pelicanmemo

海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

横須賀の海上自衛隊や在日米海軍の基地でドローン空撮。撮影された時刻を調べてみた → 2月24日の13時ごろ。

20240509201532NHKより)

横須賀の海上自衛隊の基地や米軍横須賀基地で、上空のドローンから、護衛艦「いずも」や在日米国の空母「USS ロナルド・レーガン」などが撮影され、動画共有サイトに投稿されたあの動画と写真。

確からしい撮影日が分かったので、撮影時間を太陽の方位をもとに計算してみた。

少なくともこのブログ記事で調べた空撮画像は、2024年2月24日(土)の13時25分前後に撮影されたようだ。分析方法は後述する。

 

法律でドローンを許可なく飛行させることが禁止されている海上自衛隊の基地で、ドローンで護衛艦を撮影したとされる動画がSNSに投稿されたことについて、防衛省が動画を分析した結果、ねつ造されたものなどではなく、本物である可能性が高いことがわかりました。

ことし3月、神奈川県の海上自衛隊横須賀基地に所属する護衛艦の「いずも」を、上空からドローンで撮影したとされる、およそ20秒間の動画が、SNSに投稿され、動画には中国の動画共有サイトの文字が記されていました。

ドローンで護衛艦撮影とされる動画 “本物の可能性”防衛省 | NHK | 防衛省

防衛省が動画を分析した結果、本物である可能性が高いと報じられたところ、撮影者かその関係者と思われるアカウントが5月8日に、追加の動画と画像を公開した。

 

この追加画像の艦船の配置をもとにして、撮影日を絞り込んだ方がおられた。ドローン映像の撮影は2024年2月24日(土)だそうだ。

 

当ブログは、8日に追加公開された画像のうち、この赤丸の軍艦に注目した。

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米国海軍のタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦「USS ロバート・スモールズ (USS Robert Smalls, CG-62)」。

マストの影が桟橋に落ちているのがわかる。

 

 

「USS ロバート・スモールズ」の船首は桟橋の先端近くで、船尾は岸壁に近いところの小さな青いコンテナ近くにある。

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タラップが、桟橋の中ほどに置かれた「青いコンテナ(赤丸)」の脇に下ろされている。

「マストの先端(赤丸)」はタラップの少し後ろ側にあり、「マストの影(赤矢印)」が桟橋の真ん中あたりで色が濃い箇所まで伸びている。

「USS ロバート・スモールズ」は全長172.46 m、最大幅16.76 m、吃水9.5 m (wikipedia)

GoogleEarthを使って、在日米軍横須賀基地の同じ桟橋の「USS ロバート・スモールズ」の全長と全幅を示してみた(黒い双方向矢印)赤丸2つと赤矢印は、上の画像と合わせた。
(このGoogleEarth スナップショット画像の”上・下・左・右”は”北・南・西・東”のまま)

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これらから、マストの影は東側へ28~29度傾いて伸びているいることが分かった。

「USS ロバート・スモールズ」を含む画像が撮影されたときの太陽は南南西、北を0度とすると太陽の方位は208〜209度だったことが分かる。

 

次に、2024年2月24日の横須賀市での太陽の高度と方位を割り出す。
横須賀市の緯度経度の数字はGoogleMapを使い、「北緯35.2926度、東経138.6598度」を使用する。

ここで、いつもお世話になっている、カシオ計算機株式会社さんの高精度計算サイト「keisanサービス」を使って時刻と太陽の方位を調べた。

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太陽高度(一日の変化) - 高精度計算サイト

2024年2月24日の横須賀の軍港では、太陽の方位が208〜209度になるのは13時23分から27分だった。

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このブログ記事で分析に使った空撮画像が撮影されたのは、2024年2月24日13時25分前後だろう。

三連休の中日の土曜日のランチころで、屋外にいる人が減って対空監視が手薄になるだろう時をねらったのだろうか?

 

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「USS ロバート・スモールズ」を含む画像で解析した太陽の方位208〜209度(赤い矢印)を、そのまま海事の護衛艦「いずも」が停泊していたH1岸壁まで伸ばしてみた。太陽は「いずも」の右側やや船首寄りから照らしている。

ドローン映像に写っていた護衛艦「いずも」のアイランドの影とも矛盾していない。

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