(聯合新聞網)
台湾の沿岸警備隊である海岸巡防署の、船齢37年の老船「徳星艦」が退役、1月末日で除籍となった。海上保安庁の500トン級をモデルにして、日本の造船所で建造された船。
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「徳星艦」は民国紀元63年(1974年、昭和49年)に、税関の密輸取り締まり船として計画された600トン級の巡視船。最初の大型取締船として、同66年11月に就役した。
当時の台湾国内では、この規模の巡視船の建造実績が無かったため外国に発注、日本の旭光船舶が受注した。
ところがその2年前、1972年に日中国交正常化が成立し、日本政府は台湾との断交を通告している。
そこで日本側は、中国の監視の目から隠しながら、九州、大分県の臼杵鉄工所(*)で、海上保安庁の500トン級巡視船をモデルとして建造している。
進水式では、日本の国旗と台湾の国旗を掲げ、両国の国歌が斉唱された。これは日台断交後に、官の組織が関わって行われた唯一の記録だそうだ。
當年在台、日斷交的情況下,德星艦在日本舉行命名下水典禮,日方特例准許懸掛我國國旗與日本國旗,新艦艦艏還懸掛了海關的機關艏旗。翻攝自海關艦艇誌(聯合新聞網)
40mm機関砲1、12.7mm機関銃2、7.62mm機関銃を装備し、当時の台湾で最大火力の密輸取締船だった。2000年(民國89年)に海岸巡防署が正式成立した後、南部機動海巡隊に編入され、南部、南西部海域を守ってきた。
除籍後は、歴史的な遺物として保存が期待されているが、いまのところその予定はなく、解体されるかもしれないようだ。
(*)記事では「臼杵“造船所”」となっているが、その名前の会社は昭和63年創業なので、「㈱臼杵鉄工所」の事だと思われる。