(海上保安庁第11管区海上保安本部)
尖閣諸島の接続水域や領海で、中国海警局や、漁政、边防海警、海監、海関緝私(税関総署・密輸取締部隊)など、中国の海事組織の16隻の公船が確認された。
【中国海警局】 尖閣諸島で確認された中国の公船16隻(8月4日〜10日)、まとめ 辺防海警、漁政、緝私、海監など - pelicanmemo
中国海警局の船名・船舶番号について、ちょうど1年前に記事にした。
【中国海警局】船名・船舶番号「海警xxxx」を簡単に読みとく方法 - pelicanmemo
国家レベルの船は、中国海警局東海分局の3000トン級「海警2307」、1000トン級の「海警2166」「海警2101」「海警2102」の4隻。その他は、浙江省や福建省などの地方部隊の公船だった。
今回、沿海省の地方自治体の海監部隊に所属する船が3隻、「海監8003」「海監8027」「海監7008」が確認されている。
そこで、2013年に書いた、中国海監の海洋監視船の船名・船舶番号の調べ方についての記事を転載しておきたい。
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(海上保安庁第11管区海上保安本部)
中国海監、海洋監視船の船番号「海監xx」(2桁、4桁)のつけ方、まとめ。: メモノメモ(2013年3月27日)
中国海監の船舶番号2ケタと3ケタの、国家海洋局中国海監総隊の3つの海区、北海総隊・東海総隊と南海総隊に属する船は、海警局に移管され「海警xxxx」となった(小型船や老朽船の中には、他組織へ移管や民間払い下げ、廃船もあるだろう)。
海監の船舶番号4桁は、地方隊(各省・自治区および直轄市の海洋局、海洋漁業局など類似組織に属する海監総隊・支隊・大隊など)に所属する。
よく、中国海警局が正式発足し、海監、辺防海警、漁政、海関緝私の“全て”の船舶・航空機が統合再編されたという感じの、勘違いのコメントを見かける。
実際には、1000トン級以上の海洋監視船の中にも、省総隊が管理運用している船もある。
その、正式に発足(2013年7月)する少し前に書いたものです。
・~・~・~・【ここから再掲(2013年3月27日時点)】~・~・~・~・
(補足:分かりにくい表現を少し修正・加筆しました。そこの文字を紺色とした。)
(海監83(海警3383)(現・海測3301(海測3301)))
国家海洋局・中国海監の海洋監視船には、例えば「海監50」「海監137」「海監8002」のように2桁〜4桁の船番号が付いている。海上保安庁の巡視船のような記号(PLH、PL、PM等)や船名は付けられていない。
マニアックなネタだが、少しまとめてみた。自分用メモ兼。
海監、辺防海警、漁政と海関の船舶は再編され、「中国海警局」の名称で法執行活動をすることとなった。それぞれの組織のいまの船番号そのままで「海警xx」と変えると重複する船が出てくるので、そこらへんも調整が行われるのだろう。
基本は、桁数が少ない方が、より中央に近い組織に隷属している船舶。これは中国海監だけでなく漁政や辺防海警でも同じ。
例えば辺防海警は、各省市の公安部辺防局・辺防総隊に所属する海警部隊が中心なので、桁数が大きいものが多いようだ。
余談だが、公安部隷属の「中国海警(辺防海警)」としての、広範囲のまとまった組織はずっと無かった。今回の統合再編では、国家海洋局「中国海監」の比較的にまとまりのある組織構造に乗っかる感じで、辺防海警、漁政や海関の組織、人員、装備・船舶を再編成していくのだろう。
中国海監は、ざっと書くと、次のようになっている。
まず、国家海洋局に中国海監総隊がある。
3つの海区を管轄する海区総隊(北海総隊(渤海と黄海北部)、東海総隊(東シナ海と黄海南部)と南海総隊(南シナ海))。
その下に、10の支隊(北海総隊に第一 〜 第三支隊、東海総隊に第四 〜 第六支隊、南海総隊に第七 〜 第十支隊)(*1)、3つの航空法執行支隊(航空执法支队)と、3つの権力維持法執行支隊(维权执法支队)がある。(*2)
この他に、11の省級行政区(沿海省、自治区および直轄市)の海監総隊がある。
2011年末時点で、104の海監支隊(地(市)級支隊、省総隊の直属支隊、保護区支隊。(海区総隊直属の支隊を含む))、206の県(市、区)級の海監大隊がある。(参照:cn 国家海洋局) また、福建省を皮切りに、郷(鎮)級の海監中隊が設立されている。
中国海監総隊が3海区の海監総隊を指導し、それぞれの海区の海監総隊が省級以下の海監総隊・大隊等を指導する組織構造。
(*1)2013年3月に第十支隊が、三沙市(領有権問題がある西沙諸島、中沙諸島と南沙諸島)に正式に駐留した。(参照:cn)
