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海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

日中高級事務レベル海洋協議、第16回会議 福島第一原発 ALPS処理水の海洋放出の後、はじめて開催

20231014115126环球网より)

日中高級事務レベル海洋協議、第16回会議が、10月13日に中国の江蘇省揚州市で対面形式で開催された。

前回(第15回)は4月に東京で開催された。8月の東京電力 福島第1原子力発電所のALPS処理水の海洋放出が始まってから初めての開催となるので、日本メディア各社は記事タイトルなど特に取り上げている。

日本側から、中国海警局に所属する艦船による尖閣諸島の周辺の日本の領海への侵入を直ちに止めるよう強く求めた。また、東シナ海の日中中間線の日本側EEZで確認されたブイについて抗議するとともに、即時撤去を改めて強く求めた。

 

 

今回の第16回協議では、日本の外務省発表では13項目に対して、中国の外交部発表ではわずか段落4つの簡潔な発表となった。日本側の発表では本文は2886文字(参考1,2は含まない)、中国側の発表では本文はわずか600文字だった。

日本側の発表で「〜で一致しました。」と書いてある項目でも、中国側は発表しないことが増えた。日中両国でコンセンサスが得られた事柄を発表するよりも、自らの主張を発表するばかりになっている。

へんなとこで対立が強まっていると、他の項目で「一致」「合意」していてもさらに進展をさせにくくなるだろう。

左側が日本の外務省の発表。右側が中国の外交部の発表(どちらも公式ウェブサイトの発表のスナップショットから(10月14日に画像取得))

20231014115138

第16回日中高級事務レベル海洋協議(結果)|外務省

中日举行海洋事务高级别磋商机制第十六轮磋商_中华人民共和国外交部

 

日中高級事務レベル海洋協議は第12回(2021年2月)から局長級で実施されている(第11回までは局次長級)。
日本側団長は今回(第16回)から鯰博行(なまず・ひろゆき) 外務省アジア大洋州局長に変わった(前回(第15回)まで団長をつとめた船越健裕氏は外務審議官(政務担当)となった(2023/08/08付))。中国側団長は洪亮 外交部辺境海洋事務局長(外交部边界与海洋事务司司长)で第12回から変わっていない。
(*)このブログでは、引用しているものを除き、外交部边界与海洋事务司の訳は”辺境海洋事務局”を使用する(中国は、いわゆる九段線のように、一方的に国境・境界を設定するので違和感がある)。

 

日中高級事務レベル海洋協議、第15回会議 中国軍による台湾周辺での軍事演習の最中に開催 - pelicanmemo (2023-04-11)

海事 カテゴリーの記事一覧 - pelicanmemo

 

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当ブログの日中高級事務レベル海洋協議をとりあげた一連の記事では、日中両国の参加した省庁を記録してきたんだけど、今回(第16回)は、中国の外交部の発表は「両国の海洋関係部門の代表が参加した(関係两国各涉海部门代表参加)」とだけ書かれていて、参加した組織の一覧も記載されなかった。そこまで削らんでもいいのに・・・😬

仕方ないので日本の外務省の発表だけを参考にした。

20231014115118

中国側の組織は、前回と変わっていない。

 

日本側の組織は、前回(第15回)参加していた内閣府が参加しなかった。前回(第15回)が新型コロナ下を挟んで4年ぶりの対面形式だったので人的交流のために参加しただけだったのかもしれない。国土交通省が参加しなかった。

20231014115122

 

 

日中高級事務レベル海洋協議、第16回会議は全体会議と「海上法執行及び海上安全(海上执法与安全)」「海上防衛(海上防务)」「海洋経済(海洋经济)」の3つのワーキンググループに分かれて会議が行われた。ここも中国外交部の発表では省かれている。(ヤレヤレ

2.双方は、全体会議のほか、(1)海上法執行及び海上安全、(2)海上防衛、(3)海洋経済の3つのワーキンググループに分かれて会議を行い、東シナ海情勢等について個別の事案に関する懸念事項も含む様々な課題や、海洋分野における協力の在り方等について率直に議論しました。

これまでは日本側の発表と中国側の発表とを比較して、表現がどう変わったか?どう進展したか?など分析して記録してきたんだけど・・・、中国側の発表がスカスカなので、仕方ないから、日本側の発表内容をもとにしてどう変化があったか書いてみたい。

 

 

