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海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

中国、掘削船を日中中間線を大きく越えて、尖閣諸島の北東140kmまで曳航? →緯度の数字の打ち間違えか?(追記ありx2)

 20230921222802

中国の海事当局は9月20日、、掘削プラットホーム「勘探8号」を9月21日午後6時(日本時間)から23日午後6時にかけてタグボートで曳航する航行安全情報を発表した。

日本テレビニュースの報道によると、発表された目標海域は沖縄県石垣市の尖閣諸島の大正島から北東におよそ140kmの海域で、東シナ海の日中中間線よりも大きく南西諸島の側に入り込んだ海域となるそうだ。

松野博一官房長官は9月21日午後の記者会見で「仮に掘削船が、我が国の主権的権利や管轄権を侵害する行為を行うとすれば、断じて受け入れられない」と述べた。

その後、中国海事局はウェブサイトから、掘削プラットホーム「勘探8号」を曳航する航行安全情報の撤回を発表した。中国海事局が航行安全情報の撤回を発表した理由については触れられていない。

 

このニュースで、尖閣諸島の大正島の北東およそ140kmを見て驚いた人も多いだろうが、もしかしたら、単に、中国の海事当局が発表で緯度の数字を打ち間違えただけかもしれません。

--(追記:9/22)--------------------

日本政府が外交ルートを通じて中国側に申し入れを行った後、21日午後に「海事局の発表は入力ミスによるもので、そうした事実はない」と発表自体を撤回したことを日本側に伝えてきたそうだ。

中国 尖閣諸島周辺の航行発表も撤回 “発表はミスによるもの” | NHK

--(追記ここまで)------------------

 

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中国海事局の公式ウェブサイトでの発表、航行安全情報「浙航警  710/23」(9月20日14:53発表)では「北緯29度〜」だが、そこは尖閣諸島の大正島の北東およそ140kmの海域では無い。

一方、例えば同じ交通運輸部の東シナ海航海保障センター(东海航海保障中心)から発表された、同じ番号の航行安全情報「浙航警  710/23」(9月20日16:56発表)では「北緯27度〜」となっている。その海域は、尖閣諸島の大正島の北東およそ140kmと合致する。

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20230921222813

 

日本政府が、中国の「海事局」や「海事当局」のどこの媒体の発表に載っている緯度経度をもとにしたのかは分からない。少なくとも、尖閣諸島の大正島の北東およそ140kmの海域は「北緯27度〜」の方だ。

中国海事局の公式ウェブサイト(www.msa.gov.cn)の発表の方は、ページ自体は残っているが一覧からは削除された。

“华达”拖带“勘探八号”钻井平台 浙航警 710/23 - 中华人民共和国海事局 (2023-09-20 14:53)

-航行警告-航保服务-东海航海保障中心,交通运输部东海航海保障中心 (2023-09-20 16:56)

 

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撤销浙航警710/23——浙航警 712/23 - 中华人民共和国海事局 (2023-09-21 15:39(日本時間16:39))

浙航警   712/23,     撤销浙航警710/23

 

松野博一官房長官は21日午後の記者会見で、中国側に対して外交ルートで強く申し入れを行い、事実関係や同掘削船の航行情報の発出の目的等について説明を求めていると発表をした。その後、中国海事局は公式ウェブサイトで同掘削船の「勘探8号」の航行情報の撤回の発表をした(9月21日午後4時39分(日本時間)付け)。

以前だと、日中関係に配慮をして、あまり大ごとにならないように発表や報道がされなかったと思うが、こういった怪しい情報は、その都度、詳しい情報を公開して透明性のあるかたちでただしていくことが大事だ。

 

ちなみに、掘削プラットホーム「勘探8号」は8月中旬に、東シナ海ガス田の海域から北緯27度の温州市沖の海域「27-50.6N 122-38.2E」の海域へと移動をしていた。中秋節に合わせて乗組員の休暇のためと考えられる。

今回、その同じ海域から、ふたたび北緯29度の東シナ海ガス田へと移動させる予定だったのだろう。

“华达”拖带“勘探八号”钻井平台 浙航警591/23 - 中华人民共和国海事局 (2023-08-10 19:00)

浙航警    591/23  ,东海,“华达”于8月11日0000时至8月14日2400时拖带“勘探八号”钻井平台从28-56.84N 124-53.93E至27-50.56N 122-38.23E。请宽让。

20230921222809

--(追記:9/26)--------------------

掘削プラットホーム「勘探8号」を曳航する予定だったオーシャン・タグ「华达」は、9月26日(日本時間)には「北緯29度・東経125度」付近にあり、ほとんど動いていない(注:AIS船舶マップの地図をGoogleMapと重ねてだいたいの緯度経度を割り出した)。そこは、東シナ海ガス田の海域にあたる。
新たな航行安全情報の発表は見当たらないので「勘探8号」を曳航していったとは限らないが、発表無しで曳航した可能性も否定はできない。参考情報にはなるだろう。

オーシャン・タグ「华达」は船名「ENA FUTURE」、AIS登録情報「HUA DA(华达)」、IMO:9427043、MMSI: 413382910。

 

(追記09/28: オーシャン・タグ「华达」はその後、東シナ海ガス田の海域をはなれて中国大陸の方へ30㌩近い速度で航行した。27日の夜までに、浙江省寧波市の対岸の舟山島の埠頭に到着した。28日には埠頭に停泊している)

--(追記ここまで)------------------

 

 

中国 掘削装置を尖閣周辺にえい航へ 日中中間線を大きく越える海域…政府関係者が危機感「外交問題に発展するだろう」 - 日テレNEWS (2023年9月21日 16:13)

