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中国、国家海洋局の海洋調査船「海測3301」が、インド洋の海洋調査航海を行った。
3000㌧級海洋調査船「海測3301(海测3301(HAI SE 3301))」は、国家海洋局の、南シナ海を管轄する南海分局(第八支隊)に所属する海洋調査船。もと「海警3383」。中国海警局が正式に発足する前は、中国海監・南海総隊の、旗船「海監83(海监83)」だった船だ。
中国海警局の特徴である、船首舷側の赤色と青色の5本線マークは無くなり、ブリッジの前面のエンブレムも見当たらない。
国家海洋局/中国海警局は、近年、新造の3000㌧級以上の大型海警船を増やしている。一方、昨年度後半から、一部の船で、船名を「海警 xxxx」から変えて大型海洋調査船として運用をはじめている。これについて少し。
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「海監83(海监83)」の姉妹船も海洋調査船となった。東シナ海を管轄する東海分局・中国海監東海総隊の3000㌧級「海監50(海监50)」は、中国海警局の正式発足後に「海警2350」となり、現在は、海洋調査船「向陽紅19(向阳红19(XIANG YANG HONG 19))」と変わっている。
「海測3301(もと海警3383)」と「向陽紅19(もと海监50)」の改修の記事や写真を見ると、ウインチを増設・補修し、既存の船尾A型クレーンの右側にクレーンを新装備(海測3301だけ?)している。CTDを運用しているので、サンプルの分析のための研究室や設備も増設されているだろう。ヘリ甲板はそのままなので、少し使いにくそうだ。
「向陽紅(向阳红)」シリーズの海洋調査船は、1970年の「向陽紅01(先代)」を筆頭に数隻を建造、移管して船名の変更も行われていた。以前はよく変わっていた(海軍に一時移管して運用された船もあるので、元海軍の調査船と言われることもある)。
今年、最新の設備を備えた5000㌧級総合海洋調査船「向陽紅03」「向陽紅01」が相次いで正式配属された。さらに2、3隻が建造されているらしい。海洋調査の分野でも、中国の躍進は著しい。
ちなみに国家海洋局は他にも、中国海警局が正式発足するずっと以前から「海監xx」の船名の海洋調査船を複数運用している。 たとえば東シナ海では「海監47」「海監49」「海監53」「海監62」など。中国海監は、オイルリグの油流出事故と海洋汚染の反省と教訓から、海洋環境の監督管理を主な任務としてはじまり、海洋環境調査も行ってきた。(日本の海上保安庁もまた、海洋調査船を複数運用している。)
南海分局の、「海測3301」の船名になぜ「海測(海测)」が付けられたかは分からない(南海分局は、時々、嫌なことをしてくる)。本来は、交通運輸部の海事局(海巡)の測量船に付けられる船名だが、海事局に移管されたわけではないようだ。
他に、1000トン級「海警3173」が「海測3101」に、5000トン級「海警3501」が「海測3501」となる可能性がある。
中国海警局というと、万トン級「海警2901」や5000トン級「海警2501」「海警2502」、20数隻の新造の3000トン級海警船など、海上での法執行船ばかりが話題になっている。むしろ近頃は、海洋調査船の動向と調査活動も重要になってきたと考えている。3000トン級海警船の、海洋調査船への転換はそのひとつなのかもしれない。
東シナ海の日本の管轄海域では、近頃、中国や台湾の海洋調査船による、事前通知なしの海洋調査活動や事前通知とは違う内容の調査活動がたびたび報道されている。
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