米国の、ドナルド・トランプ(Donald John Trump)時期大統領は、新設する国家通商会議(National Trade Council, NTC)のトップに、対中強硬派と言われるピーター・ナヴァロ(Peter Navarro)氏を指名した。
トランプ次期米大統領は21日、ホワイトハウスに国家通商会議(NTC)を新設し、統括役となる大統領補佐官・通商産業政策部長にカリフォルニア大のピーター・ナバロ教授(67)を指名すると発表した。ナバロ氏は対中強硬派として知られ、米国と中国の貿易摩擦が激化する恐れがある。
米次期政権が「国家通商会議」 トップに対中強硬派 :日本経済新聞
トランプ氏、国家通商会議を新設 責任者に対中強硬派ナバロ氏 | ロイター
ナヴァロ氏の著書『Crouching Tiger: What China's Militarism Means for the World』の邦訳『米中もし戦わば 戦争の地政学』(翻訳:赤根洋子、解説:飯田将史(防衛省防衛研究所 地域研究部 中国研究室 主任研究官))では、中国の軍事を中心に脅威の解説と、それに対して米国が取り得る戦略について詳しく"推理"している(前書きに「地政学的推理小説」と)。
まず、歴史的に既成の大国と、台頭する新興国が戦争にいたる確率は70%(1500年以降。15例中11例)とはじまり驚かされる(納得もした)。
日本を取り巻くいまの情勢と、米国の、1月20日に就任式を控えたトランプ次期大統領の政権の戦略の方向性を考える上で、年末年始の読書に適する一冊だろう。
Ads by Google
アメリカ合衆国は、自国の安全保障のために西太平洋・東シナ海・南シナ海の戦略を考えており、日本を、特に沖縄・南西諸島を、第一列島線・第二列島線をどのように見ているかイメージできる。もちろん違う視点で政策提言をする人もいるが、著者のナヴァロ氏は次期政権メンバー。
正直なところ、米国の次期トランプ政権が何をどう動かそうとするのか不安感が強い。それ以上に、中国共産党と軍部がどのように対応していくのか不透明感が高い(北京のスモッグのように、)。
まず最初に、巻末数ページの解説「日本の安全をどう守るのか」(飯田将史(防衛省防衛研究所 主任研究官)から読まれることをお奨めしたい。
・・・好むと好まざるとに関わらず、米国と中国との軍事的な対立が高まるなら、地政学的に、どちらの国も日本を「最前線」と見立てて軍事戦略を組み立てていく。いきなり爆撃機や核ミサイルや飛び交う事は無い。その狭間で、日本はどのように国民の安全と社会の安定を守り、自分たちの生活、子供たちの未来、老後の生活とを守っていくか考えなければならない。
閑話休題、
その『Crouching Tiger: What China's Militarism Means for the World』(邦題『米中もし戦わば 戦争の地政学』)の内容の大筋を解説するドキュメンタリー映像が作成され、動画共有サイトで公開されていた。
識者たちへのインタビューと、インタラクティブ・マップやCG動画などを交えて、分かりやすく作られている(分かりやすく誤解を与えそうな部分もある)。
音声は英語だが、字幕をネット翻訳の変な日本語に設定できる。なにより無料 😄
動画は5分割、全部で約3時間半。
Crouching Tiger Episode 1: Will There Be War With China? - YouTube
Crouching Tiger Episode 2: The World At the Tip of a Chinese Spear - YouTube
Crouching TIger Episode 3: The Wild Card of North Korea - YouTube
Crouching Tiger Episode 4: The Unsinkable Aircraft Carrier of Taiwan - YouTube
Crouching Tiger Episode 5: Will There Be War Between China and Japan? - YouTube
(*)Episode 3と4は、"リクエストによる埋め込み無効"。
めも
どちらかを選ぶのはいやだし、ほかの選択肢にも問題あると思うが、夢を追いかける社会的な余裕がないのだから、現実的に対応しなければならない。