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海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

シン・エヴァンゲリオン劇場版:||、感想(ネタバレ無し)

 

ヱヴァンゲリヲン新劇場版、第4作(完結編)『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』を見てきました。なにかしら吐き出したい気分なので感想を少し。

 

現在公開中の『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』の展開やストーリー、キャラクターなど、”ネタバレ”は書いていません。

 

ネタバレは書いていないつもりですが、TVシリーズと劇場版、新劇場版の前作(「:序」「:破」「:Q」)を絡めてメタに書いているので、もしかしたら読まれた人が類推できてしまうかもしれません。

何も見聞きしたくない方は、ここでお帰りください。

 

シン・エヴァンゲリオン劇場版

ヱヴァンゲリヲン新劇場版 - Wikipedia

新世紀エヴァンゲリオン - Wikipedia 

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念のため改行。

 

何も見聞きしたくない方は、ここでお帰りください。

 

10

 

 

 

 

 

見たのはTVシリーズと劇場版だけ。 コミックスやアンソロは読んでいません。

作品解説本や関係者インタビューなどはほとんど読んでいません。

 

 

 

 

  

 

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「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」は、株式会社カラーとスタジオカラーのこれからのための、エヴァンゲリオン作品世界の改変と補完と終劇の物語。

ガイナックスの「新世紀エヴァンゲリオン」からカラーの「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」に変わったことを作品世界を変えて示して未来を作ろうとした?

 

『シン・エヴァンゲリオン劇場版: 𝄇』にはかなり賛否がありそうです。
(他の人のレビューや感想は避けているので見ていません(偶然目に入ったツイートを除く)

 

テレビ・シリーズ(1995年10月〜。再放送は1997年〜。)ではあの第25話・第26話(最終回)で終わってしまったので、その後に劇場版「シト新生」(1997年)や劇場版「Air/まごころを、君に」(1997年)が作られました。

劇場版「Air/まごころを、君に」は第25話・第26話の作り直し、結末の改変です。その結末は”当時の社会状況や庵野秀明総監督の内面の問題があったりしてwikipediaより)”、エンディングはアスカが一言「気持ち悪い」と言う終わり方だった。

当時、25年〜20年前は、世界の破壊と再生のイメージの後に結局ぶっ壊れて終わりというのが許容され得たのかもしれません。

ただ、あれだと人類補完計画の阻止も、人類の補完も失敗しています。

 

TVシリーズでリツコさんが「ATフィールドは人がもつ心の壁」と説明したように、初号機パイロットの碇シンジをはじめとしたキャラクターたちの、他者との関係性/非関係性、関係の拒絶や受容がテーマのひとつとなっています。

ここでも、新劇場版の制作過程の社会状況が影響しているでしょう。(これ以上書くとネタバレか)

 

人類補完計画は、ゼーレの計画では人類(知恵の実)に使徒(生命の実)を合わせて人類の補完を為して世界を作り替える計画(かなり雑な説明)であり、その一方で、碇司令(碇ゲンドウ)は別の目的をもちつつエヴァ計画を遂行していました。

ぶっちゃけゲンドウは「死んだ(いなくなった)碇ユイと再びひとつになりたいだけでは?」「それだけのために、人類と世界を変えようと使っているんじゃ?」と、TVシリーズや劇場版前作で思ってきたし、過去作での小難しい説明はひたすら言い訳をしているだけと思ってます。

スタジオカラーのエヴァ制作者サイドも、TVシリーズ25話・26話と劇場版「Air/まごころを、君に」で決定的に歪んでしまった「新世紀エヴァンゲリオン」という作品の世界を作り替えたかったんじゃないか?と感じます。

 

エヴァンゲリオンの著作権はTVシリーズなどを制作したガイナックスから、庵野秀明らが設立した株式会社カラーへ移っています。

スタジオカラーは、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの制作開始に伴って株式会社カラーのアニメーション制作スタジオとして設立したもの。

最初の作品でTVシリーズ「新世紀エヴァンゲリオン」とその劇場版の結末のイメージを踏襲したままだと、「そういう雰囲気の作品を作るアニメ制作スタジオ 」と社会や世間からイメージされるのではないでしょうか。

いくら株式会社カラーがエヴァの庵野秀明の会社とはいえ、そのネームバリューでいきなりオリジナル作品を作るというのは興行的に冒険すぎる。スタジオジブリも、第1作「天空の城ラピュタ」や第2作「となりのトトロ」は今でこそ名作扱いをされていますが、公開当時は興行的にはふるわなかったそうですwikipedia) 。

株式会社カラーにはエヴァの著作権収入という財産があるのだから、それを使ってスタジオカラーのエヴァ作品を作りスタートダッシュとしたかった。しかしエヴァTVシリーズの展開や結末のような作品を作ると、「あのエヴァ(の結末)の制作スタジオ」とレッテル貼りされるのを避けたのではないかと思います。

「:Q」で冬月に「世界を崩すことは造作もない。だが、作り直すとなるとそうはいかん」と言わせています。本作ではTVシリーズを意識したと感じられるセリフも散見されます。

”エヴァの呪縛”は深く、長く続くでしょう。

マーケティング的には、展開や結末に賛否があっても話題となる方がよくて、むしろ賛否があった方がスルーされたりすぐに忘れられるよりもずっとマシでしょうが。 

 

 

反NERV組織ヴィレ(Wille)はその過程で作られた”鬼子”と感じます。

あれはよく分からん。ゼーレ(SEELE)は古(いにしえ)から人類世界の裏にあった組織だとか、とにかく怪しい組織だからそういうものだとしてむりやり納得出来なくもなかった。ヴィレ(Wille)は中途半端すぎる。

終わった後の作品の世界を作り直すために、終わらなかった世界の一部が必要となり、「:Q」で時代を14年後と設定したので、旗艦「AAA ヴンダー」ほかクルーとなる人間たちを生き残らせるための基盤が必要となった。

「:Q」冒頭の衛星軌道上での奪取作戦も、かなりの資金や物的・人的資源が残っていなければ出来ないことなんですよ。多分、イーロン・マスクがヴィレ(Wille)バックにいるのでしょう。

 

そのほか、あれとかアレとか、あの人とかあの人とか、あのメカとかあの機械とか、いろいろと考えたことはあるけれどもネタバレになるので、このあたりで。 

あのエンディングは最初から決めていたのか、制作のどこかの段階で決まったのか紆余曲折があったのかどうかはちょっと気になります。

  

・・・もしかしたら何年かして、「これは語られなかった別の終わりのかたち」とかいうどこかで聞いたようなコピーで、有料ネット配信とか劇場版とか出るのかもしれません。

なくても充分。

エヴァは「:𝄇」で”終劇”。