新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」。
乗客の、オーストラリアのビンスキン夫妻が、ワインをドローンで“宅配”してもらい、Facebookに写真付きで載せていたことが、英国DailyMailなど多くの外国メディアで報道されていました。
日本メディアは、あまり報道していないようですね。🙄
--(追記:2/13)------------------
ひっかかったかな・・・?😂
種を明かせば、一連の投稿のあとビンスキン氏は、〈人々はまだおとぎ話を信じていますか〉と投稿している。付言すれば、氏が手に持っていたワインは「キム・クロフォード」という銘柄で、発売元はキリン……。とはいえ、もし本当にドローンでの勝手な輸送が可能であったとすれば、日本のコケンに関わりかねない話である。
「まあ、『デイリーメール』が書くことですからね。世界最古のタブロイド誌だけあって、影響力は大きく、また読者の喜ばせ方も知っている。(以下略)
--(追記ここまで)------------------
写真に写っているのは2本。
(Kim Crawford Wines Pinot Noir | New Zealand Wines)
1本は、ニュージーランドの キム・クロフォード(Kim Crawford) 社のピノ・ノワール。
もう1本は、フランスのC.F.G.V.社(*1)のスパークリング・ワイン、デュック・ド・パリ・ブリュット・ヴァンムスー (Duc de Paris Brut Vin Mousseux)のよう。
(*1)Compagnie Française Grands Vins, CFGV) (コンパニー・フランセーズ・デ・ グラン・ヴァン)
ネット通販の値段を見てみたところ、あまり高くないワインですね。
注文した"Naked Wine Club"は、英国のワイン販売会社のようです。
ビンスキン氏が(ネットで?)直接に、ワインの"空輸"を依頼して、ドローンで2ケースを部屋のバルコニーに直接に届ける事となった。日本の税関の輸出許可などを受けたのか?などの詳しい経緯はfacebook に書かれておらず、誰がドローン操作をして配達したのかも報道されていません。
DailyMailほかのニュースがネット・SNSで流れたことで、日本語のコメントでも、面白い、ストレスが溜まる船内だから…、ドローンで行き来するとウイルスが外に出る恐れがある、等々、いろいろなコメントを見かけました。
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」は、船籍は英国で、運航会社は米国。日本の領海内で、特例として日本の港に停泊し続けていますが、「外国」という扱いになります。
通関手続きを行っていない密輸出の可能性が高い行為でしょう。
もしこれが「非常時だから許される」というなら、通関無しで、医薬品のドローンでの配達も許されるべきだ、これも許されるべきだと、きりがありません。
ここは「ダメです」と、きっちりとした対応をすべき案件と思います。
「楽器ケースにゴーン」の一件が起きたばかりですし、税関としても何か対応しないとカッコがつかないとも思いますし。🙄
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(ビンスキン氏のFacebookより)
さらに、ビンスキン氏はfacebook の書き込みで、「日本の海上保安庁は、何が起こっているのか知らなかった」と"Fから始まる4文字"を使って書いている。
Naked Wine Club you’re incredible, just got the first drop thank god for drones. The Japanese Coast Guard did not know what the F*ck was going on 🍷🍷🍷🍷🍷👌👌👌👌.
Naked Wine Club your incredible just got... - Jan Dave Binskin | Facebook
(1文字を伏せ字に修正しました)
軽口としての英語表現としても、心証はよくありません。
(追記修正 2/13:ジョークにひっかかった可能性が高くなってきたので、ここに書いていた指を丸めるサインの意味についての文章は、残すは不適切と考えて削除しました。
この後の部分は、修正はしていません。
「密輸をした(だろう)」は「もしかしたら密輸かもしれない」と、穏やかな表現に書き換えた方が良いかもしれませんが、そのままです。
「もしも、本当だったら?」としてお読みください)
閑話休題、
・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」は、船籍は英国で、運航会社は米国。日本の領海内で、特例として日本の港に停泊していますが、そこは「外国」という扱いになります。
クルーズ船だけでなく、横浜港の、クルーズ船などが到着する大桟橋の国際客船ターミナルの税関・出入国管理・検疫を行う施設「CIQプラザ(Customs, Immigration and Quarantine)」の向こう側も、「外国」という扱いとなります(出入港の時間帯だけ?)。
普段は立ち入り禁止で一般人は見られない!? クルーズ旅行の玄関口、大さん橋の非公開エリア「CIQ」プラザを特別大公開! - はまれぽ
検疫隔離中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」へ届けられている、食料や医薬品などは、税関職員が通関手続きをしているでしょう。(政府が手配したり、事前にチェックを済ませている物品は手続きを簡素化していると思います)
あまり話題になりませんが。
ワインなど“酒類”は、入国時は申告が必要ですが、出国時に申告は必要ではありません。それほど高いワインでは無く申告額を越えていませんから、通関を無視した(だろう)以外は、気にする事はなさそうです。🙄
クルーズ船へのワインなど“酒類”の持ち込みは、クルーズ会社によって、乗船時に預けることが必要だったり開栓料が必要だったりと、対応がまちまち。
「ダイヤモンド・プリンセス」のプリンセス・クルーズ(カーニバル・ジャパン)では、乗船地にてワインまたはシャンパンを1本持ち込みが無料(自室で飲む場合は開栓料も無料)で、2本以上を持ち込んだ場合は持込料および開栓料として1本あたり15USドルが船内会計に加算されます。
Q:船内へアルコール類の持ち込みはできますか?
