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海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

【中国海警局】 3000トン級「海警1307」、尖閣沖で初確認 北海分局の3隻目の3000トン級

20181007075334(中国船舶报より)

海上保安庁、第11管区海上保安本部によると、10月07日に沖縄県の尖閣諸島の接続水域を「海警2305」「海警2401」「海警1307」「海警31240」の4隻が航行した。「海警1307」がはじめて確認された。

10日に接続水域から退去し大陸沿岸に戻っていたが、14日にふたたび接続水域で確認された。

 

7月1日に武警・海警総隊(中国海警局)となってから、「海警1305」「海警1306」、「海警1401」、そして「海警1307」と、連続して北海分局の船が確認されている。"漁政"所属の船も絡まない場合が出てきた。対応が変化している。

<尖閣情勢>10月9日、中国海警4隻が日本の接続水域内を航行中 - FNN.jpプライムオンライン

<尖閣情勢>10月10日、中国海警が日本の接続水域を退去 7日~8日には向日紅10号を確認 - FNN.jpプライムオンライン

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(鼎盛军事论坛 via. sinodefenceforum

 

「海警1307」は、当時の国家海洋局(中国海監)の3000トン級海洋監視船建造計画で建造された10隻のうちの1隻。北海分局には「海警1305」「海警1306」「海警1307」の3隻が配備された。(東海分局に「海警2305」「海警2306」「海警2307」「海警2308」の4隻、南海分局に「海警3306」「海警3307」「海警3308」の3隻。)

外見から大きな違いは見当たらないようだ。ブリッジ前の白い尖塔の上の丸い装備(カーキ色のカバー)等が、1307には無いくらいだろうか。😊

 

北海分局の新型の3000㌧級以上には、ほかに4000㌧級「海警1401」、5000㌧級「海警1501」がある。いずれ尖閣沖で「海警1501」も確認されると思われる。

 

北海分局の船が、他の海区で活動することが、これまでに無かったわけではない。特に南シナ海へは、東海分局や北海分局からも大型船を派遣していた。ほかの分局との連絡と連携した体勢の構築、船員/隊員の外洋訓練や前線での活動による意識強化の意味合いもあるだろう。

今年7月に武警の海警総隊(中国海警局)となってから、東シナ海の尖閣諸島の海域での、何らかの活動の拡大を想定しているのかもしれない。

 

【中国海警局】 3000トン級「海警1305」、尖閣沖で初確認。 海警2305などの同型船 - pelicanmemo (2018-07-31)

【中国海警局】 3000トン級「海警1306」、尖閣沖で初確認 海上保安庁の尖閣警備専従部隊と写真で比較 - pelicanmemo (2018-08-26)

中国海警局 カテゴリーの記事一覧 - pelicanmemo

 

・青島市、団島の、北海分局専用埠頭

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(鼎盛军事论坛 via. sinodefenceforum

国家海洋局が、自然資源部(国家海洋局)となった後も、北海・東海・南海の3つの海区の組織が設立されることが9月11日に発表された。具体的な職責と組織編成は、それぞれ規定される。(今後も「〜分局」という組織になると確定はしていないが、一応、北海分局・东海分局・南海分局と記していく。)

第六条 自然资源部设下列派出机构:
(三)自然资源部在北海、东海、南海3个海区分别设立派出机构,具体职责和机构编制事项另行规定。

新组建的自然资源部“三定”方案公布 - 澎湃新闻

  

自然資源部(国家海洋局)北海分局は、渤海と黄海を管轄する。ざっくりとそう書いてきたが、より正しくは、渤海と北緯38度24分(山東半島の南の根元、山東省と江蘇省の省境あたり)以北の黄海北部の海域を管轄している。

渤海は閉鎖系の水域なので、北京市や天津市、河北省(京津翼圏)の大都市圏や、天津市をはじめとする工業地帯からの排水による水質汚染が激しい。海洋油田ガス田の開発も行われおり、一時は、事故による原油漏洩による環境汚染が起こっていた。近海漁業は壊滅的と言われている。

北海分局では、早い時期から気象観測、海洋環境生態調査や海洋科学調査、極地観測を行っており、東海や南海とくらべると、その印象が強い(管理人がもった印象です)。極地科学調査砕氷船「雪龍」号も、青島を母港とする。

 

1964年に国家海洋局が設立され、1965年に北海分局・東海分局・南海分局が設立された。

1965年の北海分局の設立時には、海軍調査大隊を国家海洋局第一海洋調査大隊として海洋調査船4隻と、もと山東海洋学院の海洋調査船「東方紅(东方红)」号だけしかなかった。その後、中科院や気象局の調査船を組み込んだり、海洋測量船や大型の海洋総合調査船を建造するなどして、海洋調査船隊を増やしていった。

1982年に、国連海洋法条約(海洋法に関する国際連合条約)が採択されたことと合わせて、中国でも海洋環境保護法(中华人民共和国海洋环境保护法)を批准、中国海監(中国海洋環境監視監測船隊(中国海洋环境监视监测船队))が発足。1998年の機構改革によって、中国海監総隊が正式に成立した。

1983年3月に、1隻目の海監船(海洋監視船)「中国海監11」がはじめての海洋生態環境調査に従事。その後、「曙光」「向陽紅(向阳红)」「海調(海调)」などのシリーズの船名の調査船が、船名を「海監」と変えて配備されることとなる。

中国海監第一支隊(青島)・第二支隊(天津)・第三支隊(大連)の3支隊と、中国海監北海航空支隊、等がある。
(ただ、第二支隊と第三支隊が成立したのは2006年で、いまいち、影が薄い。😊)

 

国家海洋局 北海分局

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中国海监北海总队 - 百度百科