中国側の主張は、2つめの段落に集約されている。

中国が一方的に主張している東シナ海や尖閣諸島、南シナ海、台湾等の問題について、中国の領土主権と安全保障上の懸念を尊重して日本は否定的な言動をすべて止めろ、というものだ。また福島第一原発のALPS処理水の海洋放出については、同じ発表の繰り返しにすぎない。

中方阐述了在东海、钓鱼岛、南海、台海等问题上的立场,敦促日方切实尊重中国领土主权和安全关切,停止在上述问题上的一切消极言行。中方对日本向海洋排放核污染水表示强烈不满,要求日方以负责任态度妥善处置。

 

3.日本側から、我が国の立場に基づき、中国海警船による尖閣諸島周辺の我が国領海への侵入を直ちに止めるよう強く求めました。加えて、東シナ海の地理的中間線の東側の我が国排他的経済水域で確認されたブイについて抗議するとともに、即時撤去を改めて強く求めました。また、これらを含む東シナ海情勢、南シナ海情勢、我が国周辺海域における中国の活発化する軍事活動に対し、深刻な懸念を表明するとともに、台湾海峡の平和と安定の重要性についても改めて提起しました。

 

9月下旬に中国の海事当局が、掘削船「勘探8号」を尖閣諸島の大正島から北東におよそ140kmの海域へ移動させるという発表があり、それをネタにして報道やネットSNSが盛り上がっていた。

今回(第16回)の日中高級事務レベル海洋協議では、日中中間線の日本側EEZの海洋ブイについて抗議しているが、あの掘削船については触れていない。中国側が外交ルートで「海事局の発表は入力ミスによるもので、そうした事実はない」と発表自体を撤回したことを日本側に伝えたところで終わった話だろうし、その後の調査と分析でもウソやゴマカシではないと日本側も判断したのではないだろうか。

中国、掘削船を日中中間線を大きく越えて、尖閣諸島の北東140kmまで曳航? →緯度の数字の打ち間違えか?(追記ありx2) - pelicanmemo

 

 

東京電力 福島第1原子力発電所のALPS処理水の海洋放出に関連して、前回(第15回)は、中国側も具体的な意見を述べていたけれども、今回は「強烈な不満を表明して、責任ある態度で適切に対処するよう求めた」だけ。

中方对日本向海洋排放核污染水表示强烈不满,要求日方以负责任态度妥善处置。
(第16回協議)

中方再次对日本向海洋排放核污染水计划表达关切,敦促日方正视国际社会正当合理关切,本着对海洋环境和人类健康负责任的态度,以公开、透明、科学、安全的方式妥善处理。
(第15回協議)

7.東京電力福島第一原子力発電所のALPS処理水の海洋放出について日本側から我が国の立場を改めて明確に述べるとともに、科学的根拠に基づかない中国側の措置は全く受け入れられないとして、中国側による日本産水産物の全面的な一時輸入停止措置を含む日本産食品の輸入規制措置の早期撤廃を改めて強く求めました。

10月に始まった2回目の海洋放出では、IAEA(国際原子力機関)の専門家が海水や堆積物、魚のサンプルを採取する。IAEAのスタッフのほか、中国や韓国、カナダも参加するそうなので、中国側には科学的根拠に基づいた見解を示してほしいものだ。
もっとも、中共中央はどうも政治や面子のあたりで態度を硬化させているので、いろいろとイカンね。

IAEAが福島第一原発近くの海水などサンプル採取へ 中国も参加 | NHK (2023年10月11日)

 

 

日中防衛当局間の海空連絡メカニズムの下でのホットラインや、ハイレベルを含む防衛当局間における交流と対話について。

日本の外務省の発表では「一致しました」となっている。前回(第15回)とほぼ同じ内容なので、中国側も発表はしていなくても「同意」をしているだろう。

8.双方は、本年5月に運用を開始した日中防衛当局間のホットラインや、ハイレベルを含む防衛当局間における交流と対話を通じた意思疎通を引き続き推進していくことで一致しました。

 

 

海上保安庁と中国海警局。
第13回から出はじめた日中の海上保安機関・教育機関間の交流について、前回(第15回)の発表とほぼ同じ内容だった。前回(第15回)は日中双方から発表されていた。(前回は”麻薬取締り”だったのが今回は”薬物取締り”に変わった)

ほかのところでの対立が強まっているので、一致や同意をしていても、そこだけ話を進めるわけにもいかないだろう。

9.双方は、日中海上保安機関・教育機関間の交流を進めることを確認するとともに、二国間や多国間会合の枠組み等を利用して意思疎通を継続し、相互理解・信頼を引き続き醸成していくことで一致しました。

