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海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

中国、1万m級・フルデプス有人深海潜水艇、「奮闘者」号と命名

20200620133134(塗装前)

6月19日、中国で研究開発が進められている水深1万メートル級のフルデプス有人深海潜水艇が「奮闘者(奋斗者)」号と命名された。マリアナ海溝の最深部への潜水調査が計画されている。

 

水深10000m以上の、世界でもっとも深い海の底に到達した人類は宇宙空間よりも少ない。

1960年1月の「トリエステ (Trieste)」で2人、2012年3月「ディープシー・チャレンジャー (Deepsea Challenger)」で1人。わずかこれだけだった。しかし、昨年(2019年)4月に「Five Deeps Expedition」が世界の5つの海溝の最深部への到達に成功。今年(2020年)も6月7日に、「Ring of Fire Expedition」でマリアナ海溝への1度目の潜航に成功した。NASAの元宇宙飛行士キャサリンD.サリバンが、女性としてはじめてチャレンジャー海淵の最深部に到達した(宇宙遊泳と深海底最深部の二冠をはじめて達成)。

 

日本メディアではほとんど話題にされないけれども、現在進行形で、世界的に注目が集まっている領域のひとつだ。

 

中国でのフルデプス有人深海潜水艇の研究開発は、国家「十三五」重点研究開発計画(第13次5カ年計画(2016年~2020年))での”深海のキーテクノロジーと装備”項目によって行われている。

7000m級「蛟竜」号や国産4500m級「深海勇士」号と同じ方式で、中国船舶702研究所(中国船舶重工集团公司第702研究所(CSSR))(以降、中船702研究所)ですすめられてきた。2016年に開発プロジェクトがスタート、昨年(2019年)11月に国産のチタン製耐圧殻が完成し、今年(2020年)2月には陸上での組み立てが完了していた。
3月から、江蘇省無錫市の太湖のほとりにある中船702研究所の、試験池での潜水試験が行われている。

 

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名前はネットSNSを通じて一般公募が行われた。4月22日から5月1日に10万人が参加した投票により、その中から「奮闘者(奋斗者)」が選ばれた。

ほかには、「蛟竜」号の名前から「蛟竜PLUS」「蛟竜PRO」「蛟竜MAX」や、「騰淵」号、荘子の外篇の秋水篇から「万川」号、さらには海の底だから「海底撈(海底捞)」😂というのもあった。 

 

まあ・・・、火鍋で大もうけして主要スポンサーにでもなったなら、もしかしたら深海潜水艇「海底撈」というのも・・・起きたりして。🤪

视频丨中国万米载人潜水器命名为“奋斗者”号_手机新浪网

定了!中国万米载人潜水器命名为:奋斗者号!

中国、1万m級・フルデプス有人深海潜水艇、耐圧殻が完成 - pelicanmemo (2019-11-08)

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全体的に出っ張りが少なく、流線型を意識しているようだ。

高強度高靭性のチタン合金製耐圧殻の直径が2mなので、ざっくりと計算してみると、緑色と白色に塗装されている本体部分だけで全長9m強、全幅3m弱、全高4m弱。サンプルバスケットなどを含めた全長は11mくらいだろうか。

日本の「しんかい6500」が全長9.7mなのでひとまわり大きい。

 

可動の投光器やカメラを固定するためのフレームは最小限となり、ライトはできる限り本体に組み込む設計となった。

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スラスター(推進器)は、主スラスターが船尾に4基。うち2基は7000m級「蛟竜」と同じように本体に斜めに固定されており、船尾の水平方向の推進力も得られる。

水平スラスターは船首に1基、垂直スラスターは前と後ろに4基。

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垂直尾翼が上に突き出さない設計になった。

天井も平べったくはなく、耐圧殻のコニカルハッチが露出していない。母船のへ揚収のときにAクレーンで吊って固定する為のマウントが大きく飛び出している。

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「しんかい6500」をはじめ有人深海潜水艇は、水平の姿勢のまま潜り浮上する。

中国のフルデプス「奮闘者」号は、水の抵抗を極力減らすデザインを採用することで深海底までの到達時間を短くしようとしたのだろう。深海底での活動時間をそれだけ長くする事ができる。

 

ジェームズ・キャメロンの「ディープシー・チャレンジャー」は、縦に細長い船体を採用し、まっすぐ潜ることでチャンジャー海淵の最深部までわずか2時間36分で到達した。 

そこまでは思い切ったことはしないと思うけど、2012年の「ディープシー・チャレンジャー」の成功が、中国のフルデプス有人深海潜水艇の設計にまったく影響を与えなかったとは考えにくい。

20200621170328 DEEPSEA CHALLENGEより) 

 

 

マニピュレーターは中国国産となったようだ。(蛟竜号のマニピュレータは、Schilling Robotics社製の「Orion7P」)

水深11000級の無人試験機(ROV)「海竜11000(海龙11000)」で、光ファイバー・ケーブルや多芯線貫通金物などの耐圧耐水等の実証試験が行われていた。

水深1万m級のシンタクチック・フォーム(浮力材)の国産化もされている。 

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中国は着実に、海洋技術と装備の研究開発と人材の育成をすすめている。

 

 

ところで、御披露目のときの、船尾のマークは、CSSC(中国船舶工業集団公司(China State Shipbuilding Corporation))と、中国科学院(Chinese Academy of Sciences)

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船首近くのは「国家重点研发计划(国家重点研究開発計画」における「深海关键技术与装备专项(深海キーテクノロジー・装備項目」のマーク。 

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The Five Deeps Expedition

RING OF FIRE EXPEDITION - Expedition to various points in the Pacific Ocean. -

Challenger Deep - Crewed descents - Wikipedia