(海上保安庁第11管区海上保安本部)
尖閣諸島の接続水域を航行し、海上保安庁第11管区海上保安本部から発表があった中国海警局などの公船をまとめてみた。8月17日朝までに18隻の船名を確認した。
(情報を更新しました。)
中国海警局の1000トン級以上の大型船だけでなく、地方の海警総隊から、渔政、海関(税関の密輸取締船)、辺防海警、地方海監、から、500トン級や600トン級など中型船が多く出てきている。
その一方で、4000トン級、5000トン級の大型海警船や、もと海軍フリゲート(退役)の「海警31239」や「海警31241」は、接続水域や領海では確認されていない。(ただし、海保11管からの発表は、接続水域に入ったことが確認されてから行われる。)
これまでとは、状況がまったく違う。
8/4 : 「海警2166」「海警2307」「海警33115」
8/5 : 「海警35115」「海警35102」「海警35104」
8/6 : 「海警31101」(ここまでで、7隻と報道された)
8/7 : 「海監7008」「漁政33001」 (ここまでで、9隻と報道された)
8/7 : 「海警33102」「海警33103」「海監8003」「海監8027」(ここまでで、13隻と報道された)
8/8 : 「海警44103」「海警2101」「海警2102」(15隻と報道されているが、総数は16隻。発表時、1隻が接続水域外に移動したのだろうか。)
8/12 : 「漁政45005」「漁政45036」が確認された。広西・チワン族自治区の1000トン級漁政船。(海上保安庁(H28.8.12))
18隻、それぞれについて簡単にまとめてみた。
ーー(補足)ーーーーーーーーーーーーーーーーー
尖閣沖に中国当局船が13隻 国有化後で最多 警戒強める | NHKニュース
尖閣:周辺に中国船230隻…接続水域侵入、政府が抗議 - 毎日新聞
中国公船また領海に=接続水域に最多15隻-沖縄・尖閣沖:時事ドットコム
(追記8/8 20:30 「海警44103」(共同通信より))
(追記8/9 20:00 「海警2101」「海警2102」(八重山日報より)
八重山日報の8月9日付けの本紙紙面に、「海警2101」「海警2102」が記載されている。「海警44103」は載っていない。
現在までに16隻の船名を確認した。
(八重山日報)
海上保安庁の発表とそれに基づく報道は、あくまでも発表時の、接続水域と領海にいる中国公船の総数(8月9日午前までの報道で“最多15隻”)なので、接続水域の外に移動したり、入れ替わった船があったとしても、それらは考慮されていない。
600トン級の、航続距離・日数の短い中型船が多いので、これから入れ替わりがあるかもしれない。
(追記8/10 20:30)海上保安庁と外務省から、中国公船と漁船の、活動状況の発表があった。(pdfファイル)。
尖閣諸島周辺海域における中国公船及び中国漁船の活動状況について|海上保安庁
随時、更新されている。(ファイル名は同じ)
ーー(補足ここまで) ーーーーーーーーーーーー
中国海警局 カテゴリーの記事一覧 - pelicanmemo
Ads by Google
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
「海警33115」と「海警35115」は同型船。
(海上保安庁第11管区海上保安本部)
海警33115と海警35115、同型船については、こちらの記事をご参照ください。
【中国海警局】 1500トン「海警33115」、尖閣諸島の接続水域ではじめて確認 機関砲を装備 - pelicanmemo(2016-08-05)
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
「海警2166」
(海上保安庁第11管区海上保安本部)
海警2166(もと海監66)は、国家海洋局・中国海監東海総隊・第六支隊の海洋監視船。1000トン級(Ⅱ型)。2011年就役。
「海監66」の頃から尖閣諸島の周辺海域でよく確認されている、いわば、おなじみの船。
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
「海警2307」
(海上保安庁第11管区海上保安本部)
海警2307は、海監型3000トン級。
こちらの記事をご参照ください。
【中国海警局】「海警2307」 新たな3000トン級海警船 尖閣諸島の周辺海域で確認 - pelicanmemo(2015-03-08)
【中国海警局】3000トン級「海警2308」 東海分局の海監型3000トン級海警船、新型4隻全てが尖閣に - pelicanmemo(2015-06-07)
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
「海警31101」
(海上保安庁第11管区海上保安本部)
「海警31101」はもとは辺防海警部隊の「海警1001」。公安部・辺防管理局による1000トン級・718型巡視船建造計画によって作られた一番艦。浦东舰(浦東艦)とも呼ばれる。上海辺防海警が管理運用する。
