(日本経済新聞より)
3月24日に行われた自民党の国防部会と国交部会の合同会議で、招かれた有識者が示した資料に「中国は尖閣諸島を埋め立てて2万人が居住する計画を持っている」というものがあったことを、3月30日付けの日本経済新聞が報じた。
安全保障関連法の制定当時、武力衝突に至らないグレーゾーン事態への対処が論点になった。離島占拠などを想定し警備拡充の法整備を求める意見も与野党で上がった。施行から5年が過ぎ、沖縄県尖閣諸島周辺で中国の脅威が増すなかで議論が再燃してきた。
中国は尖閣諸島を埋め立てて2万人が居住する計画を持っている――。24日、自民党の会議に招かれた有識者が示した資料に出席議員は息をのんだ。中国側が動くきっかけや日本側の対応など議員側の質問が相次いだ。
(赤字強調は管理人による)尖閣、中国の脅威増す グレーゾーン対処に隙: 日本経済新聞 (2021年3月30日)
これと思われる会議について自民党の石原ひろたか衆議院議員が3月26日にツイートをし、紙の資料(3月23日付)と一緒に”尖閣諸島を埋め立てた”画像を掲載している。(その姿勢は評価している)
ツイートに会議の日付は書かれていないが、時期と「中国は尖閣諸島に2万〜6万人の居住施設」と書いてあるので同じものだろう。
そのツイートのイラスト部分を抜き出した。埋め立てられ人工島が建設されている3DCG画像だ。
左上に”36”という数字が見えているので印刷された配布資料の一部かもしれない。
(石原ひろたか議員のツイートより。3月26日にスナップショット取得。画像内の赤枠は当ブログ管理人によるもの)
その画像は、都市開発シミュレーションゲーム「シティーズ:スカイライン」を使って、中国または香港のゲームユーザーが作成した娯楽作品が元です。
実は当ブログ管理人、たまたま、このゲーム動画を見知っていたのでピン!ときました。😊
次の画像は、動画共有サイトで公開されているゲーム動画から取得した同じシーンのスナップショット画像(ほぼ間違いなくこちらがオリジナルあるいはかなり近い)。
自民党国防部会の資料の方は、別の動画共有サイト搜狐動画での転載動画から取得したものですね。
(動画や、他のスナップショット画像は後ろの方に載せています)
(「都市天际线|未来的钓鱼岛城市规划构想:人口2万,一座跨海大桥连接各个海岛」半个机长/西瓜视频の動画からスナップショット画像を取得)
石原議員のツイートに対して、引用ツイートの形式で指摘をさせていただきました。(その最初のツイートは3月30日の午後に削除された。同じ文章の新しいツイートは閲覧できている↓(記事公開時点))
これを資料として示した有識者は東京大学の川島真教授のようだ。
--(追記:3/31)--------------------
川島真教授がブログ「横浜日記」(3月30日付)で、この画像について書いておられます。(さっき、ツイッターで教えてもらった)。
大事なところを一部引用。
この画像が政府の公文書ではないことや、国土空間開発については多くのコンサルなどが計画を色々作っていると言うことは質疑応答で言っただのが・・・。「絵空事」のようであっても、様々な海島開発計画があり、尖閣もその対象に含まれていると言うことを伝えたかったのだが、やはり伝え方は難しい。説明不足、また切り取られる可能性を踏まえられず、反省。
このExciteブログのプロフィール等に作者の記載は無いが、東京大学大学院総合文化研究科川島真研究室のウェブサイトのメニューバーにリンクがある。
川島真研究室
--(追記ここまで)------------------
国防・国交部会の合同会議で、尖閣諸島の安全保障の議論が有識者を招き、政府への提言案を纏める為行われている。
— 石原ひろたか (@ishiharahirotak) 2021年3月26日
東大の松田康博教授の海警法の問題として尖閣諸島に日本が建物を建てた場合、排除する規定がある点、また、東大川島真教授の写真の様に中国は尖閣諸島に2万〜6万人の居住施設を公に建設 pic.twitter.com/S7troScVFP
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都市開発シミュレーションゲーム「シティーズ:スカイライン」は、”Steam”という米国Valve社が提供するゲームプラットフォーム上で、Colossal Order社が制作販売したゲームで、スパイク・チュンソフトによってPlayStation®4へも日本語版移植されている。
「シム・シティ」や「マインクラフト」みたいなゲームと言えば分かる人も多いだろう。マインクラフト系とか3Dサンドボックス・クラフトゲームというジャンルで、決まったストーリーは特に無くいろいろな舞台世界で作って遊ぶことができる。