10.双方は、密輸、密航、薬物取締り等の犯罪取締りの重要性を共有し、引き続き連携協力していくことで一致しました。

 

日中海上捜索救助(SAR)協定が2019年2月に発効し、地方の管区海上保安本部の窓口間の共同通信訓練など行われている。ここも前回(第15回)の発表とほぼ同じ内容だった。

11.双方は、2019年2月に発効した日中海上捜索救助(SAR)協定を踏まえた海上捜索救助協力強化に関する情報交換等を継続し、地方窓口間の通信訓練等の実施を含む円滑かつ効率的な海上捜索救助に引き続き協力して取り組むことで一致しました。

 

漁業と違法操業(IUU)の問題に関してもほぼ同じ内容。
前回(第15回)の発表と同じく、日中間で食い違ったままだろう。

5.日本側から、日本海の大和堆周辺水域における中国漁船による違法操業について、中国側の対応を改めて強く要請するとともに、意思疎通を強化していくことを確認しました。

 

 

東シナ海ガス田の問題や、「瀬取り」と対北朝鮮制裁についてなんの進展も変化も無いようだ。

4.日本側から、東シナ海資源開発問題に関して、昨年新たに2基の構造物が設置されたこと等に対して我が国の立場と強い懸念を改めて申し入れました。双方は、東シナ海の資源開発に関する「2008年合意」を推進・実施すべく、引き続き緊密に意思疎通を続けていくことを確認しました。

6.日本側から、「瀬取り」への対応を含め、対北朝鮮制裁に係る国連安保理決議の完全な履行の重要性を提起しました。

 

海洋プラスチックごみ問題に関する協議だけは順調だと思いたかったけれども…😔、日本の外務省発表で前回(第15回)の発表にあった「国際的な枠組みに日中両国が積極的に貢献」という部分が削られた。ALPS処理水の海洋放出に対する中国の態度と対応が影響して、海洋ゴミ対策・海洋汚染に対して「日中両国が積極的に」貢献とは書けなかったのかもしれない。

12.双方は、プラスチックを含む海洋ごみ問題について、日中の様々なレベルでの協力を引き続き推進することで一致しました。

 

 

第17回日中高級事務レベル海洋協議は、来年(2024年)の前半に開催されるだろう。

13.双方は、今後とも海洋分野について意思疎通を継続・強化していくことで一致するとともに、第17回日中高級事務レベル海洋協議の開催に向けて、具体的な調整を始めることで一致しました。

双方原则同意,明年上半年在日本举行中日海洋事务高级别磋商机制第十七轮磋商。

 

中国の外交部発表では、この前に「東シナ海を平和、協力、友好の海に」といった次の段落が入れられている。TBSが特にとりあげて報じているが、双方同意と書いていてもこれは中国側のいつもの定型の表現を差し込んだにすぎない。

双方同意,继续坚持把东海建设成为和平、合作、友好之海的目标和宗旨,就涉海事务保持密切沟通,努力管控矛盾分歧,加强互利合作,共同维护海上局势稳定。

一方で、「東シナ海を平和、協力、友好の海にするという目標を引き続き堅持し、緊密な意思疎通を維持することでも合意した」としています。

日中高級事務レベル海洋協議 水産物輸入停止に早期撤廃求める | TBS NEWS DIG

 

 

輸入停止撤廃を要求、処理水で日本政府 中国と海洋協議 - 日本経済新聞

日中局長級が海洋問題協議 日本、処理水めぐり禁輸撤廃を要求:朝日新聞デジタル

日中高級事務レベル海洋協議 水産物輸入停止に早期撤廃求める | TBS NEWS DIG

日中、処理水放出巡り激しい応酬 海洋協議、水産物禁輸で | 共同通信

中日举行海洋事务高级别磋商机制第十六轮磋商

外務次官に岡野正敬氏 外務審議官は船越健裕氏 - 日本経済新聞

 

 