全長92.59m、全幅12m、満載排水量1617トン。
単管37mm速射砲1基、14.5mm重機関銃2基、高圧放水銃1基、複合艇(RHIB)2隻、ヘリ甲板を装備する。
2014年の南シナ海・西沙(パラセル)諸島沖での西沙沖衝突事件では、ベトナム沿岸警備隊のパトロール船に対して、直接に放水するところが撮影されている。
(观察者网)
越南抗议中国“侵犯主权” 称中国船主动撞击越方(视频)(观察者网)
上海海警1001舰进行海上执勤反恐训练(2012-05-15|中国广播网)
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
「海警35104」
(海上保安庁第11管区海上保安本部)
「海警35104」は、税関総署・密輸取締部隊(海关缉私)の600トン級密輸取締船。福建省海警が管理・運用する。
2012年、中船重工桂江造船と税関総署との間で契約された9隻のうちの1隻。税関総署では、1500トン級、600トン級、300トン級の密輸取締船の建造計画を進めている。
全長68m、全幅8.7m、型深さ5m、計画排水量600トン。最高速度30ノット以上。
機関砲1基と重機関銃2基。船尾にはスリップウェイを装備し、2隻の大型搭載艇を迅速に運用できる設計となっている。
8月6日付けの報道で、機関砲を装備する船が3隻と紹介された。その3隻は「海警33115」「海警35115」「海警35104」だろう。その後、「海警31101」が確認されたので、機関砲を装備する船は4隻となった(8月7日午前時点)。
【中国海警局】 新型の1500トン級 密輸取締船「海警33103」「海警44104」「海警46104」 - pelicanmemo
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
「海警35102」
(海上保安庁第11管区海上保安本部)
「海警35102」は、税関総署・密輸取締部隊(海关缉私)の618B型密輸取締船。福建省海警第二支隊が管理・運用する。2015年7月に正式配備された。
全長63.5m、全幅9m、排水量約650トン。航続距離2000km。
"618B型"巡視船の紹介記事では、37mm機関砲や30mm機関砲を装備すると書かれているが、「海警35102」は正式配備した時から機関砲は装備されていない。今回の尖閣沖での写真にも写っていない。
福建海警新舰艇列编(2015-07-20|中新网)
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
「海監7008」
(海上保安庁第11管区海上保安本部)
「海監7008」は、国家海洋局・中国海監総隊による、省級海洋監視船建造計画の36隻のうちの1隻。1500トン級。
全長88.9m、全幅12.2m、型深6.3m、排水量1750トン。浙江省最大の海洋監視船である。同型船に福建省の「海警2115(もと、海監8001)」などがある。
機関砲や重機関銃など固定武装は装備していない(設計では機銃座はあるようだ)。
ヘリ甲板を装備する(格納庫はない)。
中国海警局 1500トン級監視船「海警2115」を特別一般公開 家族連れなど150人が見学: メモノメモ(2014年7月31日)
中国海警局に統合再編されたことで、海監や漁政の監視船がすべて、新しい船名と海警局のマークに変わったという勘違いがあるが、実際には昔の名前と所属のままの船も多い。
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
「漁政33001」
「漁政33001」は、浙江省海洋・漁業局の500トン級漁政船。2001年に配備された。
全長55m,全幅7.8m、型深3.9m、排水量666トン。最大速度17ノット。航続能力は20日。
2012年7月に、「漁政202」「漁政204」「漁政35001」とともに尖閣諸島の周辺海域をパトロールしたそうだ。
中国渔政33001号船圆满完成护渔巡航任务(2012年07月17日|浙江省海洋・漁業局)
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
「海警33102」
(海上保安庁第11管区海上保安本部)
海警33102は、浙江省の公安辺防総隊海警・第二支隊の600トン級618B型パトロール船。寧波市の辺防海警のはじめての600トン級武装船。2011年配備。
全長63.5m、全幅9m。満載排水量650トン。最高速度25ノット。航続距離2000海里。単管30mm機関砲を装備。
“中国海警33102”船海上执法纪实(2015-07-31|中国海洋在线)
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
「海警33103」
(海上保安庁第11管区海上保安本部)
海警33103は、浙江省の、税関総署・密輸取締部隊(海关缉私局、海関緝私)の1500トン級密輸取り締まり船。
全長91.7m、全幅12.3m。満載排水量1660トン。単管30mm機関砲 H/PJ14 (CS/AN2) 1基を装備。