(追記4/1:「シティーズ:スカイライン」はオンラインゲームではないとのご指摘がありました。すみません。あまりよく分かってないままタイトルにしました。そのうち直します) (追記4/5:記事タイトルを”オンラインゲームの話です”から”ゲームの話です”に変更しました。)
ゲーム「シティーズ:スカイライン」の中国語名は「都市天际线」(香港)や「城市天际线」(中国)。直訳。
(半个机长/西瓜视频の動画からスナップショット画像を取得)
問題の「尖閣諸島を埋め立てて2万人が居住する計画」のゲーム動画(2分44秒)はこちら。
自民党国防部会の資料の画面上側に見える字幕は、この動画タイトルの一部が表示されているだけのもの。居住可能人口は、作った集合住宅などの数・量で自動的に計算される仕様だろう。
都市天际线|未来的钓鱼岛城市规划构想:人口2万,一座跨海大桥连接各个海岛
(シティーズ:スカイライン|未来の尖閣諸島の都市計画構想:人口2万、1本の巨大橋を建設して個々の海島をつなげた)
2019年3月に公開されたもので、この動画だけで90万人以上の閲覧がある(記事公開時点)。ビリビリ動画や搜狐動画などあちこちの動画共有サイトにも転載されている。
このゲーム動画のオリジナルの作者と思われる”半个机长”氏は、他の尖閣の人口5万人や6万人の「未来計画構想」動画や、南シナ海のいわゆる”三沙市”の「未来計画構想」動画を作成して公開している。
近頃は3Dフライト・シミュレーション・ゲームも好きなようだ。
(半个机长/西瓜视频の動画からスナップショット画像を取得)
次の動画は、別の尖閣「未来都市計画」ゲーム動画(0分55秒)。島内の交通計画。(他にもいくつも動画があったけど、西瓜视频では削除されていた)
南シナ海のいわゆる”三沙市”の「未来計画構想」のゲーム動画(2分37秒)はこちら。
はたして自民党国防部会の議員諸氏は、「中国は、南シナ海の島々を都市化して高層ビルを乱立させて長大な橋とハイウェイで結ぶ計画を立てている」と信じるだろうか? 🙄
当ブログ管理人は、たまたまこの”尖閣諸島をネタにした”ゲーム動画を知っていて、たまたま石原ひろたか議員のツイートを見かけたので、このことを引用ツイートで指摘し動画URLも合わせて示した。
石原議員は元ツイートはそのままに別のツイート2つで追記と修正をされている。ツイート削除して無かったことにはしない姿勢には好印象を持った。🙂
・・・と書いて記事公開をするつもりだったんだけど、30日夜にブログ記事公開直前の最終チェックをしてみたら・・・(公開直前に書き直すのめんどくさいのでこのまま続けて書いている)、、なんだ議員は最初のツイートの方は30日の午後から夕方に削除しちゃったのか。ちょっと残念。😔
それでも、古い方のツイートを削除するのは仕方ないかな。
新しい方のツイートはどうするつもりだろう?↓(記事公開時点は表示されている)
国防・国交部会の合同会議で、尖閣諸島の安全保障の議論が有識者を招き、政府への提言案を纏める為行われている。
— 石原ひろたか (@ishiharahirotak) 2021年3月26日
東大の松田康博教授の海警法の問題として尖閣諸島に日本が建物を建てた場合、排除する規定がある点、また、東大川島真教授の写真の様に中国は尖閣諸島に2万〜6万人の居住施設を公に建設 pic.twitter.com/S7troScVFP
する事を主張している点、驚きました。
— 石原ひろたか (@ishiharahirotak) 2021年3月26日
会議の写真は外交部会、また、尖閣諸島のイメージ図はゲームからの引用で、中国政府の公開情報ではありません。ご指摘を頂き修正しました。#石原宏高
議員のツイートのスナップショット画像は、最初の方のツイートから取得させていただいた。
(石原ひろたか議員のツイートより。3月26日にスナップショット取得)
その尖閣諸島の未来計画という動画は、ネットの都市開発シミュレーションゲーム「シティーズ:スカイライン」で、娯楽作品として作られたものです。
— ぺりかんめも (@pelicanmemo) 2021年3月26日
ゲームの中国名は「城市:天际线」や「都市:天际线」。
動画はこちら。https://t.co/BLkfh7Syfp
外交部会でまじめに取り上げられるとは驚きです。 https://t.co/Ua2AvxmFOo
(半个机长/西瓜视频の動画からスナップショット画像を取得)
PS4移植だけでなくSteamも面白いのが多いと思うけど、そこまで紹介するのは蛇足かと。🙃