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海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

【アフリカ豚コレラ】 中国で2億頭が感染?殺処分? 勘違いとデマ、フェイク | ニュースを読み解くのに使える"数字"

 20190608192213
(via. blooberg)

中国で、2018年8月に、アジアではじめて発生が報告されたアフリカ豚コレラ(African Swine Fever, ASF)。

2019年4月下旬の公式発表によると、約112万頭が病死および殺処分、屠殺(と殺)が行われた(非公式では、5月中旬までに112.9万頭以上。これが、中国の農業農村部による公式発表。

 

中国の統計データというと、その信頼性に疑問符がついてくる(GDP成長率と「李克強指数」の例とか)。この112万頭という数字を、完全に正しくて透明性が高い数字だと信じる人は多くはないだろう。

 

そんな中、オランダの金融機関ラボバンクが、中国で、2019年末までに2億頭が屠畜され、豚肉生産量が30%減少するかもしれないという予測の分析レポートを発表した。この「2億頭」という数字がひとり歩きをしている。

この「2億頭という数字だけ」が勘違いされ、ひとり歩きしてデマを誘発し、さらにフェイクを拡散する人も出てきている。

・(デマ, FAKE)中国で、2億頭が、アフリカ豚コレラに感染した。
・(デマ, FAKE)中国で、2億頭が、アフリカ豚コレラで殺処分された。

・(デマ, FAKE)中国で飼育されている豚(4億〜4.3億頭)の半分が、アフリカ豚コレラに感染した。 

・中国で、2億頭が、2019年末までに、アフリカ豚コレラに感染して殺処分されるだろう。(デマ, FAKEとなる可能性が非常に高い)

・中国で、2億頭が、2019年末までに、アフリカ豚コレラの影響で屠殺されるだろう。(文脈次第で、セーフ😊)

 

米国の大手メディアの中にも(どことは書かないけど😊)、デマ、フェイクニュースや、ミスリーティングをもたらすような記事を書いているところもあるので、無批判に信じてしまったのかもしれない。
(もちろん、慎重に表現を選んでいて、適切な内容の記事も見かける。(日本語メディアの記事も含む)(その記者さんの力量だろう)

 

まず、基本的な数字。😊

ここを知らないか取り違えている人は、その後の勘違いが酷くなる傾向にあるようだ。

(1)中国では、4億頭〜4.3億頭の豚が飼育されている。

(2)中国では、1年間に約7億頭(2018年)の豚が、屠畜され出荷されている。

 

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【アフリカ豚コレラ】 中国の豚、1.5億〜2億頭、減少?|"豚肉危機"、世界へ影響 - pelicanmemo 

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【アフリカ豚コレラ】 北朝鮮、発生している可能性が高い地域 【地図】 | 全国広くに拡大したか(追記 11/28)

20191029122158(地図更新 2019/10/29)

20190605123426(2019/06/05の最初の地図)

5月30日、北朝鮮の北部、中国との国境に近い慈江道のウ時郡の北上共同農場で、アフリカ豚コレラが発生したと国際獣疫事務局(OIE)が発表した。

 

--(追記 9/24:)--------------------

韓国、9月24日の国会情報委員会で、国家情報院のソ・フン院長は「平安北道の豚が全滅した」「7月以降の多くの地域で継続的にASFが発症している」と述べた。(詳しくは、記事末尾に追記)

--(追記ここまで)------------------

追記 11/28:北朝鮮当局が、ASF感染した豚を回収した後、埋没処分せずに冷凍倉庫に保管していると伝えられた)

 

公式発表は、今のところ、この1件だけ。しかし、数カ月前から、北朝鮮情勢に強い外国メディアや韓国の農業や畜産の専門ニュースメディアが、北朝鮮国内の協力者の話として、各地で、豚の大量死や、当局による市場での豚肉の販売や流通が禁止や規制されていると伝えてきた。

北朝鮮の地図上に、それらの地域をプロットしてみた。(*1)

× 印は、アフリカ豚コレラ(ASF)の発生が、公式に発表された地域。
印は、ASFが発生したという噂がある、豚がたくさん死亡した、当局によって市場での豚肉の販売や流通が規制された、等、が伝えられた地域。
印は、「〜で発生しているらしい」の様に不明瞭な表現で、地名が上がっていた地域。

 

地図中で赤い楕円で図示した、新義州市と平安北道、平安南道の西部から首都の平壌(ピョンヤン)市と周辺にかけて、アフリカ豚コレラ(ASF)が発生している可能性が高そうだ。

中朝友好橋を通って鴨緑江を渡り、ASFウイルスが北朝鮮に入り込んだのだろうか。

中国から輸入された豚や運搬車などが、ASFウイルスに汚染されていて、大消費地であるピョンヤン市にまで輸送、消費され、その残飯や食品残さが養豚のエサとなって感染拡大した、というシナリオが分かりやすい。

北朝鮮国内で感染した豚が、屠畜されることでさらに拡大するだろう。野生のイノシシに拡がっていても不思議はない。

 

 

 (*1) 北朝鮮国内の情報提供者の居る地域や、行動範囲にもよるので、全国を木目細かく網羅はしてはいないだろう。
中国–北朝鮮の交通の要衝である新義州(シニジュ)や、首都の平壌(ピョンヤン)市と周辺地域は、情報が集まりやく、特に確認がしやすいだろう。
〜では発生していないという情報もある。

