新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の陽性患者の検体から、英国型や南アフリカ型、ブラジル型、さらに日本国内で変異した可能性がある変異株の事例が増えている。
新型コロナの陽性と分かった感染者の検体から、5~10%の数でスクリーニング検査を行って、そこからさらに変異株PCR検査を経て確定できたものだけなので、発表と報道されるのは氷山の一角にすぎない。
国立感染症研究所(NIID)からの第7報(3月9日発表)によると、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の遺伝子解析は国内症例全体の約5.8%について行われた(国内で26111検体、空港検疫で817検体(2021/3/3現在)、註:患者報告から検体輸送やゲノム情報解析まで数週間かかるため、解析割合としては過少評価である。)。
厚生労働省の3月10日発表によると、空港検疫74件、新型コロナウイルスの変異株の国内事例271件(英国型260、南アフリカ型8、ブラジル型3)の合計345件が確認された。
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変異株の発表は、国立感染症研究所による検査で変異株と確定した事例だけだったが、3月8日から自治体のPCR検査で陽性と判明した時点で確定とする変更が行われた。
その他に、日本国内で変異した可能性がある変異株(感染性に影響のあるN501Y変異を有さないが、免疫に影響を与える可能性があるE484K変異を有するR.1系統)が、空港検疫で2件と関東を中心とした全国で394件検出されている(2021/03/03現在)
この変異株は、国立感染症研究所(NIID)からのレポートと神戸市の発表で出ていたが、厚労省が発表する新型コロナウイルス感染者の統計データでは未だ含まれてはいない。
もしかしたら、ある日突然にこの変異株も厚労省発表に含める事が決まって、いきなり数字が倍増して、マスメディアが「変異ウイルス感染者が倍増!」と煽るような記事が出るのかもしれない。続報を待ちたい。
新型コロナウイルス感染症(変異株)の患者等の発生について - 厚生労働省(2021年3月10日(水)掲載)
感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の新規変異株について (第7報) - 国立感染症研究所(2021年3月3日14:00時点)
閑話休題、
新型コロナ変異株について、具体的な感染事例が発表されることは非常に少ない。特に初期はそうだった。しかし、陽性者の6割の検体の変異株PCR検査(厚労省の推奨は5~10%)を行う神戸市や、独自に具体的な発表を行う自治体が出てきている。
2月中旬から発生した、すでに「封じ込めや囲い込みが終了している」と市や県が発表している、愛媛県今治市の造船会社などの変異株クラスターについて、個人的まとめ。
3月12日発表までで、変異株と確定あるいは”みなし変異株”の陽性者は26人となった。
当アカ中の人は、この変異株クラスターについてあまり心配はしていない。自治体は充分な対応と情報公開をしている。
その後の発表や報道をよく見ていると、感染拡大はほぼ沈静化しているようだ。まだ10日~2週間は経っていないし無症状の感染者が把握されていない可能性もあるので、油断は禁物だが。
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