pelicanmemo

海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

【アフリカ豚コレラ】 モンゴル国、6つの県で確認 | ロシアでモンゴル国のソーセージからも検出 (追記あり)

20190115200943(via.MNB.mn)

モンゴル国の中央獣医ラボラトリー(SCVL)は12日、4つの県でアフリカ豚コレラが確認されたと発表した。
モンゴルの地元メディアと、中国の新華社通信が報じた。

 

4つの県(アイマク,аймаг)は、中部地方の、ボルガン県(Булган аймаг)、オルホン県(Орхон аймаг)、ドンドゴビ県(Дундговь аймаг)と、首都ウランバートルを囲むトゥブ県(Төв аймаг)

中国の新華社通信の記事によると約250頭が死亡。モンゴル国立公共放送によると、Баян-Өндөр郡(オルホン県)とЖаргалант郡(トゥブ県北部の?)で合わせて239頭の死亡と報道されている。

 

地元メディアの関連記事を調べると、養豚場・養豚農家の飼育豚でのアフリカ豚コレラ(African Swine Fever(ASF))の発症と死亡の発生例だけではなく、豚肉加工品や食料残滓のサンプルからのASFウイルスの検出も、発表に含まれているようだ。
(追記:国際獣疫事務局(OIE)から、ボルガン県での1件のASF発生が発表された(OIE)。(発症85頭・死亡85頭。死亡総数214頭)
(追記1/19:OIEから、オルホン県、トゥブ県、ドンドゴビ県で、合わせて4件のASF発生が発表された(OIE)。)
(追記:ロシアでモンゴル国の会社の輸入ソーセージからウイルスが検出された。詳しくは記事末尾に追記)

(追記 4/28:その後、モンゴル国でのアフリカ豚コレラ(ASF)の発生拡大は報告されていない。詳しくは記事末尾に追記)

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韓国海軍、レーダー照射 | 低空飛行 「距離500m・高度150m」のP−1哨戒機はどう見える?

20190104121719

(Googleストリートビューのスナップショット画像を加工した。。P-1哨戒機の画像は「出典:海上自衛隊ホームページ」よりお借りした。赤字や赤線・矢印などは管理人による。)

韓国海軍の艦艇による火器管制レーダー照射問題。

韓国国防部と韓国メディアの発表と報道によると、自衛隊のP-1哨戒機は、韓国海軍の「971 広開土大王(クァンゲト・デワン(광개토 대왕))」駆逐艦から距離500m、高度150mを 「威嚇的な低空飛行(저공위협비행)」をしたそうです。

500mの距離で、150mの高さを飛んでいる航空機(全長38m)が、どんな風に見えるものなのか、いまいちイメージ出来なかったので、調べてみました。

 

東京駅丸の内出口から皇居前広場への行幸通りが、まっすぐで広々としており、訪れた人は多く、韓国や外国の方にもわかりやすいでしょう。

東京駅の上をP-1哨戒機が飛行している、というイメージで作ってみました。

 

東京駅から皇居の方へ、行幸通りを約500mは、日比谷通りを越え、和田倉濠を越えたところの皇居外苑の噴水の前あたり。(東京駅の真上を飛行中という状況をイメージしたので、こころもち駅に近い位置のストリービュー画像を使用した。)
和田倉噴水公園 | 皇居外苑 | 一般財団法人国民公園協会

東京駅、丸の内駅舎の中央部の高さは約28m。
高度150mは、約5.4個分に相当する。
丸の内駅舎のみどころ|Tokyo Station City

自衛隊のP-1哨戒機は全長38m。
P-1哨戒機の画像は、海上自衛隊のオフィシャルサイトからお借りした。
少し斜めから撮影された画像だったので、縮尺を2割ほど大きめにした(実際よりも、こころもち大きく感じられるだろう)

哨戒機「P-1」|航空機(固定翼)|装備品|海上自衛隊 〔JMSDF〕 オフィシャルサイト

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中国、1万m級・フルデプス有人深海潜水艇、耐圧殻の溶接、終了

20181228221614
(央视网より)

12月15日、中国の1万メートル級有人深海潜水艇の耐圧殻の、南半球と北半球の溶接が行われた。耐圧殻は高強度高靭性のチタン合金材料で作られ、壁の厚さは105mm、直径2m、重量6トン。中国の自主研究開発により製造された。

万米潜器“载人舱球壳”一次焊接成型 - 中国海洋报

 

中国フルデプスの耐圧殻の製造工程について簡単に書いておこう。

耐圧殻は、まずチタン合金の板のプレスによる熱間成形によって、2つの半球が別々に製造される。これらは北半球、南半球と呼ばれる。

20171101071525央视网より)

中国、1万メートル級のフルデプス有人深海潜水艇、耐圧殻の熱間成形に成功 - pelicanmemo (2017-11-26)

 

次に、覗き窓やコニカルハッチ、ケーブル等の貫通金物のための機械加工、溶接、熱処理等が行われる。

20180402070203央视网より)

中国、1万m級・フルデプス有人深海潜水艇、耐圧殻の溶接、始まる。 - pelicanmemo (2018-04-04)