【アフリカ豚コレラ】 「北朝鮮で ASFが 発生したことを100%確信」北朝鮮の畜産の専門家 | 平壌市の北で流行か?(追記あり x4) - pelicanmemo (2019-04-18)

【アフリカ豚コレラ】 北朝鮮で発生 国際獣疫事務局(OIE)から公式発表 - pelicanmemo (2019-05-31)

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映画「空母いぶき」|東亜連邦とカレドルフと建国の歴史に関する一考察

20190601180328(映画パンフレットより)

映画「空母 いぶき」。

ネット・SNSでは、いろいろと言われているようですが、面白かった。

でも、当ブログ管理人、小説やマンガを原作にした映画化、しかも実写映画化であまり良い思い出はありません。
原作が持っていた深い意味はまったく消えて、ラブ・ストーリーに終始したり、戦闘シーンだけがウリになったり、俳優の名前だけで客を集めようとしていたり...(ヤレヤレ

「空母いぶき」も原作マンガを読んでいるので、実写映画化に対して最初っから原作通りの演出や舞台は期待してはいませんでした。

むしろ、原作のどこを伸ばしてどこを削ってどう魅せようとしているかを楽しみにしていた。

 

その中で、最大の謎が「東亜連邦」「島嶼国家・カレドルフ」。

映画、パンフレット、ボイスドラマの情報をもとにして、これらについて少し。

 

ブログ記事のこの先、映画「空母いぶき」のストーリーのネタバレはしていませんが、背景の解釈も含めて何も見聞きしたくない人は、見られないようおすすめします。😊

 

 

 

いてまえ!

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【アフリカ豚コレラ】 北朝鮮で発生 国際獣疫事務局(OIE)から公式発表 (追記 10/24)

20190531050721

国際獣疫事務局(OIE)は、5月30日、北朝鮮の北部に位置する慈江道のウ時郡の北上共同農場で、アフリカ豚コレラが発生と発表した。
共同農場で飼育されていた99頭のうち、発症77頭、病死77頭。残り22頭も殺処分。発生は5月23日で、25日にASFと確定し、30日に農業省獣医防疫局からOIEに対して報告された。

いまのところ、北朝鮮メディアからの報道は無いようだ。

African swine fever, Korea (Dem. People's Rep.) | Information received on 30/05/2019 from Mr Ri Kyong Gun, Director of the Veterinary and, Ministry of Agriculture, Anti-Epizootic Department, PYONGYANG, Korea (Dem. People's Rep.) - OIE

 (追記 9/24:韓国、国家情報院のソ・フン院長は「平安北道の豚が全滅した」「7月以降の多くの地域で継続的にASFが発症している」と述べた。)

追記 10/10 : 「6~7月にはすでに平壌近くの黄海道、開城市まで豚熱が流入した」「韓国との国境地域の軍部隊の兵舎で、残飯をエサにして飼育する豚も感染していると推定される」詳しくは記事末尾に追記

 

北朝鮮でのアフリカ豚コレラ(ASF)の発生が、公式に明らかにされたのはこれがはじめて。
しかし、今年2月頃から発生していて、豚の大量死があり、当局から豚肉の流通と販売が全面禁止されているとも伝えられた。イノシシから飼育豚へと感染拡大したとも言われている。

 

今回の例ははじめての公式発表だが、北朝鮮でのはじめてのASF発生例では無いだろう。

 

【アフリカ豚コレラ】 北朝鮮、発生している可能性が高い地域 【地図】 | 全国広くに拡大したか(追記 あり) - pelicanmemo

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【中国海警局】 日本の漁船を追いかけて、領海へ侵入か? | 領海侵入がわずか10分間?

 5月24日、中国海警局の公船4隻のうち2隻が、尖閣諸島の南小島の沖合で日本の領海に侵入した。

25日までに、中国海警局の公船が、接続水域と領海を航行した日数は連続44日間、これまでの最長を記録した。

常態化してしまっている(残念ながら)日本の領海への侵入と、航行は2時間くらい続く事が多いが、今回の24日の航行は10分間程度(NHK報道)、または1時間?(FNN報道)と短かった。

しかも、これまでのパターンと違い、中国海警局の公式微博からの発表は無い。

海上保安本部によりますと、日本の領海のすぐ外側にある接続水域を航行していた中国海警局の船4隻のうち2隻が、24日午前9時ごろ尖閣諸島の南小島の沖合で日本の領海に侵入しました。

2隻は領海内を10分間ほど航行したあと領海を出たということです。

中国当局の船 43日連続で尖閣沖接続水域に 過去最長と並ぶ | NHKニュース (2019年5月24日)

 

中国は、尖閣諸島の日本の領海侵入について、国家海洋局の公式サイトでの発表を行っていた。中央軍事委員会の指揮下にある人民武装警察部隊(武警)に隷属して海警総隊(中国海警局)となってからは、中国海警の公式微博での発表を行っている。

これまでに、日本の領海への侵入を行いながら(日本での発表と報道がありながら)、公表が行われなかったケースは無かったと思う。

予定にはない、突発的な、現場での対応だったのかもしれない。

 

ちょうど、5月23日から24日にかけて、「尖閣諸島を守る会」代表世話人の仲間均石垣市議らが、漁船「高洲丸」に乗って、尖閣諸島の周辺の海域で漁をしていた。

中国公船が漁船を追尾 仲間氏「尖閣取りに」と危機感 2隻の領海侵入も - 八重山日報 

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