(東欧〜ロシア西部、2018年までのASF発生地。EFSA / EU(2018/11)より)(赤字の文字等は管理人による補足)
東欧での発生が続いている アフリカ豚コレラ(ASF (African Swine Fever))。
ポーランドでも東部を中心に発生していて、野生イノシシと養豚場・裏庭養豚での発生件数は2000件を越える。
ポーランドは、EU加盟国の中でルーマニアやハンガリー、バルト海沿岸(リトアニア、ラトビア、エストニア、カリーニングラード州(ロシア))と並んで、アフリカ豚コレラ(ASF)の影響を受けている国だ。
(非EU加盟国のウクライナなどでも発生している。ベラルーシはASF発生情報が未公開)
それでも、これまではポーランド東部での発生ばかりだった。
11月中旬に、突然、ポーランド西部のドイツとの国境からわずか80kmのルブシュ県のヴショフスキ郡(ルブシュ県の東端)で、野生イノシシの死体からアフリカ豚コレラ(ASF)のウイルスが検出された。22頭で陽性が確認された。
ポーランド国内での最も近いASF発生地から250kmも離れている。
(ポーランド獣医局より(2019/11))(赤字の日本語等は管理人による補足)
また、ウイルスが“ジャンプ”した。
ベルギーの例と同じように、野生のイノシシの移動による拡大ではなく、人や車の移動によって遠く離れた地域へウイルスが運ばれて感染拡大したのだろう。
ちょうど、日本で発生している豚コレラ(CSF(Classical Swine Fever)、古典的豚コレラ)で、突然に、埼玉県でCSF陽性のイノシシの死体が発見されたケースと似ている。
それから3週間、ドイツ国境から60kmのジェロナ・グラでイノシシ4頭から、12月3日にはドイツ国境から42kmのノヴゴロド・ボブジャンスキー郡でも道路脇の野生イノシシの死体からASFウイルスが検出された。
(追記 01/10:ドイツ国境から21kmのルブシュ県ジャリでASF陽性のイノシシ死体が発見された(記事タイトルを40kmから20kmに変更しました))
(追記 02/01:ドイツ国境から12kmの地点でASF陽性のイノシシ死体が発見された。(記事タイトルを12kmに変更しました))
アフリカ豚コレラ カテゴリーの記事一覧 - pelicanmemo
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Afrikanische Schweinepest ( #ASP) nur noch 40 Kilometer von der deutschen Grenze entfernt. Der DJV ruft auf, verdächtige Kadaver umgehend zu melden - etwa über https://t.co/eqDCTTUXS3. Früherkennung ist wichtig, um Ausbreitung zu verhindern.
— DeutscherJagdverband (@JagdverbandDJV) 2019年12月2日
Mehr Infos: https://t.co/F8a0X1UoaH pic.twitter.com/QwgJlZppak
ドイツとポーランドの間で、アフリカ豚コレラ(ASF)対策のためのタスクフォースの設立が検討されている。
幸い、ポーランド西部ルブシュ県のASF発生地点の周囲5kmに養豚場は無いようだ。
Polnische Behörden finden Schweinepest nahe der deutschen Grenze - SPIEGEL ONLINE (18.11.2019)
Afrikanische Schweinepest in Polen: 18 neue Fälle nahe deutscher Grenze - SPIEGEL ONLINE (19.11.2019)
Afrikanische Schweinepest nur noch 42 Kilometer von Deutschland entfernt - SPIEGEL ONLINE (03.12.2019)
ドイツでは、ブランデンブルク州とザクセン州がもっとも近い。
アフリカ豚コレラ(ASF)のウイルスを封じ込めるには、野生イノシシの死体などウイルス侵入の予兆を早期に発見し、適切かつ迅速な隔離と無害化が重要となる。
ブランデンブルク州では、国境地域でのイノシシやその死体の捜索を行っている。
ザールラント州の私営の犬の訓練所が狩猟協会と共同で、豚の死体を見つけるため特別に捜索犬6頭を訓練した。ブランデンブルク州での森でも活躍をはじめた。
ザクセン州は、ASF発生した時のための緊急訓練を実施し、いずれ起こるだろうドイツ国内での発生に備えている。
州のバーバラ・クレプシュ(CDU所属)社会問題相は
「アフリカ豚コレラが、来るか来ないかは問題ではありません。いつ来るかが問われているのです。(意訳。原文:"Es ist nicht mehr die Frage, ob die Afrikanische Schweinepest kommt, sondern wir stellen uns die Frage, wann")」
と話す。
Kampf gegen Afrikanische Schweinepest: „Otto“ erschnüffelt tote Wildschweine - Saarland - Bild (03.12.2019)
Schweinepest kommt immer näher | Sächsische (03.12.2019)
ASP: Suchhunde sollen Schweine-Kadaver aufspüren | agrarheute.com (03.12.2019)
--(追記:01/10)-------------------
ブランデンブルク州で、ポーランドとの国境線に沿って約120kmの防護柵(電気柵と、匂いによる忌避剤)の設置が始まった。ザクセン州も同じタイプの防護策を設置する。
ポーランド、ASF、
— ぺりかんめも (@pelicanmemo) 2020年1月4日
ルブシュ県ジャリで確認。
ドイツ国境から21kmまで近付いた。
Afrikanische Schweinepest 21 Kilometer vor deutscher Grenze
https://t.co/eioR2IrIeZ
Tiere - Afrikanische Schweinepest 21 Kilometer vor deutscher Grenze - Gesellschaft - SZ.de
Mit Duft und Stromschlag gegen die Schweinepest
--(追記ここまで)------------------
--(追記:02/01)-------------------
1月20日、ドイツ国境から12km派慣れたところで発見された、野生のイノシシの死体でASF陽性が確認された。
ポーランド、ASF、
— ぺりかんめも (@pelicanmemo) 2020年1月23日
ドイツ国境から12km離れたところで発見された、野生のイノシシの死体で陽性を確認と。
Infiziertes Schwein zwölf Kilometer vor Deutschland gefundenhttps://t.co/cpDTrI6UCU
Infiziertes Schwein zwölf Kilometer vor Deutschland gefunden
--(追記ここまで)------------------
ポーランドでは2014年2月に、ベラルーシとの国境付近の野生イノシシで、はじめてアフリカ豚コレラ(ASF)の発生が確認された。
養豚場・豚を飼育する農家・家庭(裏庭養豚)での発生は、バイオセキュリティが低い施設での発生がほとんどで、農場主の防疫意識が低く感染源を持ち込んだことが、初期の養豚施設での拡大の原因のようだ。
(ポーランドでの、2014年から2018年のアフリカ豚コレラ(ASF)の発生の様子)
(EFSA / EUより)
Afrykański pomór świń (ASF) | Główny Inspektorat Weterynarii(アフリカ豚コレラ(ASF)|ポーランド獣医局)(ポーランド語)
【アフリカ豚コレラ】 ベルギー南部、規制・監視ゾーンを設定 森林の管理とウイルス拡大の防止へ - pelicanmemo (2018-10-20)
【アフリカ豚コレラ】 フランス (未侵入)、野生のイノシシを積極的に駆除 国境近くに「空白地帯」を - pelicanmemo (2019-02-08)