日中高級事務レベル海洋協議第1回会議(概要) | 外務省
日中高級事務レベル海洋協議第2回会議(概要) | 外務省
日中高級事務レベル海洋協議第3回全体会議及びワーキンググループ会議の開催 | 外務省
日中高級事務レベル海洋協議第4回会議(結果) | 外務省
日中高級事務レベル海洋協議第5回会議(結果) | 外務省
日中高級事務レベル海洋協議第6回会議(結果) | 外務省 
第7回日中高級事務レベル海洋協議(結果) | 外務省
第8回日中高級事務レベル海洋協議(結果) | 外務省
第9回日中高級事務レベル海洋協議(結果) | 外務省
第10回日中高級事務レベル海洋協議(結果) | 外務省 
第11回日中高級事務レベル海洋協議(結果) | 外務省 
第12回日中高級事務レベル海洋協議(結果)|外務省
第13回日中高級事務レベル海洋協議(結果)|外務省
第14回日中高級事務レベル海洋協議(結果)|外務省
第15回日中高級事務レベル海洋協議(結果)|外務省

第16回日中高級事務レベル海洋協議(結果)|外務省

 

中国の外交部のURL・ドメインが変わったためトップページに飛ばされてしまう。中国政府网の該当記事のリンクも追加した。

中日举行第一轮海洋事务高级别磋商 — 中华人民共和国外交部
中日重启海洋事务高级别磋商 — 中华人民共和国外交部
中日举行第三轮海洋事务高级别磋商 — 中华人民共和国外交部
中日举行第四轮海洋事务高级别磋商 — 中华人民共和国外交部中国政府网
中日举行第五轮海洋事务高级别磋商|中国政府网(来源:新华社)中国政府网
中日举行第六轮海洋事务高级别磋商|中国政府网(来源:新华社)中国政府网
中日举行第七轮海洋事务高级别磋商 — 中华人民共和国外交部中国政府网
中日举行第八轮海洋事务高级别磋商 — 中华人民共和国外交部
中日举行第九轮海洋事务高级别磋商 — 中华人民共和国外交部中国政府网
中日举行第十轮海洋事务高级别磋商 — 中华人民共和国外交部中国政府网
中日举行第十一轮海洋事务高级别磋商 - 中国政府网(来源:新华社)中国政府网
中日举行第十二轮海洋事务高级别磋商 — 中华人民共和国外交部中国政府网
中日举行第十三轮海洋事务高级别磋商 — 中华人民共和国外交部中国政府网
中日举行海洋事务高级别磋商机制第十四轮磋商_中华人民共和国外交部 (中国政府网
中日举行海洋事务高级别磋商机制第十五轮磋商-新华网(来源:新华社)中国政府网

中日举行海洋事务高级别磋商机制第十六轮磋商_中华人民共和国外交部(中国政府网)

(外交部プレスリリースに、第五回、第六回、第十一回、第十五回は見当たらない(報道官談話や報道発表はある)) 

 

 

日中高級事務レベル海洋協議、第9回会議、仙台市で開催| 中国共産党・国務院の機構改革の後、はじめて - pelicanmemo (2018-04-21)

日中高級事務レベル海洋協議、第10回会議、浙江省で開催 - pelicanmemo (2018-12-19)

日中高級事務レベル海洋協議、第11回会議、北海道小樽市で開催 - pelicanmemo (2019-05-14)

日中高級事務レベル海洋協議、第12回会議 オンライン形式で開催 - pelicanmemo (2021-02-07)

日中高級事務レベル海洋協議、第13回会議 海上保安大学校と中国海警学院との交流? - pelicanmemo (2021-12-21)

日中高級事務レベル海洋協議、第14回会議 海空連絡メカニズムのホットライン早期運用へ - pelicanmemo (2022-11-23)

日中高級事務レベル海洋協議、第15回会議 中国軍による台湾周辺での軍事演習の最中に開催 - pelicanmemo (2023-04-11)

(第1回〜第8回へのリンクは省略。第9回会議のブログ記事から遡ってどうぞ)

 

 

ーーーーーー

以下、日本と中国の発表全文テキスト。

第16回日中高級事務レベル海洋協議(結果)|外務省

10月13日、第16回日中高級事務レベル海洋協議が中国江蘇省揚州市において開催されたところ、概要は以下のとおりです。

1.同協議には、日本側から、外務省のほか、水産庁、資源エネルギー庁、海上保安庁、環境省及び防衛省が参加し、中国側から、外交部のほか、中央外事工作委員会弁公室、国防部、自然資源部、生態環境部、交通運輸部、農業農村部、国家エネルギー局及び中国海警局が参加しました。

2.双方は、全体会議のほか、(1)海上法執行及び海上安全、(2)海上防衛、(3)海洋経済の3つのワーキンググループに分かれて会議を行い、東シナ海情勢等について個別の事案に関する懸念事項も含む様々な課題や、海洋分野における協力の在り方等について率直に議論しました。