A:1航海毎に、乗船地でのみワインまたはシャンパン1本(いずれも750ml以下)を無料でお持ち込みいただけます。無料でお持ち込みされたワインまたはシャンパンは、レストラン等のパブリックエリアでお飲みになる際は開栓料として15USドルを船内会計に加算させていただきます。客室でお飲みになる場合は開栓料は加算されません。乗船地にてワインまたはシャンパンを2本以上お持ち込みになる場合は、持込料および開栓料として1本につき15USドルが船内会計に加算されます。ワイン・シャンパン以外のアルコール飲料のお持ち込みはご遠慮ください。
(引用ここまで)
「ダイヤモンド・プリンセス」船長やプリンセス・クルーズが、今回のケースを乗客の「持ち込み」と判断するのなら、通常なら、ビンスキン氏は持込料として15USドルを支払う必要があります。
しかし、プリンセス・クルーズは今回の船内での新型コロナウイルスの集団感染への対応で、下船日までに船上で発生した費用について全て無償とすることを発表しています。おそらく、ビンスキン氏は持込料を求められる事はないのでしょう。
船長は、船内で犯罪行為を犯した乗客に対して、船からの退去を求めることが出来ます。船を降りてすぐに日本側が拘束することもできますが、さすがにそれはないでしょう。日本側もクルーズ船での観光客増加を期待しているので、あまり強くは対応をしないでしょうし。
ビンスキン氏は、通関手続きを経ずに「外国」であるクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で、密輸された(だろう)ワイン2本を受け取りました。
船籍国や寄港先の国の法律や規則に違反しているかどうか、ビンスキン氏への対応は、クルーズ船の船長が判断すべきで、プリンセス・クルーズ側が検討すべき案件と思います。
日本側としては、「ダイヤモンド・プリンセス」船長とプリンセス・クルーズに対して、検疫期間中に乗客乗員で同じような事が起きないよう、注意をすることを求めて、周囲での警戒を強めるくらいかと思います。
ただ・・・、今回、日本の税関をコケにして、海上保安庁を名指ししてコケにしているのに、何ひとつ対応をしないのは、お役所的に非常によろしくない。
悪しき先例とならないよう、いろいろな手続きを行いたい案件かと思います。
ワインならまだしも、これが輸出許可に関わる物品だったり、楽器ケースにゴーンだと、笑い事では済まないでしょうし。🙄
14日間の検疫期間が終わった後、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」は、乗客乗員を載せてすぐに出港は出来ないのではないでしょうか。🙄
船内の清掃や消毒や、乗員のケアも必要でしょう。
乗客・乗員は、日本国籍の人は帰国、外国国籍の人は日本に入国して、ある人はすぐに飛行機で帰国したり、遅れての日本観光をすることを考えるかと思います。
その時、ワインを注文し受け取ったビンスキン氏は、「ちょっと、こちらにおいでください」と、この一件について税関の調査を受けるのではないでしょうか?
最低限、書類作成は必要と思います。🙄
どのくらいかかるか知りませんが。
どういう経緯で、ワイン2本の発注から受け取りに到ったのか?
誰に注文をして、誰から購入したのか?
誰がドローン操作をしていたのか?
ドローン操作した人あるいは事業者は、輸出酒類卸売業免許は持っているのか?
外国(クルーズ船)へ輸出するにあたって、通関等の手続きは済ませたのか?
横浜港はドローンの飛行は禁止されているので、ドローンの飛行許可は得ていたのか?
等々、
そして、そのドローンを操作した人あるいは事業者が、日本の法律や条例に違反していた場合、それなりの行政処分が行われるのかもしれません。
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