(*2)権力維持法執行支隊は名前はいかめしいが、法理研究、各種調整、通信管理を主に担当しているそうだ(参照:cn)。航空支隊はそのまんま。海監航空機の機体番号は、民間機も含めての通し番号がそのまま使われている。それぞれの支隊名に北海、東海、南海が付く(例:東海航空支隊)。
・~・~・~・~・~・~・~・~・
2桁(と3桁)の船番号は、国家海洋局の3つの海区、渤海と黄海を管轄する北海総隊、東シナ海を管轄する東海総隊と南シナ海を管轄する南海総隊に属する10の支隊に所属する船艇に付けられる。
4桁の船番号は、地方隊(各省・自治区および直轄市の海洋局、海洋漁業局など類似組織に属する海監総隊・支隊・大隊など)に所属する船艇に付けられる。
これも、東海総隊所属(笑)
2桁の船番号は「中国海监AB」と付けられる。(A.B...は数字)
2桁目の数字Aは支隊の番号。1桁目の数字Bは基本的には順番に付けられる。
たとえば東海総隊・第五支隊所属の船艇は「中国海監51」のようになる。
第十支隊の支隊番号は"0"番という情報があるが、ちょっとはっきりしない。
(追記:中国海警局の正式発足によって、2ケタの船は事実上、消滅したと考えられる。)
4桁の船番号は「中国海监ABCD」と付けられる。
4桁目・3桁目の数字ABは、沿岸の省(自治区・直轄市)に、北から順番に付けられている。
遼寧(辽宁)省「10xx」、河北省「20xx」、天津市「30xx」、山東(山东)省「40xx」、江蘇(江苏)省「50xx」、上海市「60xx」、浙江省「70xx」、福建省「80xx」、広東(广东)省「90xx」、広西チワン族自治区(广西)「11xx」、海南省「21xx」。
2桁目・1桁目の数字CDは、各省(自治区・直轄市)の総隊が、支隊や大隊に割り振るそうだ。例えば福建省の場合、福州市「801x」「807x」、厦門市「802x」、寧徳(宁德)市「803x」、莆田市「804x」、泉州市「805x」、漳州市「806x」となる。
すると、尖閣諸島周辺海域に出没しはじめた新しい海洋監視船「海监8002」は、福建省総隊(正しくは「福建省海洋及び漁業法執行総隊(福建省海洋与渔业执法总队)」)所属ということだろうか。
最初の数字が「8」だから南海総隊・第八支隊所属、ということにはならない。
3桁の船番号は「中国海监ABC」と付けられる。
(追記:中国海警局の正式発足によって、3ケタの船は事実上、消滅したと考えられる。)
(追記2018/06:武装警察部隊・海警総隊(中国海警局)の正式にともなって、3ケタの船が復活したようだ。)
3桁の船番号の海監船は2012年に新しく登場した。現在(2013年3月27日現在)9隻(海监110、111、112。137。167、168、169、262、263)。
3桁目の数字Aは、「1」が1000トン以上、「2」が1000トン未満だそうだ。
2桁目の数字Bは、中国海軍の海区番号が元になっているらしい。元が北海艦隊所属なら「1」、東海艦隊は「3」、南海艦隊は「6」。
ただ、この3桁の船番号の規則は、中国のネット民が推測したもので、経験則に基づいている。
特に3桁目の数字Aを、1000トンを基準に2つしか使わないのは無駄が多く、違和感を感じる。
9隻中7隻が、元・中国海軍の軍艦なのでその影響を考えたのだろうが、「海监262」と「海监263」は元々は底引き網漁船。中国海軍所属の漁船だったかどうかは不明(笑)
改装され、南海総隊第七支隊の「海监76」「海监77」として配備されたが、2013年2月に第十支隊所属になり船番号も変わった船。
農業部漁業局(漁政)や公安部辺防局(海警)には、漁業監視船「漁政35001」のような5桁もある。これは浙江省の漁業局所属。
福建省海洋与渔业厅
中国海监船舶舷号和标志管理规定(02年版,部分过时供参考)
2002年に発表された資料が元になっているが、今でも変わっていないはず。
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これから「中国海警局」として統合・再編するわけだけど、船番号をそのままに「海警xx」と変えると重複しまくるだろう。かといって、番号を振り直したら事務手続きがとんでもないことになってしまいそうだ(棒読)
第五支隊や第六支隊など、1つの支隊に10隻しか登録出来ないのは不便きわまりない。
だから3桁海監船が登場したときは、登録可能な数を増やしてきたと思ったのに、なぜか「海監137」は東海総隊・第四支隊に所属していた・・・。
どうするんだろ?
・~・~・~・~・~・~・【再掲、ここまで】~・~・~・~・~・~・~・
こうなりました。
【中国海警局】船名・船舶番号「海警xxxx」を簡単に読みとく方法 - pelicanmemo
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