pelicanmemo

海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

【H7N9鳥インフル】 飛まつで拡散するウイルス 初の確認? 1年以上前に発表済みですが・・・

(追記:
 20181106060340

NHKニュース @nhk_news のツイート(https://twitter.com/nhk_news/status/1058738327203983361) が削除されていたので、スナップショット画像を掲載しました。本記事は一定期間たつと閲覧が出来なくなりますが、今回はツイートも削除されていました)

 

中国で、2013年にヒトへの感染が初確認されたA/H7N9鳥インフルエンザ。2016年〜2017年のシーズンには、過去最大の感染者数を記録し、中国の31の省・直轄市・自治区のうち過半数の16で感染者が確認されました。
2017年の感染者589人、うち死者259人、致死率は40%以上。

 

このH7N9鳥インフルエンザ(H7N9鳥インフル、H7N9鳥フル)について、NHKが「飛まつで拡散するウイルスの確認は初めて」と報道しました。

でも、これ、変な記事なんですよね。🤔

東京大学医科学研究所の河岡義裕教授らのグループは、イタチの仲間のフェレットにこのH7N9型のウイルスを感染させたところ、ウイルスが飛まつに混じって体の外に拡散されることがわかったということです。

これまで鳥インフルエンザウイルスは、ほ乳類に感染した場合、飛まつにはほとんど含まれないとされていて、飛まつで拡散するウイルスの確認は初めてです。

「H7N9」型鳥インフル 飛まつで拡散するウイルス初の確認 | NHKニュース

 

H7N9鳥インフルエンザのウイルス(低病原性(LPAI))が、哺乳類のフェレットで飛沫感染することは、2013年にすでに確認され発表されています。

また、今回の記事と同じ、東京大学医科学研究所の河岡義裕教授らのグループによって、高病原性 (HPAI) のH7N9鳥インフルエンザ(2016年末に初めて発見)のウイルスでも、フェレットでの飛沫感染が確認され、昨年の10月に発表されています。

http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/files/171020.pdfhttp://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/files/171020.pdf

 

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本研究グループは今回、中国の患者から分離された高病原性H7N9鳥ウイルスに関する性状解析を行いました。その結果、高病原性H7N9鳥ウイルスは、哺乳類で効率よく増殖できること、フェレットの間で飛沫感染する能力を持つこと、フェレットに対して致死的な感染を引き起こすことが分かりました。さらに、このウイルスは伝播によって感染したフェレットを死に至らしめることも分かりました。すなわち、この結果は体内に入ったウイルスが少量であってもフェレットは重症化して死に至ることを示しています。また、高病原性H7N9鳥ウイルスは臨床現場で用いられている抗インフルエンザ薬(注3)に対する感受性が低いことも動物実験で明らかとなりました。従って、高病原性H7N9鳥ウイルスによる世界的大流行(パンデミック)が起これば、甚大な健康被害をもたらす可能性が高いと予想されます。
本研究成果は、今後のインフルエンザ・パンデミック対策計画を策定、実施する上で、重要な情報となります。
(赤字強調は管理人による)

中国の患者から分離された高病原性 H7N9 鳥インフルエンザウイルスの特性を解明
発表者 : 河岡 義裕(東京大学医科学研究所 感染・免疫部門ウイルス感染分野 教授)

http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/files/171020.pdf

中国の患者から分離された高病原性H7N9 鳥インフルエンザウイルスの特性を解明
Cell Host & Microbe (10月19日オンライン版)|発表論文解説 | 東京大学医科学研究所
 (2017/10/19)

H7N9 Influenza Viruses Are Transmissible in Ferrets by Respiratory Droplet | Science (26 Jul 2013)

 

新たに報道されたということは、何か新しい知見が確認されたのかもしれません。しかし、NHKの記者が伝えきれず、変な内容の記事となった可能性は否定できません。公式発表は特に無いようです。

もしかして管理人が、昨年10月の発表時の古い記事を見つけてしまって、うっかりツイートをしてしまったのかとも思ったのですが・・・、記事の日付は「2018年11月4日 0時10分」。

不思議な記事です。😕

 

 

中国や香港など、外国のメディアも、日本メディアの発表を紹介する形で報じています。

香港大学感染・伝染病センターの何栢良総監は、鳥インフルエンザのウイルスの哺乳類での飛沫感染は、H5N1で確認されているし、H7N9についても2013年に香港大学で確認されているとコメントしています。

日本東京大學近日公布一項研究,發現H7N9禽流感病毒可透過飛沫傳播。港大感染及傳染病中心總監何栢良表示,禽流感病毒可經飛沫傳播並非新資訊,本港自1997年發現H5N1禽流感病毒可經禽鳥傳人開始,醫學界已有共識,接納禽流感是可以經飛沫傳人。他又指,港大於2013年已有研究證明,H7N9病毒可以經飛沫傳播。

何栢良:禽流感病毒可經飛沫傳播非新資訊 - 明報新聞網

 

【H7N9鳥インフル】 中国、アメリカへのウィルスのサンプル提供を停止? 米中貿易戦争で悪化か? - pelicanmemo (2018-09-04)

【H7N9鳥インフル】世界的な流行のリスク、もっとも高い。 新型インフルエンザ - pelicanmemo (2018-05-09)

H7N9鳥インフル カテゴリーの記事一覧 - pelicanmemo

感染症 カテゴリーの記事一覧 - pelicanmemo

 

鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスによる感染事例に関するリスクアセスメントと対応 (2017年11月2日現在)

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