陽性が確認される、”ジャンプ”する例が数回起こっている。

東アジアや東南アジアでのASF発生と感染拡大の例では、ASFウイルスは比較的に近い隣国から隣国へと徐々に拡大した例が多かったが・・・、欧州ではASFウイルスが国境もアルプス山脈もまたいで”ジャンプ”をして感染拡大するケースが目につく。EU域内の移動の自由によって人や車などの移動に対して「検疫」という安全保障の対応が薄くなりがちな人間社会の環境が影響していると思われる。

 

 

国立獣医学研究所(SVA)は、9月7日に約1000平方キロメートルの「感染地域 (smittade zon)」を指定した(次の地図の赤い線で囲った地域)。

20231013194735SVAより、10月12日時点)

9月8日、スウェーデン農業庁はファゲルスタ市に作戦指揮センターを設置。行政当局や地域コミュニティ、狩猟協会などと連携して感染拡大の状況を把握するための戦略がたてられた。

9月11日、スウェーデン農業庁は予防策として「感染地域」内のすべたの家畜の豚の殺処分することを決定。レンダリング処理装置で焼却され無害化処理される。

9月21日、スウェーデン農業委員会は、感染地帯のコアエリアを柵(フェンス)で囲うことを決定した。
「感染地域」はファゲルスタ市の市街地も含むので、柵で囲うコアエリアはもう少し複雑に設定されるだろう。柵は主に電気柵となるようだ。管理とメンテは運輸庁なので、道路沿いに設置するのかもしれない。

積雪で柵が埋もれてしまうのが心配だが、当然そこも考えて対応するだろう。

10月11日、感染地域と周辺の自治体を「監視地域 (övervakningsområdet)」に指定した。

 

 

20231013194739SVAより、10月12日時点)
(赤いマークが陽性、四角いマークが陰性)

10月12日までに、野生イノシシの検査でアフリカ豚熱(ASF)陽性の結果が出たのはファゲルスタ市の「感染地域」の内側の狭い地域だけで、スウェーデンのその他の地域では確認されていない。

検査された地域が南部ばかりなのは、まず、ASFウイルスがどこからスウェーデン国内へ、ファゲルスタ市近郊へと移動してきたのか調べているからだろう。

 

Afrikansk svinpest på vildsvin utanför Fagersta - SVA (2023-09-06)

Konstaterat fall av afrikansk svinpest i Sverige - Regeringen.se

African swine fever in wild boar outside Fagersta, Sweden - SVA (2023-09-07)

SVA: Afrikansk svinpest hittad hos vildsvin i Sverige | Svensk Jakt (2023-09-06)

スウェーデン国内のイノシシにアフリカ豚熱が発生(EU)|農畜産業振興機構

 

ASF Sweden: Infection rate in wild boar rises slowly to 49 - Pig Progress

Uppdatering ASF 11/10: förstärkt övervakning - SVA 

En månad sedan utbrottet av afrikansk svinpest - fortsätt hålla i och hålla ut!

 

Jordbruksverket: Kärnområdet ska stängslas in - Jordbruksaktuellt

Beslut om att kärnområdet ska stängslas in | Jordbruksverket

Vi hjälper Jordbruksverket att stängsla in kärnområdet för afrikansk svinpest - www.trafikverket.se

 

アフリカ豚熱(ASF)(Afrikansk svinpest )

Om övervakningen av afrikansk svinpest (ASF) - SVA

Afrikansk svinpest - Jordbruksverket.se (スウェーデン農業委員会)

Afrikansk svinpest på vildsvin utanför Fagersta | Länsstyrelsen Västmanland

(ヴェストマンランド郡)

Afrikansk svinpest (ファルゲスタ市)

 

SVA: Friska djur - trygga människor - SVA 

Fagersta kommun – Wikipedia