令和5年9月21日(木)午後 | 官房長官記者会見 | 首相官邸ホームページ (2023-09-21)

中国 掘削装置のえい航を取り消し 尖閣諸島の周辺海域 (2023.09.21 19:32)

“华达”拖带“勘探八号”钻井平台 浙航警 710/23 - 中华人民共和国海事局 (2023-09-20 14:53)

-航行警告-航保服务-东海航海保障中心,交通运输部东海航海保障中心

 

--(追記:9/22)-------------------- 

中国、「掘削船派遣」発表後に撤回 日本のEEZ内:時事ドットコム

中国「掘削船活動」を発表後に撤回 日本のEEZ内 - 産経ニュース

中国 尖閣諸島周辺の航行発表も撤回 “発表はミスによるもの” | NHK

外務省によりますと、中国海事局は20日、天然ガスなどを採掘するための移動式の掘削船を21日から23日にかけて東シナ海に航行させるとホームページ上で発表しました。

示された海域は、沖縄県の尖閣諸島の周辺で、日本のEEZ=排他的経済水域の内側だったため、外務省は「発表が事実であれば断じて受け入れられない」と外交ルートを通じて、中国側に申し入れました。

そのあと、21日午後になって、中国側が「海事局の発表は入力ミスによるもので、そうした事実はない」と発表自体を撤回したことを日本側に伝えてきたということです。

外務省は「引き続き、動向を注視するとともに、きぜんかつ冷静に対処していく」としています。

--(追記ここまで)------------------

 

 

中国 掘削装置を尖閣周辺にえい航へ 日中中間線を大きく越える海域…政府関係者が危機感「外交問題に発展するだろう」 - 日テレNEWS (2023年9月21日 16:13)

中国当局が日本時間23日までに天然ガスなどを掘削する作業装置を沖縄県尖閣諸島の周辺海域に運ぶことがわかりました。一帯は「日中中間線」から日本側に大きく入り込んだ海域にあたり、日本政府関係者は危機感を示しています。

中国の海事局は日本時間の21日午後6時から天然ガスなどを掘削する作業装置「勘探8号」を船でえい航して東シナ海の目標海域に運ぶと発表しました。指定された目標海域は沖縄県尖閣諸島の大正島から北東におよそ140キロの海域で、23日午後6時までに到達する予定を示しています。

この海域は日中中間線からも大きく日本側に入り込んだ場所にあたります。日中中間線は日本と中国との間に位置していて、日本政府はこのラインを基にEEZの境界を定めるべきとの立場です。

これに対し、中国は今回の目標海域を含む沖縄トラフまでを自国の排他的経済水域などと一方的に主張しています。中国はこれまでも日中中間線の付近で一方的にガス田などを開発、日本政府も中止を求めてきましたが、今回は中国側がさらに強硬な措置に打って出てきたかたちです。

日本政府関係者は「従来に比べてはるかに大胆だ。外交問題に発展するだろう」と危機感をあらわにしています。

中国政府は先月始まった福島第一原発の処理水放出を受けて日本政府への批判を強めてきましたが、実際に作業装置が尖閣諸島周辺に設置された場合には、緊張がさらに高まるのは必至です。

 

その後、中国海事局は発表を撤回。

中国 掘削装置のえい航を取り消し 尖閣諸島の周辺海域 (2023.09.21 19:32)

中国当局は天然ガスなどを掘削する作業装置を沖縄県尖閣諸島の周辺海域に運ぶとの航行情報を出していましたが、その後一転して取り消しました。

中国の海事局は20日、天然ガスなどを掘削する作業装置「勘探8号」を船で曳航して、東シナ海の目標海域に運ぶとの航行情報を出しました。

指定されていた目標海域は、沖縄県尖閣諸島の大正島から北東におよそ140キロの海域で、日中中間線からも大きく日本側に入り込んだ場所にあたることから、松野官房長官は、「仮に掘削船が、我が国の主権的権利や管轄権を侵害する行為を行うとすれば、断じて受け入れられない」と述べていました。

しかし、この会見の後、中国の海事局はウェブサイトに掲載していた航行情報を取り消しました。理由については触れられていません。

 

中国海事局のウェブサイトでの、浙江海事局からの航行安全情報「浙航警  710/23」の発表。

“华达”拖带“勘探八号”钻井平台 浙航警 710/23 - 中华人民共和国海事局 (2023-09-20 14:53)

浙航警  710/23,东海,拖轮“华达”于9月21日1700时至9月23日1700时,拖带“勘探八号”钻井平台,从27-50.6N122-38.2E拖至29-07.5N125-05.0E(CGCS2000),拖带总长500米,航速约4节,请宽让。

 

交通運輸部 東シナ海航海保障センター(交通运输部东海航海保障中心)からの航行安全情報「浙航警  710/23」の発表。

-航行警告-航保服务-东海航海保障中心,交通运输部东海航海保障中心

航行警告
浙航警(710/23)东海拖轮华达 
于(9)月(21)日(1700)时至(9)月 
(23)日(1700)时拖带勘探八号 
钻井平台从(27-50.6N/122-38.2E)拖至(27-07.5N/125-05.0E)(CGCS2000) 
拖带总长(500)米航速约(4) 

 

航行安全情報「浙航警  710/23」の撤回の発表。

撤销浙航警710/23——浙航警 712/23 - 中华人民共和国海事局 (2023-09-21 15:39)

浙航警   712/23,     撤销浙航警710/23