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pelicanmemo

ニッチで何となく深読み系。|メモノメモ新館| 海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

中国、国産の4500m級有人深海潜水艇 耐圧殻が完成【画像】

科学・技術 深海

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(赤枠は管理人による)

中国が研究開発をすすめている、4500m級有人深海潜水艇。その耐圧殻が完成、中船重工(中国船舶重工集团公司、CSIC)725研究所から出荷された。有人深海潜水艇の国産化に向けた重要な一歩である、と5月26日付けの科技日報が伝えた。

科学技術部、21世紀議程管理センター海洋処の孙清処長によると、4500m有人深海潜水艇の耐圧殻の研究開発は"国家863計画"の重大項目であり、3つの耐圧殻が製造される。

 

四千五百米潜水器载人球壳出厂(中国科技网)

 

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直径は「蛟竜号」の耐圧殻と同じ2.1m。(居住空間の直径だろう)

製造技術工程も同じで、チタン製厚板をプレスして半球状のお椀を2つ作り、それぞれを加工した後に赤道部を溶接して球状にしている。

 

「蛟竜号」との大きな違いは、観察窓を5つに増やし、素材を中国が自主研究開発した "Ti80" チタン合金にしたところだそうだ。

"Ti80" チタン合金は、米国の"Ti6211"チタン合金をベースに、深海潜水器用に研究開発されたnear-α型チタン合金で、強度は中程度、強靭で耐蝕性、溶接性が優れており、海洋領域において多方面で用いられている。

 

今回の中船725研の"Ti80" チタン合金耐圧殻と、以前記事にした宝钛集团が研究開発をすすめている"TC4 ELI"チタン合金耐圧殻2つのうち1つはナローギャップ溶接(窄间隙手工焊)で、宝钛のもう1つの耐圧殻は電子ビーム溶接(电子束焊接)で、球状に接合するそうだ。試行錯誤して技術開発しているのだろう。

 

日本の「しんかい6500」の耐圧殻は電子ビーム溶接で赤道溶接された。25年前にすでにある技術なので、現在どんな溶接方法が優れているか適しているかは詳しい人の意見を聞きたいものだ。

(懺悔:以前の記事で当初、"4500m級有人深海潜水艇「TC4」"と書き、耐圧殻の素材と名前を勘違いするという大ボケをかましていました。(;´Д`)アウゥ...  (削除修正済み))

 

 

現段階で、4500m有人深海潜水艇の国産化率は85%以上となった(蛟竜号は58.6%)。
さらに、4500m級遠隔操作・自航潜水器とともに運用することで、水深4500mの深海での総合探査・作業を行う能力を得る。

 

この中国の4500m級遠隔操作・自航潜水器「海马(タツノオトシゴ)」、6年の研究開発を経て、この5月8日に科学技術部の検収を受け通過している。2014年には総合科学調査船「大洋6号」による南シナ海での海上試験で、最大潜水深度4502mを記録した。

 

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“蛟龙”之后,“海马”游弋深海(5/9|中国科技网)

 

日本の「かいこう Mk-IV」にはまだまだ及ばないな・・・とか思っているうちに追いついてくるのだろう・・・
そう感じさせるほどに、中国の海洋技術の研究開発の進み方は早い。

「しんかい6500」の無事故25年にはまだまだ・・・と思っている間に経験を積み、より安全な運用のノウハウを学び中国に合わせてアレンジしていくのではないだろうか。

 

これまでに何度か書いてきた事を繰り返したい。(この"pelicanmemo"ブログでは初めてかな?)

 

中国メディアの、蛟竜号関係のニュースをいろいろと読んでいるとこの分野では、"ものづくり"以上に、"ひとづくり"で追い抜かれているような危機感を感じる。・・・

「海洋立国・日本」はどこの澱みに嵌まりこんでいるのかしら?と感じてしまうのは自分だけだろうか。

 

すごいぞ!「しんかい6500」―地球の中の宇宙、深海を探る

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