詳しくは、こちらの記事をご参照ください。
【中国海警局】 新型の1500トン級 密輸取締船「海警33103」「海警44104」「海警46104」(2016-03-19)
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
「海監8003」(海上保安庁第11管区海上保安本部)
海監8003は、福建省の福建海洋・漁業庁、福建海洋漁業・法執行総隊第三支隊の600トン級監視船。
中国海監の省級海洋監視船36隻建造計画(1500トン級、1000トン級、600トン級)で作られた一隻。2013年配備。船名は「海監〜」だが漁政が管理運用しているようだ。
全長65m、全幅9m、型深4.6m。満載排水量640トン。航続距離2000km・日数15日。速度20海里。搭載艇2隻。
600トンクラスでも、最新の、衛星ネットワーク、映像会議システム、高速電送装置、遠隔採証装置、高圧放水銃、サーチライト、スピーカーなどを装備している。
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
「海監8027」(海上保安庁第11管区海上保安本部)
海監8027は、福建省厦門市の、厦門市海洋総合行政執法支隊(中国漁政厦門市支隊・中国海監厦門市支隊)の600トン級海洋監視船。
全長65m、全幅9m、型深4.6m。満載排水量640トン。航続距離2000km・日数15日。速度20海里。海监8002と同型船のようだ。。2014年配備。
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
「海警44103」
(海上保安庁第11管区海上保安本部)
海警44103は、広東省の、広東海警第二支隊の600トン級、618B型パトロール船。汕頭(汕头)市。
全長63.5m、全幅9m。満載排水量650トン。速度25ノット。航続距離2000海里・日数15日。
37mm機関砲と高圧放水銃を装備する。(資料によっては連装37mm機関砲と書かれているが、近年の「海警44103」映像を見ると単管37mm機関砲のようだ)
尖閣周辺に中国公船、最多15隻 政府、首脳間で打開検討 - 共同通信(2016/8/8)
2014年7月に、南シナ海西沙(英語名:Paracel、中国名:西沙、ベトナム名:Hoàng Sa(ホアンサ))諸島の沖の、中国のセミサブ・オイルリグ「海洋石油981」の試掘を巡って、ベトナムから大きな反発が起こった。
ベトナム沿岸警備隊の巡視船や公船、漁船による抗議行動に対して、中国海警局や辺防海警の公船、民間作業船(オフショア船)や漁船群との、文字通りの衝突が起こっている。
その時に、「海警44103」はベトナム沿岸警備隊のパトロール船「CSB-2012」に対して体当たりを仕掛け、被害を与えている。
China coast guard attacks Vietnam Coast Guard - YouTube
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
「海警2101」と「海警2102」
(海上保安庁第11管区海上保安本部(資料写真))
海警2101は"もと"漁政201。海警2102は"もと"漁政202。
農業部の、東シナ海を管轄する東海区漁政局(漁政漁港監督管理局)の1000トン級漁業監視船。2001年就役。
全長70.12m、全幅10m。排水量954トン。
これまでにも、尖閣諸島の、日本や接続水域でも確認されていた(ここしばらく顔を見せていなかった)。機関砲は装備していない。
沖縄のローカル紙"八重山日報"の8月9日付けの第一面から、海警2101と海警2102が確認されていたことが分かった。
紙面の写真は、尖閣沖で過去に確認された時のものなので、今回は、海保11管から写真は発表されなかったのかもしれない(船名は確認できるが、公表できる質の写真はとれなかった?)。
海警2101 : 中国海警局|尖閣周辺で確認された海警船。(再編前後の新旧対照まとめ)(2016/08/09更新) - NAVER まとめ
海警2102 : 中国海警局|尖閣周辺で確認された海警船。(再編前後の新旧対照まとめ)(2016/08/09更新) - NAVER まとめ
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
「漁政45005」と「漁政45036」は同型船。
(写真は、後で載せるつもりです(お盆休み後?))
広西・チワン族自治区の漁政に所属する1000トン級漁業監視船。
尖閣沖で確認されている「海警33115」「海警35115」の同型船13隻のうちの2隻。ただし、主砲の機関砲は装備していない。
【中国海警局】南海区漁政局の1000トン級「海警3104」 機関砲を装備 同型13隻 - pelicanmemo
中国海警局 カテゴリーの記事一覧 - pelicanmemo
中国海警局|尖閣周辺で確認された海警船。(再編前後の新旧対照まとめ)(2016/08/09更新) - NAVER まとめ