そして今回、"北半球"と"南半球"とを"赤道"で接合して球状にする、高真空チャンバーでの溶接作業が行われた。

 

中国の資料と報道によると、中国の1万m級フルデプス有人深海潜水艇の耐圧殻の製造方法は、日本の「しんかい6500」とだいたい同じのようだ。

「しんかい6500」の資料が参考として分かりやすいだろう。
(中国フルデプスの工程は、現在、2段目の最後「赤道電子ビーム溶接」。)

20180403193443

『「しんかい6500」耐圧殻の設計・製作』 海洋科学技術センター試験研究報告 第23号(1990/03/01 )(pdfファイル)より 

http://www.godac.jamstec.go.jp/catalog/data/doc_catalog/media/shiken23_18.pdf

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空港などで働く、検疫探知犬について調べてみた | 日本、台湾、韓国、中国

20181031210206(動物検疫所より)

旅行者の手荷物や国際郵便物の中から、動植物の検疫検査を必要とする肉製品などを嗅ぎ分ける「検疫探知犬 (quarantine detector dog)」。

アフリカ豚コレラ(ASF)、豚コレラ(CSF、古典的豚コレラ)、口蹄疫、鳥インフルエンザなどの家畜の伝染病、植物の病害虫が国内に入り込まないよう、見張って 嗅いで守っています。

現在、多くの国で家畜の病気が発生しており、また、おみやげや個人消費用のものは検査証明書の取得が難しいため、肉製品や動物由来製品のほとんどは、日本へ持ち込むことができません。

不正な持ち込みは、罰則の対象となりますのでご注意ください。

肉製品などのおみやげについて:動物検疫所

日本で検疫犬が導入されたのは意外と遅く、2005年(平成17年)12月から成田国際空港に導入。2008年(平成20年)2月から関西国際空港、2012年(平成24年)2月から羽田空港に導入されました。

お隣りの、台湾では2002年(民国歴91年|平成14年)10月から、中国では2001年(平成13年)12月から、韓国では2001年(平成13年)1月から導入されています。

2018年(平成30年)戌年も終わるので、これについて少し。 

 

2019年検疫探知犬カレンダーができました。
検疫探知犬カレンダー(2019年版)のページからご自由にダウンロードしてご利用ください。
http://www.maff.go.jp/aqs/topix/attach/pdf/pamphlet-73.pdfhttp://www.maff.go.jp/aqs/topix/attach/pdf/pamphlet-74.pdf

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韓国海軍、レーダー照射 | 海洋警察庁の警備艦「サンボンギョ 5001」の救助活動と北朝鮮の漁船と軍と

20181228221335(防衛省より)

韓国海軍の艦艇による火器管制レーダー照射問題。

防衛省は12月21日、海上自衛隊厚木基地所属のP-1哨戒機が、韓国海軍の広開土大王級駆逐艦「971 広開土大王」から、火器管制レーダーを照射されたと発表。28日に、P-1哨戒機が撮影した動画を、防衛省サイトおよび動画共有サイトYouTubeで公開した。

防衛省・自衛隊:韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について(12月28日)

 

現場の海上には、「971 広開土大王(クァンゲト・デワン(광개토 대왕))」駆逐艦の他、約1000mの距離に海洋警察庁の5000トン級警備救難艦「5001 参峰号(サンボンギョ(삼봉호))(*)とその搭載艇(推定)2隻、そして漁船1隻が写っている。

(*)(追記1/2:「サンボンギョ(삼봉호)」の漢字は「三峰号」が適切との指摘もあります)

追記2019/01/05 韓国の国防部から"反論映像"が公開されました。海洋警察庁の搭載艇から撮影した映像パートの、「漁船」と海洋警察の隊員と思われる音声について追記しました。(長くなるので、詳しくは記事末尾に追記)

 

漁船は、北朝鮮の木造のイカ釣り漁船とよく似ている。
「5001 サンボンギョ」の搭載艇(左下)と比較すると、漁船は全長10数m〜20mくらい。

追記2019/01/03:この漁船は、韓国国防部が発表した「1トン未満の小型木船」にしては大きい。別の漁船ではないか?という指摘がありました(長くなるので、詳しくは記事末尾に追記)

 20181228221339
2018122822133820181228221340国道交通省資料より(比較のため画像の左右を反転させた))

 

これについて、多くの報道があり、いろいろな人が文を書いている。
日本メディアが報道していない(だろう)あたりを絡めて、韓国側、海洋警察庁の方向から考えたことを、少し書いてみたい。

 

11月に、日本海の大和堆近くの海域で、韓国の漁船が、北朝鮮軍の警備船に拿捕されたり追い返された事件が複数あった。

 

・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・

26日の記事で、この火器管制レーダーが照射された海域はどのあたりか考察してみた。
今回の記事を書くにあたって、韓国メディアの他の情報と合わせて、更新した地図を作成しました(詳しい解説は記事末尾で)

韓国海軍、レーダー照射|現場の海域はどのあたり?【地図】 - pelicanmemo

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