Hurra, vi är fria från afrikansk svinpest!(万歳、私たちはアフリカ豚熱から解放されました! - ファゲルスタ市)
スウェーデンでは昨年(2023年)9月6日に、はじめてアフリカ豚熱(ASF、旧称:アフリカ豚コレラ)ウイルスが野生イノシシの死骸で確認された。スウェーデン当局、自治体と地元コミュニティ、住人や関係者は、EU獣医学緊急チームの勧告に基づいてASFウイルスを制御し根絶するための措置を実施した。迅速で適切な対応と、当局と自治体だけでなく地元コミュニティやハンターなどの努力、そして場所やタイミング、運も良かった。
約1年が経過し、今年(2024年)9月24日、欧州委員会はEU獣医委員会の申請に基づいて、スウェーデンをアフリカ豚熱(ASF)ウイルス発生による制限区域から除外することを決定した。
スウェーデン国立獣医学研究所(SVA(Statens Veterinärmedicinska Anstalt))の国家獣医師、エリカ・シェナイ(Erika Chenais)博士は「アフリカ豚熱(ASF)が発生してから、これほど迅速に排除出来た国は他には無い」と述べている。
Sverige friförklarat från afrikansk svinpest – arbetet fortsätter – Sveriges Natur (9 oktober 2024)
Implementing regulation - EU - 2024/2526 - EN - EUR-Lex (24.9.2024)
【アフリカ豚熱】スウェーデンではじめて確認。発生から1ヶ月。【ASF, アフリカ豚コレラ】 - pelicanmemo - pelicanmemo (2023-10-13)
アフリカ豚熱(アフリカ豚コレラ) - pelicanmemo
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(SVAより)
2023年9月6日、スウェーデン南部、ヴェストマンランド(Västmanland)県のファゲルスタ(Fagersta)市郊外の森で見つかった野生イノシシの死骸で、はじめてアフリカ豚熱(ASF(African Swine Fever、旧称:アフリカ豚コレラ)陽性が確認された。
アフリカ豚熱(ASF)陽性が確認された後、約140平方kmのエリアを封鎖して立ち入りが禁止された。さらに外側の約1000平方kmを観察エリアとして指定された。規制エリア内では、計124頭の野生イノシシの死骸が発見され、このうち70頭でASF陽性が確認された。ハンターなどによって野生イノシシ105頭が殺され、制限エリアのコアエリアには生きている個体は残っていないと推測されている。
最後に死骸が発見されたのは2023年11月24日だった。頭蓋骨や足の骨だったので古い死骸だと判断された。
関係当局と狩猟協会やハンター、地元コミュニティの住人や企業など多くの利害関係者の間で良好な連携がとれていたことも、大きな成功要因だっただろう。例えば、ASF陽性がはじめて確認されてから1週間後には、地元のハンター数百人がボランティア(*)で、規制エリア内外でイノシシの死体を捜索していたそうだ。それだけASF感染と流行拡大への危機感が共有されていたのだろう。イノシシの移動を制限するためのフェンスも、比較的早く設置されている。
(*)追記:後に捜索作業に対する報酬(初期のボランティア活動に対する遡及的な報酬も含む)が支払われるようになった。
場所とタイミングもよかった。
ASF陽性が確認された地域は非常に痩せた土地だったため、ASF発生が確認された時期には、野生イノシシの個体群の多くは食べ物を求めて他の地域へ移動していたようだ。個体数が少なく、規制エリア内で餌付けを行うことで中心地域に留まらせるなど制御が比較的に容易だったと考えられている。また、9月にASF発生が確認されたので、初雪が降るまでの2ヶ月以上にわたって死骸の捜索と生きている個体の殺処分を続けることが出来たそうだ。
スウェーデンでは養豚場などの飼育豚は、ASF陽性が確認された地域から遠くない南部に集中しているので、もしすこし運が悪かったら、これほど迅速に清浄地域として復帰はできなかったかもしれない。
スウェーデン国立獣医学研究所(SVA)の国家獣医師、カール・シュタール(Karl Ståhl)博士は専門誌Pig Progressのインタビューで、「結論として、好ましい状況にあったが、迅速かつ効果的な対応も良い展開に貢献したと思う」と述べ、EUの獣医師緊急チームの迅速な到着や、これまでASFに対処している他のヨーロッパ諸国のスタッフによる助言と支援もあったと指摘した。
アフリカ豚熱(ASF)ウイルスが、どこから、どうやって、スウェーデンのファゲルスタ(Fagersta)市にやってきたのか?はっきりとは分かっていない。
市南東のリサイクル・センター付近が感染の中心と推測されている。15年ほど前にはこの地域にイノシシはほとんどいなかったが、ごみ捨て場が地元のイノシシのえさ場となっていたため個体数が増えていたそうだ。
ASFウイルスに汚染された豚肉・豚肉加工品が持ち込まれ、製品かその食べ残しがごみ捨て場に集められたゴミの中にあったか、周辺に遺棄・ポイ捨てされていたと考えられる。
ファゲルスタ(Fagersta)市では、10月12日(土曜日)にアフリカ豚熱(ASF)から解放を祝うお祭りが開かれている。
祝賀会では、記録的な速さで”無罪”を勝ち取ることに貢献してくれたすべての狩猟者、フェンスの警備員、標識の設置者、その他の人々に特に感謝したいそうだ。
欧州委員会は9月24日、イタリアのサルディーニャ(Sardinia)島(サルジニア島)におけるアフリカ豚熱(ASF)の撲滅も承認した。
「ついに」と書いても良いだろう。1982年からサルディーニャ島で野生イノシシと飼育豚の間で流行していたアフリカ豚熱(ASF)遺伝子I型の流行が、長年の対策によって、ついに撲滅に成功した。
Psa, Schillaci e Lollobrigida: “Sardegna libera dal virus, risultato straordinario”
Sverige friförklarat från afrikansk svinpest – arbetet fortsätter – Sveriges Natur (9 oktober 2024)
Hurra, vi är fria från afrikansk svinpest!
African Swine Fever (ASF) free status granted to Sweden
Afrikansk svinpest (ASF) - Jordbruksverket.se
Implementing regulation - EU - 2024/2526 - EN - EUR-Lex
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Finally, on the basis of the information and justification provided by Sweden, and taking into account the effectiveness of the disease control measures for African swine fever for wild porcine animals in certain restricted zones II and I listed in Annex I to Implementing Regulation (EU) 2023/594 being applied in Sweden in accordance with Delegated Regulation (EU) 2020/687, and in particular those laid down in Articles 64, 65 and 67 thereof, and in line with the risk mitigation measures for African swine fever set out in the WOAH Code, certain zones in the Västmanland county in Sweden, currently listed as restricted zones II and I in Annex I to Implementing Regulation (EU) 2023/594 should now be delisted from that Annex due to the absence of African swine fever outbreaks in kept and wild porcine animals in those restricted zones II and I and in the zones that those restricted zones II and I are bordering, for the past twelve months.
ASF Sweden: Outbreak seems to get resolved in record time (2024-09-01)