Chinese fishery authorities defuted allegations that fishermen in northwest China are selling trout in place of salmon. https://t.co/BNGmc8Z0Sg pic.twitter.com/PocPo3343A
— China News 中国新闻网 (@Echinanews) May 28, 2018
中国、国産"サーモン"の3分の1は、内陸の青海省の高原で養殖されている「淡水サーモン」で、実はサーモン(鮭)ではなくニジマス(虹鱒)だと報道されて、いろいろと話題になっています。
食べ物の安全が話題になることが増えた中国、これまで、"サーモン(鮭)"の刺し身だと思って生で食べていたけれども、実は川魚のニジマスだったと分かったことで、寄生虫が心配されています。
ネットやメディアで大きく話題になったことで、養殖業者やメディアが「誤解だ」と火消しに回ったところ、対応がグダグダで、さらにまたB級中国ぽい炎上をしています。
これについて少し。
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Chinese media reveals that one third of the salmon sold in China is actually rainbow trout farmed in Qinghai on the Tibetan Plateau. https://t.co/c2OLepYT8o pic.twitter.com/O8ZFU4cEOB
— AsiaPacificFishWatch (@Asiapacfish) May 28, 2018
事の発端は、中国中央電視台(CCTV)のビジネス・チャンネル "央視財経"による、青海省の地方産業の紹介ニュース。青海省の竜羊峡(龙羊峡)では"淡水サーモン"の養殖が盛んになっています。
「標高2600mの高原でサーモン生産。チベット高原で、国内市場の3分の1を養殖!(意訳)」(万万没想到,2600米高原产出三文鱼!更令人震惊的是→青藏高原“承包”了国内1/3的市场)。
ところがそこから、内陸の青海省で回遊魚のサーモン(鮭)の養殖が出来るのか?、ニジマスをサーモン(鮭)と偽装しているんじゃないか?、川魚のニジマスを生で食べると寄生虫のリスクがあるぞ。
・・・とまあ、こんな感じ。
日本でも輸入サーモンについて未だに勘違いがあるように、中国でも知識と説明が充分でなかったため混乱したようです。
いわゆる「サーモン」は、狭義にはサケ(シャケ)で、広義にはサケ・マスを広く表しています。
中国語でサーモンは、英語の"salmon"の音から「三文魚(三文鱼)」と書き、魚の種類ではなく、商業的に流通するサケマスの魚に対して一般的に使われています。
日本では、たとえばチリ産の養殖サーモンは主に、アトランティック・サーモン(タイヘイヨウサケ)、ギンザケ(銀鮭)、サーモントラウトがあります。このサーモントラウトはニジマスです。
このチリ産の養殖サーモントラウト(ニジマス)は、淡水で稚魚を育てた後に海上養殖して味や風味をサケに似せる工夫をしています。一方で、中国青海省で養殖されている「淡水サーモン」は、何か特別な飼育方法でないのなら(三倍体のニジマスだそうだ)、ニジマスの味なのではないでしょうか?
食べ物の安全や、食品偽装は、中国社会もメディアも市民も気にする話題です。ネット・SNSで大きく話題になったので、大手メディアがいろいろと解説記事を出して、青海省の養殖業者にも取材をするなど、大きく伝えていたところ、
そこで、養殖業者がやっちゃいました。
養殖した淡水サーモン(ニジマス)は安全だと食べてみせ、寄生虫がいないことを顕微鏡で確認をしていると、カメラの前で実演をしてみせます。
光学顕微鏡で寄生虫の有無を調べる為には、サンプルをとても薄く作らないといけないのですが、映像では刺し身くらい分厚い切り身を使っている。
しかも(笑)、切り身を、サンプルを載せる台ではなく、光源の上に載せてしまった。
中国ネットが大はしゃぎ。😝
さらに、現地メディアの大青海網が、養殖「淡水サーモン(ニジマス)の安全性を伝えようと、微博(中国版ツイッター)で「中国科学院の青海生物研究所・・・」と書いたところ、その中国科学院の公式アカウントから「青海省に研究所はありません」とばっさりと反論されてしまって、また中国SNS・ネットで話題に・・・😝
数日たって下火になっているようですが、もう2つ3つ、やらかしてほしいものです。
青海省の竜羊峡(龙羊峡)で「淡水サーモン(ニジマス)」の養殖が盛んなのは、水がきれいで水温が14〜16℃と低く、ニジマスを大きく育てるのに適した水質だったからだそうです。養殖場では、水温や水質などをコントロールし、人工飼料を使用して飼育しています。
養殖場から大都市への出荷は冷凍貨物でしょうし、寄生虫リスクは低くなるとは思いますが、ゼロにはならないでしょう。信頼できるお店で食べるのでなければ、生食は避けた方が良さそうです。
中国では近年、「サーモン」の消費量が増え、国内消費量は年12〜13万トン。このうち国内生産が5万トンで、青海省産が1.38万トン(2017年)で約3分の1となっています。
もし日本のスーパーやコンビニに、中国国産サーモンを使った何か総菜や料理があったとすると、もしかすると、それは青海産の「淡水サーモン(ニジマス)」かもしれませんね。☺️
補足:日本でも、ニジマスの養殖は行われています。
国内の淡水で養殖されたサケ・マス類にはサナダムシは
いません。
冷凍の必要はなく、生でも安心してご賞味いただけます。
サーモンの"陸上養殖"は可能なのか?美味しい魚がずっと食べられる環境を目指すベンチャー企業 | AbemaTIMES
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