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海上保安庁、排水量約1万トンの巡視船4隻目を配備 - 中国メディア

20210227162638産経フォトより)

2月26日、海上保安庁第十管区海上保安本部(鹿児島)に所属するヘリコプター搭載型巡視船「PLH-34 あかつき」が鹿児島湾に初入港した。

「PLH-34 あかつき」はれいめい型巡視船の2番船。海上保安体制強化に関する方針に基づき平成28年度第2次補正予算で3隻の建造が決まった。尖閣諸島周辺の警備を強化し大規模災害などにも対応するため、同型1番船「PLH-33 れいめい」に続いて鹿児島海上保安部に配属された。

 

れいめい型巡視船は公称船型”6500トン型”なので、海上保安庁からの公式発表とそれを元にした報道では「総トン数6500トン」と書かれる。
しかし、れいめい型巡視船は、”6500トン型”「PLH-31 しきしま」「PLH-32 あきつしま」を元に発展させた設計であり総トン数約7300トンと考えられている。
さらに米国海軍協会(USNI)の見積もりによると「しきしま」の満載排水量は約9350トンであり、9500トンクラス巡視船(9,500-ton Shikishima-class cutters)とも言われている(*1)

参考:4隻の大きさはほぼ同じ。
れいめい型巡視船 :全長 150.0m・全幅 17.0m・深さ9.0m
PLH-32 あきつしま:全長 150.0m・全幅 17.0m・深さ9.0m
PLH-31 しきしま :全長 150.0m・全幅 16.5m・深さ 9.0m

 

中国メディアでも、日本の海上保安庁の排水量約1万トンの巡視船という表現が出てきている。満載排水量9500トンクラスなので約1万トンということだ。

この表現って微博や微信のSNSネット上での専門的な文章では使われていたんだけど、大手メディアの記事でも見かけるようになった。
日本の”脅威”を喧伝するために使われはじめるのかもしれない。

日本の海上保安庁はアジア地区で最も強力な沿岸警備隊の1つであり、所属人員は13000人以上、船艇は360隻余りでそのうち1000トン以上の巡視船は67隻、4隻の満載排水量1万トン近くのヘリ搭載型巡視船と80機以上の固定翼機およびヘリコプターをもつ。

日本海上保安厅是亚洲地区实力最强的海岸警备队伍之一,各类人员超过1.3万人,船艇超过360余艘,其中1000吨以上巡逻船67艘,包括4艘满载排水量近万吨的直升机巡视船,固定翼飞机和直升机数量超过80余架。

美日巡逻船举行联合演习,两国“第二海军”加强联合有何意图 - 澎湃新闻-The Paper (2021-02-24)

 

【中国海警局】 排水量12000トン「海警2901」 vs. 排水量6500トン「しきしま型」巡視船、という数字のトリック - pelicanmemo (2020-05-17)

中国海警局 カテゴリーの記事一覧 - pelicanmemo

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記事では、米国の沿岸警備隊と日本の海上保安庁を”第二海軍(第二海军)”とタイトルと本文で書き、先日、小笠原諸島沖で合同演習を行った「USCGC Kimball (WMSL-756)」と「PLH-32 あきつしま」を”準軍艦(准军舰)”とも書いている。

外国メディア(中国から見て)の報道で「中国海警局は”第二海軍”」と書かれていることから、こう書いてきたのだろう。組織とか法律とか軍事命令系統とか警察権とかいったこまかいところは無視して、おおざっぱなイメージを作ろうとしているようだ。

ちなみにこの記事では、日本と米国の海上法執行組織と両国の協力強化から、西太平洋、南シナ海と東シナ海の地域への影響の分析が主であり、中国海警局の組織や所属する大型船との比較はしていない。

 

中国のメディアでは、記事で使われる数字が次第に誇張されていくことがときどきある。

もし中国側がこれから日本側の対応を”脅威”として世論を作ろうとするなら、海上保安庁に「排水量1万トンの巡視船」が増えていくだろう。(苦笑) 😅

まさかと思うけど、しゅんこう型PLH(総トン数”6000トン型”)も「排水量1万トンの巡視船」と言い出したりして…😆

 

(*1)『中国の海洋強国戦略:グレーゾーン作戦と展開』アンドリュー・S・エリクソン, ライアン・D・マーティンソン [編]、五味 睦佳[訳] , p.144 (www.andrewerickson.com)

中国の海洋強国戦略:グレーゾーン作戦と展開

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  • 発売日: 2020/03/19
  • メディア: 単行本
 

 

对于美海岸警卫队参与中国周边海域的警戒巡逻,此前中国国防部曾回应称,当前,东海、南海形势总体稳定。事实证明,域内国家有意愿、有信心、有能力妥处分歧、维护和平、促进发展。某些域外国家不断花样翻新,强化前沿军事存在,推进地区“军事化”,不仅损害沿岸国安全利益,也不利于地区和平稳定,中方对此坚决反对。
针对此次联合演习,共同社报道称,考虑到中国在东海与南海提升军事影响力,日本政府致力于推进所谓“自由开放的印度太平洋”构想,海上保安厅强调“日美双方的协作已变得更为重要”。
王维时告诉澎湃新闻(www.thepaper.cn),此次演习是美日两国海上安全机构加强合作的直接体现,也是两国在西太与中国等国展开竞争方式多元化的一个表现,使得原来直接军事对抗可能性向灰色地带扩展,不利于地区稳定。
“未来美国海岸警卫队和日本保安厅的合作将会增多,但并不会改变西太地区的权利结构,需要关注的是这种海上安全合作会不会应用于钓鱼岛、南海、台湾海峡等敏感区域,因此出现在这些地方会增加摩擦的可能性。”王维时指出。

美日巡逻船举行联合演习,两国“第二海军”加强联合有何意图 - 澎湃新闻-The Paper

巡視船「あかつき」鹿児島港配属|NHK 鹿児島県のニュース

海保大型巡視船が初入港 鹿児島、尖閣警備を強化 - 産経フォト

最大級の最新巡視船 「あかつき」鹿児島に初入港 - KTS 鹿児島テレビ

【外国海警】“疫情爆发也没耽误”--海上保安第四艘万吨巨舰下水!

海上保安庁は2021年2月16日(火)、長崎県にある三菱重工長崎造船所でヘリコプター搭載型巡視船「あかつき」が引き渡されたことを発表しました。配属先は第十管区海上保安本部の鹿児島海上保安部です。

ヘリコプター搭載型巡視船「あかつき」。大きさは、排水量約6500トン、全長約150m、幅約17mで、れいめい型巡視船の2番船として建造された(画像:海上保安庁)。
 巡視船「あかつき」は、れいめい型巡視船の2番船として、2017年度予算で建造された船で、40mm単装機銃を2基、20mm多銃身機銃を2基装備するほか、「スーパーピューマ225」型ヘリコプター(愛称:あおわし)を搭載します。

 なお通常、搭載するヘリコプターは1機のみですが、緊急時などの際は2機搭載でき、格納庫や発着甲板の移送レールなども2機分用意されています。ほかにも、停船命令等表示装置、遠隔監視採証装置、遠隔放水銃などを備えています。

海保 最大級のヘリ搭載巡視船「あかつき」竣工 南西諸島の警備で鹿児島へ | 乗りものニュース 

船艇と航空機 - 鹿児島海上保安部

 

れいめい型巡視船 - Wikipedia

あきつしま (巡視船) - Wikipedia

しきしま (巡視船) - Wikipedia

 

 

中国海軍VS.海上自衛隊

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