3.日本側から、我が国の立場に基づき、中国海警船による尖閣諸島周辺の我が国領海への侵入を直ちに止めるよう強く求めました。加えて、東シナ海の地理的中間線の東側の我が国排他的経済水域で確認されたブイについて抗議するとともに、即時撤去を改めて強く求めました。また、これらを含む東シナ海情勢、南シナ海情勢、我が国周辺海域における中国の活発化する軍事活動に対し、深刻な懸念を表明するとともに、台湾海峡の平和と安定の重要性についても改めて提起しました。

4.日本側から、東シナ海資源開発問題に関して、昨年新たに2基の構造物が設置されたこと等に対して我が国の立場と強い懸念を改めて申し入れました。双方は、東シナ海の資源開発に関する「2008年合意」を推進・実施すべく、引き続き緊密に意思疎通を続けていくことを確認しました。

5.日本側から、日本海の大和堆周辺水域における中国漁船による違法操業について、中国側の対応を改めて強く要請するとともに、意思疎通を強化していくことを確認しました。

6.日本側から、「瀬取り」への対応を含め、対北朝鮮制裁に係る国連安保理決議の完全な履行の重要性を提起しました。

7.東京電力福島第一原子力発電所のALPS処理水の海洋放出について日本側から我が国の立場を改めて明確に述べるとともに、科学的根拠に基づかない中国側の措置は全く受け入れられないとして、中国側による日本産水産物の全面的な一時輸入停止措置を含む日本産食品の輸入規制措置の早期撤廃を改めて強く求めました。

8.双方は、本年5月に運用を開始した日中防衛当局間のホットラインや、ハイレベルを含む防衛当局間における交流と対話を通じた意思疎通を引き続き推進していくことで一致しました。

9.双方は、日中海上保安機関・教育機関間の交流を進めることを確認するとともに、二国間や多国間会合の枠組み等を利用して意思疎通を継続し、相互理解・信頼を引き続き醸成していくことで一致しました。

10.双方は、密輸、密航、薬物取締り等の犯罪取締りの重要性を共有し、引き続き連携協力していくことで一致しました。

11.双方は、2019年2月に発効した日中海上捜索救助(SAR)協定を踏まえた海上捜索救助協力強化に関する情報交換等を継続し、地方窓口間の通信訓練等の実施を含む円滑かつ効率的な海上捜索救助に引き続き協力して取り組むことで一致しました。

12.双方は、プラスチックを含む海洋ごみ問題について、日中の様々なレベルでの協力を引き続き推進することで一致しました。

13.双方は、今後とも海洋分野について意思疎通を継続・強化していくことで一致するとともに、第17回日中高級事務レベル海洋協議の開催に向けて、具体的な調整を始めることで一致しました。

(参考1)日中高級事務レベル海洋協議
日本側団長:鯰博行(なまず・ひろゆき)外務省アジア大洋州局長
中国側団長:洪亮(こう・りょう)外交部辺境海洋事務司長

(参考2)日中高級事務レベル海洋協議(近年の開催実績)
  第12回 2021年2月3日(オンライン)
  第13回 2021年12月20日(オンライン)
  第14回 2022年11月22日(オンライン)
  第15回 2023年 4月10日 於:日本(東京都)
  今回  2023年10月13日 於:中国(江蘇省揚州市)

20231014115130

中日举行海洋事务高级别磋商机制第十六轮磋商_中华人民共和国外交部

2023年10月13日,外交部边界与海洋事务司司长洪亮和日本外务省亚洲大洋洲局局长鲶博行在扬州共同主持中日海洋事务高级别磋商机制第十六轮磋商,就两国间涉海事务深入交换意见。两国各涉海部门代表参加。

中方阐述了在东海、钓鱼岛、南海、台海等问题上的立场,敦促日方切实尊重中国领土主权和安全关切,停止在上述问题上的一切消极言行。中方对日本向海洋排放核污染水表示强烈不满,要求日方以负责任态度妥善处置。

双方同意,继续坚持把东海建设成为和平、合作、友好之海的目标和宗旨,就涉海事务保持密切沟通,努力管控矛盾分歧,加强互利合作,共同维护海上局势稳定。

双方原则同意,明年上半年在日本举行中日海洋事务高级别磋商机制第十七轮磋商。

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